マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『栄西と建仁寺』展を観る(その1)

2014年04月05日 | 映画・美術・芝居・落語

 4月2日、妻と東京国立博物館に出かけた。3月25日から「栄西と建仁寺」展が始まっていた。前回の催し「クリーブランド美術館展」の折、貰って来たパンフレットから、俵屋宗達筆「風神雷神」が公開されることを知り、それを目玉にした、この開催を心待ちしていた。しかし、それは”井の中の蛙 大海を知らず”で、観るべきものはそれだけではなく、榮西と建仁寺ゆかりの宝物の数々に目を奪われた。建仁寺の果たしてきた、学問・美術・茶道などに於ける役割の高さを、初めて知るのであった。
 建仁寺。近くまで足を運んだことはあったが、訪れたことはなかった。まずその方丈の姿の美しさに驚く。祇園近くにあるこの寺へ、秋には足を運びたいと思った。


           (建仁寺方丈)
      

 今年は、京都最古の禅寺建仁寺を開創した榮西禅師800年遠忌にあたるそうで、その榮西は日本に茶の習慣を伝えたとされる「茶祖」としても知られ、古い禅院の茶法を伝える「四頭茶会」の空間が会場内に再現されていた。
 慶長4年(1599年)に安国寺恵瓊による本坊方丈の再建があり、そこには海北友松による水墨画の世界が展開された。今私たちが目にするのは重要文化財「雲龍図」と「竹林七賢図」等々。
 伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図」(両足院蔵)や、良全筆の重要文化財「十六羅漢図」、長澤芦雪筆「牧童笛吹図」(久昌院蔵)なども展示されている。特に「牧童笛吹図」を面白く観た。解説には”人の見ている前で、筆のかわりに指で一気に描き上げたものでしょうか”とある。
 「四君子図」もあった。解説に四君子とは蘭・竹・菊・梅とあった。このことを知っていれば、松井今朝子著『非道、行ずべからず』(2014/2/18のブログ)に提示された謎を解たかも知れない。
 
 国宝「風神雷神」は最後の最後に待っていた。漸くの真打登場である。重文の方は毎年のように観ているが、国宝を何時観たかの記憶は不確か。パンフレットには”5年ぶりに参上”とある。宗達の図を観て光琳が影響を受けて描いたとされる重文。どちらの図も、ユーモラスで躍動的な神の図を眺めるのは楽しい。

 今年も年間パスポート(昨年は4000円で購入)で6回の特別展を鑑賞し、オマケに、今回は裏庭の桜まで楽しませてもらった。うたい文句”博物館で花見を”もしたことになる。

 
               (国宝:風神雷神)


                (重文:風神雷神)