インタビュー
今朝はいちばんくじの列に並ぶことができた。すごくついていると思う。ここ数日、ほとんど毎回のダルシャンで会場の最前列に並んでいる。何か、偶然以外の法則が働いているのではないかとさえ感じてしまう。
朝のダルシャンが終わってから、日本人のグループに加わることにして、事務所に行った。
それから、はじめてのミーティングに出た。最初にアサトママントラを唱える。それから、今日の言葉、これはサイババの言葉が毎日掲示板に書かれるものを訳しているらしい。それから、今日の実践、これは世話人がサイババの本から選んでいるらしい。それから、連絡事項。それと、人数確認。人数は、重要なポイントで、スワミにダルシャンの時,「HOW MANY?」と聞かれたら即答えられないとインタビューを逃してしまうかもしれない。最後に、ガヤトリマントラを唱えて終わりである。人数は、男性女性併せて20人前後である。メンバーの人数は女性の方が少し多いらしい。
私と同じ宿に泊まっている例の女性達も話を聞きに来ていたが、彼女たちは結局グループには入らなかった。「私たちは、インタビューが目的で来ているわけではありませんから。」と、妙に突き放すように言ったのが印象的だった。
午後のダルシャンでも、いちばん前の列に座ることができた。私はついている。そう云うツキが、グループに入ることによって逃げてしまうのではないかと少し心配していたが、そんなことはないようだった。座った場所は、スワミの入ってくる入り口の正面いちばん奥である。
スワミの歩くスピードはいつもずいぶん速い。ひとつひとつの動作を見ていると、ゆっくり歩いているように思えるし、けっして小走りなどしないのであるが、しかしスイッと行ってしまわれるのである。
そのスワミが今日は私の前に近づいてきて、私に!!「どこから来たのか。」と尋ねた。「日本。」、「インタビューをお願いします。」私の後ろにいたグループの人がインタビューを依頼する。私もインタビューをお願いした。「何人だね。」「19人。」。しかし、話はそれだけで、スワミはもう次に移動している。
インタビュールームに入れる人数はおよそ25人までなのだそうで、そのためにスワミは人数を聞くのである。インタビューを依頼した場合、だめなときには「ウエイト」と言ったり、手で待ての仕草をしたりするのだそうである。やはりだめか、そう思った次の瞬間、先の角を曲がったスワミがこちらを見て合図をした。私にはよく分からなかったが、それがインタビューOKの合図であったらしい。持ち物の座布団や本を抱えて、ダルシャンのじゃまにならないよう気を付けながら、マンディールの建物のインタビュールームの前に向かう。同じグループの女性達も広場の向こう側から集まってきた。
マンディールの建物の前の辺りは学生の座る場所で、信者さん達が座る床の高さよりは1メートルくらい高くなっている。インタビューに呼ばれた人は、男女別々にインタビュールームの前に座って、サイババがダルシャンを終えて戻ってくるのを待つのである。
戻ってきたスワミはそこにいる私たちにとても親しげに接してくれた。最初に女性達が同じグループなのかどうか確認をした。そして、待望のインタビュールームへ。
聞いていたとおり、6畳くらいの部屋である。先に入っていたインドの男性2人と我々のグループで20人くらいであるが、それで部屋はいっぱいになってしまった。部屋の隅にスワミの座るイスがひとつあって、我々は、床に詰めて座っている。私は部屋の入り口に近い、スワミから離れた場所に座った。とても、前の方に座る気持ちにはならなかった。この部屋に入れるだけで十分と思った。傍観者には傍観者の位置がある。
まずインド人のふたりに言葉をかけて、何が欲しいかと尋ね、指輪をひとつ取り出して与えた。ごく自然に、しかしこれから出すぞという雰囲気のうちに、あっと言う間に出してしまう。
そのインド人のふたりが部屋を出たあとは、我々のグループだけである。インタビュールームのドアの開け閉めは、スワミが自ら当然のことのように行う。部屋の天井のファンのスイッチも自分で入れる。
私はもう何も考えていない。部屋に入る前には、何を聞こうかなどとあれこれ考えたりしたのだが、この部屋の中では、まさにこの時を至上の時として味わい尽くすしかなかった。以前どうだったとか、今後どうなるとか、そう云ったことは、つまらない事であった。大切なのはこの今であって、いかに密度高くこの時を味わい尽くすかであった。スワミは「How are you?」と一人一人に、声をかけられた。ある女性は夫が信仰を持たず肉食を続けていることを改められないか尋ねた。しかし、明確な回答はなかった。ほかの女性には結婚して家庭に入ることを奨めたりもしていた。そう云われた人の中には、「私にはスワミがいる。私が愛しているのはスワミだけである。」と言う人もいた。もちろんそれは笑顔での会話であるが。
