10月6日(土)、「十月大歌舞伎」夜の部を観て来た。妻の教え子で玉三郎に入れ込んでいるフクちゃんに急用が出立し、頑張って取ったチケット2枚が回って来るという幸運に恵まれたのだ。良き妻を持ったかな、ではなくて、妻は良き教え子を持ったかな。
「勘三郎七回忌追善」で、勘三郎の息子二人の、勘九郎と七之助が舞台の中心。
「吉野山」では玉三郎の静御前に勘九郎の忠信。玉三郎の静御前が艶やかで格別に美しい。これが見納めかも知れないという思いで見続けた。
「助六曲輪初花桜」では傾城揚巻の七之助のお相手が助六の仁左衛門。助六は曽我五郎の世を忍ぶ仮の姿で、白酒売の新兵衛は実は兄の曽我十郎で勘九郎。二人の母満江を玉三郎が演じる。「助六」は昨年も歌舞伎座で観たが、出だしの豪華絢爛たる新吉原風景が何度見てもいい。三浦屋の格子先で、華やかな衣装の傾城たちが夜桜を眺めていると、そこへ行列を仕立て、花魁道中で、ほろ酔いの態の揚巻が戻って来る。七之助がお目当ての私としてはこれで大満足。
所在不明となっている源氏の重宝友切丸の行方を探るため、言いがかりをつけては喧嘩を売る助六と新兵衛。助六の素行に心痛めた母満江は揚巻に文を送り、変装して吉原にやって来る。
最後近く、新兵衛の勘九郎と揚巻の七之助に、助六の仁左衛門と曽我兄弟の母満江の玉三郎が並ぶと、兄弟を励ます仁左衛門と玉三郎という、いい図になっていて、「追善」公演に相応しい舞台となっていた。勘三郎さんも一安心か。
今日の一葉:ご近所の医院にて