コロナ騒動という政治騒動のおかげで老いた親と子が自由に行き来できなくて1年。この間に、どれだけの人が寂しく死んでいったのかと思うとやりきれない。死んでないけど、うちの親戚でもこの騒ぎでしばしば悶着があってなかなか大変。
思うに、要するに戦時中みたいなものなんだろうなとしばしば思う。不合理極まりないことを押し付けられているけど、仕方がないから適当に従ってるといった調子。当たり前だが、こうやっていってゴールに大きな成功とか喜びがあるわけでもないんだから、最終的に中央の権威はなくなる。前の戦争と同じだね。
と、世界中を眺めると、実際、戦争中なのね。シリアでの石油泥棒はいまだ続いてるし、イエメンで餓死してる子どもは引き続き餓死させられるんだし、ウクライナ東部のドンバスは、再度、キエフの2014年以来の米の傀儡政権みたいな政権を通して、ロシア国境で戦争をしたがってる人たちがいる。アメリカは既に金も武器も将校も送ってるから、準備をしていることは本当。台湾付近もそう。
ドンバスに関していえば、シンプルに考えて、アフガニスタンやシリアと同様、西側全体のプロジェクトとして、自分で騒ぎを作って、つまり多分ドンバスで多数のロシア系住民を殺すなりして、ロシア本体が出てくる状況を作って、出てきたら、「ソ連、アフガン侵攻」と同様に、ロシア、ウクライナ侵攻とかいうフレーズで、毎日毎日大騒ぎをしてロシアを悪の帝国呼ばわりする、みたいなことが想像できる。
その後どうなるのか知らないけど。
その一環なのか、日本の側では、このブログ的には、クリップするしかないだろうという記事がnewsweekに出てた。ロシアのメディアでも報道されてた。
元日本国外交官の河本哲夫なる人の論考。
北方領土問題で「変節」したプーチンとの正しい交渉術
中身は他愛もない、ネオコン/ネオリベの、要するに西側が現在進めているプロパガンダを書き連ねたにすぎない。オリジナリティーなし!!
でも、ここがいいの、ここが。
だから今は持久戦の時。焦ることはない。領土問題が大きく動くのは90年代のようにロシアの国力が大きく低下したとき、あるいは中国がロシア極東地方に野心を示す場合だ。ロシアは日本の4倍に相当する極東の領土を清朝から奪っており、中国は都合のいい時にその歴史を「思い出す」だろう。
もう、まさしく、ロシア弱体化という願望そのものですね。いやぁ、すがすがしい。
いっぱい書いてきた、まさにそれですよ、それ。
このへんが初期のまとめ。
最近のはこのへん。
で、ロシアは2019年には財政破綻すると言った人もいたっけ。
そして、河本は「具合案」も上げてる。
日本が今やるべきは、ロシアの主張の前提を崩すこと。つまり、「ヤルタ協定だけでは国境の変更は画定しないし、そもそもアメリカはヤルタでも北方四島を譲っていない」ことを世界に発信する。ロシアの領土ではないのだから、憲法にも抵触しないということだ。そしてロシア政府にこの問題解決の重要性を意識させるため、例えば宗谷海峡、津軽海峡(ロシア本土と北方四島間の主要な補給・物流ルート)をいつでも閉鎖できることを示す。
つまり、中曽根あたりに騒いでいた、四海峡閉鎖ですね。
ウラジオストクを孤立させようという発想なわけですが、それによって、尚一層、カムチャッカ・クリルの戦略基地化が進むんじゃないでしょうか。外に出ている状態を確実にしようということ。すると、そうでなくても日本列島は弱い立場なのに、より一層弱くなる。アホなのか、この人たちはというのが私の感想。
それを拗らせると、千島の外側からアリューシャンにかけての日米間の貿易で多数の船舶が行き交うレーンが、混乱する可能性だってあるんじゃなかろうか?
で、インド洋を構っている場合なのだろうか?
そして、河本が期待する、中国とロシアの喧嘩ですが、今のところはないみたいです。別にこの両国は、互いによくわかってるように、そんなに仲の良い民族同士ではない。むしろ悪いことが多かったし今もそういう側面はあるでしょう。文化的にも違うから、理解しあえないことも多いでしょう。
だがしかし、それでも両者とも、戦略的に組むことの便益を理解できないほど愚かではなかったようだ、といったところでしょう。
毛沢東、周恩来あたりの、大躍進に失敗して、アホみたいにソ連憎しを募らせて、ユダ金におもねって勝った気になった馬鹿中共だけが彼らでもない、と言ってもいいかもしれない。
内部は、あまねく傲慢で有名な漢民族は要注意だし、高等教育に難があったり、黄色いアメリカ人が多すぎて実は統一が取れない国内世論、みたいなのも本当でしょう。しかし、だからといって、別にユダ金+アングロ主導の言うところの西側の手先になる必要を認めなければならないというわけでもない、ってのは心がけとしてよいんでないの?
