EUが多種多少な妨害とアホみたいな努力を重ねたが、ハンガリーのオルバンを倒すことはできなかった模様。また、セルビアの現職大統領も当選。
日本語の記事をリンクしようとしたらこんな記事が。
ウクライナ隣国のハンガリーで議会選挙 与党連合勝利の見通し
未だかつてハンガリーを形容するのに、ウクライナの隣国と示した例はないのでは? 世の中、というか、西側世界、特に欧州と日本のパチモノぶりはスゴイ、というのが私の観察ですね。
前から書いている通り、アメリカは実のところこのロシア攻めに積極的でない人々が一定数顕著に存在したし、今もいる。ネット上に出てきて、ナチのウクライナとかバイデン政権を積極的に批判しているアメリカ人は少なくない。というか、頑張ってる。
それに対して、欧州と日本では、顕著な反・反ロシアは政治勢力としてはないに等しい。一水会さんぐらい?
で、今日のスコット・リッターのtweetが、何かこう、いわく言い難く重要だなと思った。
私はヨーロッパ大陸で育ち、大陸中を広く移動したことがあって、そこには友達も家族もいる。彼らがこれから経験する経済的、社会的痛みについて思うと気の毒に思いたくなる。しかし、彼らはその痛みをロシアに押し付けようとしたことも忘れない。
I grew up and have travelled extensively throughout the European continent, and have friends and family who live there. I want to feel sorry for what they are about to go through in terms of economic and social pain. But then I remember they wanted to inflict that pain on Russia.
— Scott Ritter (@RealScottRitter) April 3, 2022
だそうですよ。フェアなジャッジメントでしょう。私もそう思う。
ロシアの悪者化が著しかったのは、アメリカというより、イギリスやドイツだと思う。そして、ここらへんはロシア経済を破壊して一般人を苦しめようという政策に反対する傾向も見えない。
で、多分、ヨーロッパ人たちは、アメリカについて行くからこうなるのだ、と思ってると思うんです。しかし、それは本当だろうか?
ミンスク合意を自分で結ばせて、その後無視して反故にしたおばさんはドイツ人ではないの?
メルケルは、プーチンに、オデッサの虐殺について目の前で言及されても無視した人でもある。この根性はスゴイ。
ロシア経済を崩すと積極的に制裁をかけたフォン・デル・ライエンもドイツ人。核ミサイルを撃つからなと脅したおばさんもそう。
トランプが出てきた時烈火のごとく怒ったのもここらへんの人。
ということなので、イギリス、ドイツ、フランス、あるいはEU全体は、2014年からここまでのNATO vs ロシアの戦争の主要なプレーヤーなわけです。
■ オマケ:2017年5月プーチン
プーチンが2017年5月に、ソチに来たメルケルの隣で、2015年5月2日にオデッサで起こった事件についてこう語った。
あなたは覚えていらっしゃるかもしれませんが、3年前、オデッサでとてつもない悲劇が起こりました。ウクライナの過激なナショナリストたちが無防備な人々をオデッサのトレードユニオンビルに追いやり、そこで生きたまま焼きました。未だに誰に責任があるのか判明していません。グローバルコミュニティには、これを忘れる権利はありません。同じようなことが将来二度と起こらないようにするためです。
忘れさせないと言った通り、これらの犯罪者は名前を明かされ、処罰されるものと思う。そして、オデッサで処罰することを考えていると思う。
■ EU
で、どうしてこんなにヨーロッパが突っ込んだのか、というのが問題なんだろうと思うわけですが、イギリスについては、多くの人が指摘するように、マッキンダー以来の世界支配願望の話がそれなりに有効だと思う。では大陸はどうなのか。多分、それは結局EU問題に突き当たるんじゃなかろうか。結局、UKを含むEUとNATOというのが戦犯の中心なんじゃないのか、と私は漠然と思ってる。あるいは、ステルス帝国を作ったヨーロッパ集団、みたいな感じ。
思えば、2014年頃に、LIBOR問題というのがあった。また、2008年のリーマンショック以来、EUはどれだけ加盟国を苦しめてきたことか、というのもある。ここらへんの政策の行き詰まりは、見逃せない要因だと思う。
(金をじゃんじゃん刷って、戦争やって破綻させて、「リセット」して、欧州合同で恒久的な債券を発行しようとしているんだろう、と噂があるのはそのためでしょう。)
ぶっちゃけ、財金から見た時、アメリカの状況も酷いが、ヨーロッパの方がさらに酷いと思う。そして、長期的にみればアメリカには立て直すことが可能なリソースと人材がないことはないな、というところだが、ヨーロッパはかなり怪しい。
日本は、基本設計がアメリカ覇権こそ永遠なれで、その一番弟子であることが信用の担保みたいにな感じなので、これが崩れた時、果たして日本の信用って何だろうということになる。
■ ルーブル払い続報
そんな中、予想通り、ガスのみならず、その他の物品についてもルーブル払いに切り替える動きが続くとロシア大統領府のペシュコフ報道官が言っている。
Ruble Payment Scheme Russia Uses With Gas Will Be Extended to New Groups of Goods in Future - Peskov
ロシアの原子力機関ロスコスモスも準備できてます、だそうだ。
Russia's Rosatom Sees No Problem Switching to Payments in Rubles
石油、天然ガス、穀物、希少金属などの話はよく出るけど、ロシアは世界の原発の燃料も供給している。確か、17%ぐらいと昨年読んだ。それもルーブル払いを求める模様。アメリカも、欧州のいくつかの国も顧客。どうするんだろうか。
実際、ドルとユーロの安定使用を塞がれた以上、仕方ないわけですが、それでもルーブル支払いなどまかりならんとEUは言うのだろうか。見ものだ。