髪を少し染めた若者が指輪を出してもらった。私はそれをできる限り集中して見たつもりであったが、気づいたときにはもう指輪がスワミの手にあった。右の手の平を下にして少し動かしたのはいつものやり方である。ビブーティを出すときと同じである。物質化しているとき、サイババがその手のひらに集中していることは確かである。しかし、それ以上の事は何も分からない。それより驚いたことは、出て来た指輪がいかにも出来たてと云った感じに虹色に光を放っていたことである。どんなすばらしい宝石でもあんなには輝かないだろうほど輝いていた。もちろん、宝石を輝かせるためのスポットライトのようなものはこの部屋にはない。
仕事のことを尋ねた男性もいた。スワミは大丈夫と答えていた。
私はといえば、口に出す言葉が見つからなかった。インタビューに呼ばれたら質問しようと考えていた事がなかったわけではないのに、スワミをを前にするとどの質問もつまらない事に思えてしまった。そして私は、「風邪を引いています。」と言った。確かにこの旅で私の困っていることは風邪のことであった。しかし、その事を言うためにわざわざ日本から来たはずはないし、スワミにしても、私の心の中の混沌を感じていたに違いない。しかしまた、今になって考えてみれば、そのときの「風邪」というのは、案外私にとって本当に最大の問題であったかもしれない。アシュラムには世界中の風邪が集まってきていたし、私はバラナシ以来ずっと風邪気味であった。そのために体力を落とし、マドラスでは休息しなければならなかった。風邪は万病の元、健康でなければ何も始まらないのである。
それから、スワミは、女性全員にビブーティを出した。8人くらいの一人一人にビブーティを出し続けたのである。しかし、男性には回ってこなかったため、てっきり男性の方にも回ってくると思って準備をしていた私はちょっとがっかりした。それから、年輩の女性にスワミの着ているのと同じオレンジ色のローブを与えた。それをポイっと放り投げて与えたのもフランクな感じで悪くはなかった。
それから、もうすぐに日本に帰るという夫婦を奥にある別室に連れていって祝福した。聞いた話では、別室ではスワミはもっと個人的に祝福し、抱きしめてくれたりするそうである。
最後に、スワミは袋詰めのビブーティを全員に手渡した。人の間をスワミが歩いて一人一人に手渡してくれるのである。手渡しながら、声をかけてくれる。私に「風邪?」と問いかけてくれた。「はい、でも、問題ない。」「そう、問題ない。」そう言ってくれた。それは、私の中の混沌に対する答えでもあったように思われた。
私は最高に幸せな気持ちだったし、あらゆる質問に対して、スワミの答えが聞こえてくるような感じだった。
全部で30分くらいのインタビューが終わって、部屋から出ても余韻が全身を包み込んでいるのが分かる。インタビュールームは異次元空間につながってるんじゃないかとさえ思えた。部屋に入ってスワミがドアを閉めた瞬間から、インタビュールームは部屋ごと4次元空間を旅して、スワミがドアを開けた瞬間にアシュラムに帰ってきたような感じだ。ものすごく密度の高い空間、あるいは空飛ぶ円盤に乗せてもらった感じである。
インタビューが終わって、広間に戻ってから、バジャンが始まった。もちろんいつもと同じバジャンなのであるが、インタビューを終えた後でのバジャンは全く違っていた。感動がこみ上げてくるのである。スワミに向けて合わせた手を離すことができないような感じ、高揚して歓喜によって目が異様に輝いているのが自分でも分かる。インタビュールームは暑くなかったのに、気が付くと全身にだいぶん汗をかいている。異常なほど大きな感動の波に飲み込まれて、充実した感じに酔っている自分を感じながら、バジャンが終わってからもしばらく広間に座っていた。
宿に戻る頃には、それでも落ち着いてきたが、幸せな気分はずっと続いていた。
インタビューの翌日。グループのミーティングでは、みんな昨日の余韻をまだ楽しんでいるようであった。昨日指輪をもらった人に、その指輪を見せてもらった。リングは黄銅色でそれに白色透明の3ミリくらいの石が載っている。昼間の明るい日差しの中で見せてもらっているためか、昨日インタビュールームではじめて出てきた時のようなきらめきは感じられない。もらった人はサイズが少し大きくて緩いと言っていた。これから太るので大きめのものを出してくれたのだろうかとか、次に呼ばれたときに調整してもらえばよいとか、いろいろな事を言われていた。スワミにもらった指輪は死ぬまではずすべきではないという人もいた。だとすればなかなかたいへんである。グループには以前に指輪をもらっている人がいて、それも見せてもらった。リングは同じような材質だが、石は透明なグリーンだった。