■ ユーラシア動向
ということで、ユーラシア動向。
つい数日前、ロシアはアメリカとの共同プロジェクト計画をやめて、中国との間で月面ステーション共同建設の覚書に調印した。
ロシアと中国、月ステーション共同建設の覚書を締結
他方で、アメリカの宇宙飛行士はまだロシアのソユーズに乗ってISSに行ってるってのがなぁ・・・。
American astronauts to again use Russian Soyuz rocket to reach ISS as NASA can’t rely on ‘unstable’ US tech – Moscow space chief
さらに、3月10日には、ロシアのロスアトムがトルコに作ってるアックユ原子力発電所の、3基目の起工式を、プーチンとエルドアンがビデオ参加してやってた。来年、本格的に工事が進んだら現場に二人で行くらしい。
この原発が稼働するとトルコの電力の10%が賄われる模様。
そして、トルコは別に原子力に強かったわけではないから、間違いなくトルコ人の優秀な人たちがロシアの学校に行って原子力関連の勉強をしていると思う。
ということで、両国とも非常に長期的な関係を見てる。長い間そうであったように、敵の時もきっとあって味方の時もあるだろう、ぐらいで見るのが前提でいいじゃんかって感じ。
原発といえば、中国は海外の最新式を導入していく中で独自の型も作ったけど、まだフランス、アメリカ、ロシアの製造(計画を含む)も多い。ロシア型の原発は、最も大規模なのが多分田湾、最近では遼寧省でも作業を開始しはじめているようだ。
https://www.world-nuclear-news.org/Articles/Russia-starts-making-major-components-for-Xudabao
中国は再生可能エネルギーの伸長もすごいけど、ここで原発を作らないなどという選択肢はまったくない。
さらに、イランとロシア。ここは地道に関係が密になっていっている。驚くほど静かに。
イランとロシアは関係の基礎をなす協力の原則を20年前に締結していて、3月12日がその記念日らしい。両国の外務省が、現在両国間はかつてないほど良好になったと喜んでいる旨を発表してる。
Iran’s Foreign Ministry has hailed Tehran-Moscow relations as “stronger than ever,” expressing willingness to further expand bilateral ties with the Russian Federation in all areas based on mutual cooperation and respect.
一説には、ロシア&イラン間にインテリジェンス協定が結ばれたのではないのか、という話が出てきている。
詳細は不明。だけど、イランのザリーフ外相が頻繁にモスクワに行っていたことといい、かなり深いところで協力関係に入っているんだろう、というのは、正しい観測だと思う。
当然、イスラエルが何と見るのかが問題になるけど、見たってどうしようもない。シリア軍のミサイル迎撃は訓練の成果が発揮されていて、大変すばらしい。
■ Lunacyは続かなかったユーラシア
イラン&ロシア関係は、歴史的に見れば、揉めたことが幾度もある関係。だけど、ホメイニ以降の時期が取り立てて悪かったけど、長い目で見ると、決して、狂った関係ではないと思う。(ホメイニって、ソビエトは悪で、ムジャヒディーンは素晴らしいという、イラン版のレーガンなんだよね、よーするに。)
時々武力紛争もあった、だが、交流はあります、みたいな恰好でずっと続いてきた。仲のいいコミュニティもあれば悪いところもある。
冷静に考えてみれば、隣国関係ってそんなものでしょ?
別の見方をすれば、ソビエトが侵略したのだと言い張るために、ナチスとソ連は一緒なのだの言説を振りまいて、世界中を巻き込んで憎悪を喚起し、ナチスを追い払ったソビエト兵士たちの死を愚弄しまくるポーランドのような国は、ここらへんのユーラシア中央部にはない。
マジで、バルト3+ポーランドみたいな国って、見当たらない。
ロシア外務省の炎のザハロワが、
最近また何か話を作って米メディアを賑わせているポーランドに対して、これはもうフェイクニュースどころではない、危険なlunacyだと言ったそうだけど、いやもう、まさに、ポーランド外交はlunacyという語がぴったりだ。精神錯乱、狂気という意味ね。
‘Lunacy’: Diplomat slams Polish ‘pseudo-historical’ claims nuns ‘murdered by Red Army’
当然のことながら、75年間日本人が住んでもいない千島列島を取り返すために、ロシア相手に四海峡閉鎖でロシア海軍を封鎖しろ、つまり軍事紛争をしかけろ、と表明する河東はルナシー仲間です。
■ オマケ
どうしてルナシーと目される言動を取るのか。それは結局、独立心、自立心がないから、というのが正解ではなかろうか。
親方が後ろにいるはずだ、と思うから大きなことを言い、最低でも親方に褒めてもらえると思ってる。発話者の精神の中ではだから多分平衡してる。
つまり、1939年のポーランド(イギリスが庇ってなんとかしてくれると思った)のようなメンタリティーが、ルナシーの誘因と言うべきか(根本原因は、それなりにメガロマニアックな自尊心)。
。
。
それに対して、ユーラシアの古い国は自分たちの存在を護らないとならないから、そんな話にはついていけなくなるタイミングがあって、方向転換する、整理する、ルナシーっぽい言説をおしまいにしないと相手も本気になる、大変だと自主的に判断することができる。
子分だからルナシーのままでいる、と言い換えてもいい。
こういった人物がロシア専門家とされているのが日本です.
日本の「ロシア専門家」の多くが反露を鮮明にしているのは,この「業界」のドン=木村汎と袴田茂樹に睨まれたら生きていけない,という話もありますが,これは結果としてそうなっただけで,19世紀後半以降に形成された下地があるからであり,この二人が去ったとしても改善されるものではないでしょう.
そうそう、そのへんのドンとかいう偽物専門家集団の存在はとても大きいと思います。
でも、冷戦後じゃなくて、そもそも日露戦争の時の 七博士建白事件から考え直すべきだろうと思ってます。これこそ、こんこんちきのルナシーの例だと思います。
また書きますので、また教えてください。
こういう人は、別に自らの信念で反ロシア反中国を叫んでいるわけじゃない。マスターが変わったとみるや否や熱烈に中国LoveやロシアLoveを叫ぶはず。
私はこういうDignityのかけらもない植民地根性丸出しの犬が大嫌い。