マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『MOA美術館』へ

2010年05月14日 | 身辺雑記

   
 今日5月14日(金)、熱海にあるMOA美術館に行って来ました。『又兵衛絵巻と北斎・広重風景版画の名作』展が今日から6月7日まで開かれています。又兵衛とはかの岩佐又兵衛、織田信長に斬殺された荒木村重の子で、数奇なる運命を生きた江戸前期の絵師です。その絵巻が展示され、家人は凄いものが観られるはずと語っていました。私はこの2年ほど彼の作品を観る機会があり、彼の絵巻なら是非見たいものと期待を込めて熱海へ出掛けました。



 MOA美術館を訪れたのは30年以上も前のこと。この間2度ほど伊豆山にある温泉を訪ねてはいますが、久し振りの熱海下車、そして久し振りのMOA美術館。確かこの前は徒歩で急坂を登って行ったような記憶がありますが、しかとは思い出せません。今回は熱海駅前からバスを利用しました。「このバスはエム・オー・エイ美術館行きです」との車内放送が流れ、「モア美術館」と発音するのでは無い事を今日初めて知りました。発車して10分ほど、バスは一気に急坂を登り詰め「MOA美術館」入口へ。


           (美術館入口)
 30年数前に訪れた「MOA美術館」とはまるで様子が違います。エントランスを入るといきなり長いエスカレータがありました。更にその上にもエスカレータは続き、確か6本のエスカレータを乗り継いだでしょうか。後でパンフレットを見ると、登りと下りのエスカレータの間に作られた階段で数にして457段、標高差にして70mにも亘る総延長200mのエスカレーター。





       (微かに大島を望む)
 到着したロビーの大きなガラス窓からは相模湾や初島が見渡せ、その背後には薄っすらと大島も望めます。美術作品を観る以前に、ここで大パノラマを堪能できる仕掛けになっています。ここ「世界救世教」の世界が絢爛にして豪華である事を象徴しようとしているかのようです。2年前に行った信楽の「MIHO MUSEUM」を思い出しました。




 「又兵衛絵巻」は浄瑠璃物語絵巻。ここの所蔵品で、12巻の展示。物語の要約文を全文読みました。主人公の牛若(源義経の若い頃)は名高い長者の唐御所から聞こええる管弦の音に誘われるまま、絶世の美女浄瑠璃姫を見て一目ぼれ、唐御殿の中に入り込んで浄瑠璃姫を口説きます。一夜を契った牛若と浄瑠璃の悲劇に終わる物語。その物語に又兵衛は絵を添えて、浄瑠璃物語絵巻を完成したのでした。牛若や浄瑠璃姫をはじめとして人物の表情が豊かに色鮮やかに描かれていました。

             (三井家別邸城山荘内にあった唐門)
 北斎や広重の版画も丹念に観て少し疲れました。しかし、美術館の周辺には庭園や文化財が配置されていて、疲れた体や脳を癒してくれるのでした。






  
    



        (庭園には青葉と紅葉が)



       (竹庭園内の石楠花)