今朝はいちばんくじの列に並ぶことができた。すごくついていると思う。ここ数日、ほとんど毎回のダルシャンで会場の最前列に並んでいる。何か、偶然以外の法則が働いているのではないかとさえ感じてしまう。
朝のダルシャンが終わってから、日本人のグループに加わることにして、事務所に行った。
それから、はじめてのミーティングに出た。最初にアサトママントラを唱える。それから、今日の言葉、これはサイババの言葉が毎日掲示板に書かれるものを訳しているらしい。それから、今日の実践、これは世話人がサイババの本から選んでいるらしい。それから、連絡事項。それと、人数確認。人数は、重要なポイントで、スワミにダルシャンの時,「HOW MANY?」と聞かれたら即答えられないとインタビューを逃してしまうかもしれない。最後に、ガヤトリマントラを唱えて終わりである。人数は、男性女性併せて20人前後である。メンバーの人数は女性の方が少し多いらしい。
私と同じ宿に泊まっている例の女性達も話を聞きに来ていたが、彼女たちは結局グループには入らなかった。「私たちは、インタビューが目的で来ているわけではありませんから。」と、妙に突き放すように言ったのが印象的だった。
午後のダルシャンでも、いちばん前の列に座ることができた。私はついている。そう云うツキが、グループに入ることによって逃げてしまうのではないかと少し心配していたが、そんなことはないようだった。座った場所は、スワミの入ってくる入り口の正面いちばん奥である。
スワミの歩くスピードはいつもずいぶん速い。ひとつひとつの動作を見ていると、ゆっくり歩いているように思えるし、けっして小走りなどしないのであるが、しかしスイッと行ってしまわれるのである。
そのスワミが今日は私の前に近づいてきて、私に!!「どこから来たのか。」と尋ねた。「日本。」、「インタビューをお願いします。」私の後ろにいたグループの人がインタビューを依頼する。私もインタビューをお願いした。「何人だね。」「19人。」。しかし、話はそれだけで、スワミはもう次に移動している。
インタビュールームに入れる人数はおよそ25人までなのだそうで、そのためにスワミは人数を聞くのである。インタビューを依頼した場合、だめなときには「ウエイト」と言ったり、手で待ての仕草をしたりするのだそうである。やはりだめか、そう思った次の瞬間、先の角を曲がったスワミがこちらを見て合図をした。私にはよく分からなかったが、それがインタビューOKの合図であったらしい。持ち物の座布団や本を抱えて、ダルシャンのじゃまにならないよう気を付けながら、マンディールの建物のインタビュールームの前に向かう。同じグループの女性達も広場の向こう側から集まってきた。
マンディールの建物の前の辺りは学生の座る場所で、信者さん達が座る床の高さよりは1メートルくらい高くなっている。インタビューに呼ばれた人は、男女別々にインタビュールームの前に座って、サイババがダルシャンを終えて戻ってくるのを待つのである。
戻ってきたスワミはそこにいる私たちにとても親しげに接してくれた。最初に女性達が同じグループなのかどうか確認をした。そして、待望のインタビュールームへ。
聞いていたとおり、6畳くらいの部屋である。先に入っていたインドの男性2人と我々のグループで20人くらいであるが、それで部屋はいっぱいになってしまった。部屋の隅にスワミの座るイスがひとつあって、我々は、床に詰めて座っている。私は部屋の入り口に近い、スワミから離れた場所に座った。とても、前の方に座る気持ちにはならなかった。この部屋に入れるだけで十分と思った。傍観者には傍観者の位置がある。
まずインド人のふたりに言葉をかけて、何が欲しいかと尋ね、指輪をひとつ取り出して与えた。ごく自然に、しかしこれから出すぞという雰囲気のうちに、あっと言う間に出してしまう。
そのインド人のふたりが部屋を出たあとは、我々のグループだけである。インタビュールームのドアの開け閉めは、スワミが自ら当然のことのように行う。部屋の天井のファンのスイッチも自分で入れる。
私はもう何も考えていない。部屋に入る前には、何を聞こうかなどとあれこれ考えたりしたのだが、この部屋の中では、まさにこの時を至上の時として味わい尽くすしかなかった。以前どうだったとか、今後どうなるとか、そう云ったことは、つまらない事であった。大切なのはこの今であって、いかに密度高くこの時を味わい尽くすかであった。スワミは「How are you?」と一人一人に、声をかけられた。ある女性は夫が信仰を持たず肉食を続けていることを改められないか尋ねた。しかし、明確な回答はなかった。ほかの女性には結婚して家庭に入ることを奨めたりもしていた。そう云われた人の中には、「私にはスワミがいる。私が愛しているのはスワミだけである。」と言う人もいた。もちろんそれは笑顔での会話であるが。
