


あらすじ(「BOOK」データベースより)
川田幸代29歳は社史編纂室勤務。姿が見えない幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、ダイナマイトボディの後輩みっこちゃん、「ヤリチン先輩」矢田がそのメンバー。ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌製作・販売)に没頭するはずだった。しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。決断の時が迫る。




社史編纂室やあまりその存在を知らなかったコミケ、その他いろいろな場面での目に浮かぶような描写、個性が際立った人物たち、さらにコミカル感がそこらじゅうにちりばめられていて、とても面白く読めました。のんびりムードの社史編纂室の面々が社の秘密に近づいていく様子はそんなにうまくいくかいな‥という気もしましたが、実際社の秘密を暴露して会社にそのままいられるかいな‥という気もしましたが、その社の秘密にかかわることばかりではなく、友情や恋愛の話が盛りだくさんで楽しめました。幸代の物事に取り組む時の生真面目さはすてきだと思います。その友人の英里子が好きだな、私。しっかりした信念を持って、友人の悩みにも相手を思いやった的確なアドバイスをするしっかり者です。本間部長が物語の中でアクセント以上の強烈な存在です。幸代の趣味を暴露したり、いてほしいときにいなかったり、同人誌を作ると言い出したり、突拍子もない人で、実際に上司だったらうんざりだけど、物語の中ではある意味輝く存在でした!