髪を少し染めた若者が指輪を出してもらった。私はそれをできる限り集中して見たつもりであったが、気づいたときにはもう指輪がスワミの手にあった。右の手の平を下にして少し動かしたのはいつものやり方である。ビブーティを出すときと同じである。物質化しているとき、サイババがその手のひらに集中していることは確かである。しかし、それ以上の事は何も分からない。それより驚いたことは、出て来た指輪がいかにも出来たてと云った感じに虹色に光を放っていたことである。どんなすばらしい宝石でもあんなには輝かないだろうほど輝いていた。もちろん、宝石を輝かせるためのスポットライトのようなものはこの部屋にはない。
仕事のことを尋ねた男性もいた。スワミは大丈夫と答えていた。
私はといえば、口に出す言葉が見つからなかった。インタビューに呼ばれたら質問しようと考えていた事がなかったわけではないのに、スワミをを前にするとどの質問もつまらない事に思えてしまった。そして私は、「風邪を引いています。」と言った。確かにこの旅で私の困っていることは風邪のことであった。しかし、その事を言うためにわざわざ日本から来たはずはないし、スワミにしても、私の心の中の混沌を感じていたに違いない。しかしまた、今になって考えてみれば、そのときの「風邪」というのは、案外私にとって本当に最大の問題であったかもしれない。アシュラムには世界中の風邪が集まってきていたし、私はバラナシ以来ずっと風邪気味であった。そのために体力を落とし、マドラスでは休息しなければならなかった。風邪は万病の元、健康でなければ何も始まらないのである。
それから、スワミは、女性全員にビブーティを出した。8人くらいの一人一人にビブーティを出し続けたのである。しかし、男性には回ってこなかったため、てっきり男性の方にも回ってくると思って準備をしていた私はちょっとがっかりした。それから、年輩の女性にスワミの着ているのと同じオレンジ色のローブを与えた。それをポイっと放り投げて与えたのもフランクな感じで悪くはなかった。
それから、もうすぐに日本に帰るという夫婦を奥にある別室に連れていって祝福した。聞いた話では、別室ではスワミはもっと個人的に祝福し、抱きしめてくれたりするそうである。
最後に、スワミは袋詰めのビブーティを全員に手渡した。人の間をスワミが歩いて一人一人に手渡してくれるのである。手渡しながら、声をかけてくれる。私に「風邪?」と問いかけてくれた。「はい、でも、問題ない。」「そう、問題ない。」そう言ってくれた。それは、私の中の混沌に対する答えでもあったように思われた。
私は最高に幸せな気持ちだったし、あらゆる質問に対して、スワミの答えが聞こえてくるような感じだった。
全部で30分くらいのインタビューが終わって、部屋から出ても余韻が全身を包み込んでいるのが分かる。インタビュールームは異次元空間につながってるんじゃないかとさえ思えた。部屋に入ってスワミがドアを閉めた瞬間から、インタビュールームは部屋ごと4次元空間を旅して、スワミがドアを開けた瞬間にアシュラムに帰ってきたような感じだ。ものすごく密度の高い空間、あるいは空飛ぶ円盤に乗せてもらった感じである。
インタビューが終わって、広間に戻ってから、バジャンが始まった。もちろんいつもと同じバジャンなのであるが、インタビューを終えた後でのバジャンは全く違っていた。感動がこみ上げてくるのである。スワミに向けて合わせた手を離すことができないような感じ、高揚して歓喜によって目が異様に輝いているのが自分でも分かる。インタビュールームは暑くなかったのに、気が付くと全身にだいぶん汗をかいている。異常なほど大きな感動の波に飲み込まれて、充実した感じに酔っている自分を感じながら、バジャンが終わってからもしばらく広間に座っていた。
宿に戻る頃には、それでも落ち着いてきたが、幸せな気分はずっと続いていた。
インタビューの翌日。グループのミーティングでは、みんな昨日の余韻をまだ楽しんでいるようであった。昨日指輪をもらった人に、その指輪を見せてもらった。リングは黄銅色でそれに白色透明の3ミリくらいの石が載っている。昼間の明るい日差しの中で見せてもらっているためか、昨日インタビュールームではじめて出てきた時のようなきらめきは感じられない。もらった人はサイズが少し大きくて緩いと言っていた。これから太るので大きめのものを出してくれたのだろうかとか、次に呼ばれたときに調整してもらえばよいとか、いろいろな事を言われていた。スワミにもらった指輪は死ぬまではずすべきではないという人もいた。だとすればなかなかたいへんである。グループには以前に指輪をもらっている人がいて、それも見せてもらった。リングは同じような材質だが、石は透明なグリーンだった。