あきない世傳 金と銀 六 本流篇@髙田郁
あらすじ(「BOOK」データベースより)
大坂天満の互服商「五鈴屋」は、天災や大不況など度重なる危機を乗り越え、江戸進出に向けて慎重に準備を進めていた。その最中、六代目店主の智蔵が病に倒れてしまう。女房の幸は、智蔵との約束を果たすべく立ち上がった。「女名前禁止」の掟のもと、幸は如何にして五鈴屋の暖簾を守り抜くのか。果たして、商習慣もひとの気質もまるで違う江戸で「買うての幸い、売っての幸せ」を根付かせたい、との願いは叶えられるのか。新たな展開とともに商いの本流に迫る、大人気シリーズ待望の第六弾!
シリーズ第五弾、あきない世傳 金と銀 五 転流篇の読書感想文はこちら。
こういう事態だけは起きませんように、と祈ってたのに、悲しいシーンからの始まりでした‥ ほんの一分の望みは持っていたけれど‥‥‥ 幸の深い悲しみがずーっと漂いつつ物語は進みます。なにせ女名前禁止の大阪で五鈴屋を存続させるにはどうしたらいいのかという大問題が幸の目の前にはあります。幸は自分自身だけではなく、元番頭の治兵衛さんをはじめ、いろいろな人の知恵をそして力を借り、少しずつ事態は動いていきます。その根底には、主従関係なく培われた五鈴屋の面々の団結力、お互いを信頼する気持ちがあります。これは幸が時間をかけて築き上げてきたこと。すばらしい! そしていよいよ江戸へ。幸の夢や思いの中にちっとも出てこなかった智蔵ですが、幸が江戸へ向け決意を新たにするころには、あのいつものほんわかやさしい雰囲気で幸に声を掛けてくれます。本当に智蔵がいてくれれば、と私なんかは思っちゃうんだけど、幸の心の中に智蔵はいます。五鈴屋江戸店開店前にもすばらしい人たちと巡り会います。そしていつもどおり幸は一生懸命江戸の呉服や太物、商いの勉強をしています。大阪と江戸、生活習慣も着物の好みも何もかもがちがうから、もう大変。元番頭の治兵衛さんがいなくて大丈夫かと勝手に心配していた私、その息子の兼輔という頼りになるの人がいました。兼輔がまたいい子なのよ! さあ、いよいよ江戸店開店です。もうここで物語が終わってほしいな、なんて。だってみんな幸せそうなんだもん。これから江戸で大変な苦労するの、見たくないもん。でも今後の展開も気になるところ。ってどっちなんだって感じですが、まだまだあきない世傳、楽しみにしています。そうそう、この第六弾では四代目と離縁した紅屋の菊栄さん、女衆のお竹どん、智蔵の昔の知り合いの銀駒姐さん、と女性たちがピリッとスパイスのように効いているのが印象的でした。特にお竹どん、今後の活躍が楽しみです。もういっちょ、巻頭の江戸の地図に元飯田町、俎橋の記載が! これにはあれっと思わされました。いたずらごころで地図に載せてみたのか、それともみをつくし料理帖にリンクするのか、これまた楽しみです。
あらすじ(「BOOK」データベースより)
大坂天満の互服商「五鈴屋」は、天災や大不況など度重なる危機を乗り越え、江戸進出に向けて慎重に準備を進めていた。その最中、六代目店主の智蔵が病に倒れてしまう。女房の幸は、智蔵との約束を果たすべく立ち上がった。「女名前禁止」の掟のもと、幸は如何にして五鈴屋の暖簾を守り抜くのか。果たして、商習慣もひとの気質もまるで違う江戸で「買うての幸い、売っての幸せ」を根付かせたい、との願いは叶えられるのか。新たな展開とともに商いの本流に迫る、大人気シリーズ待望の第六弾!
シリーズ第五弾、あきない世傳 金と銀 五 転流篇の読書感想文はこちら。
こういう事態だけは起きませんように、と祈ってたのに、悲しいシーンからの始まりでした‥ ほんの一分の望みは持っていたけれど‥‥‥ 幸の深い悲しみがずーっと漂いつつ物語は進みます。なにせ女名前禁止の大阪で五鈴屋を存続させるにはどうしたらいいのかという大問題が幸の目の前にはあります。幸は自分自身だけではなく、元番頭の治兵衛さんをはじめ、いろいろな人の知恵をそして力を借り、少しずつ事態は動いていきます。その根底には、主従関係なく培われた五鈴屋の面々の団結力、お互いを信頼する気持ちがあります。これは幸が時間をかけて築き上げてきたこと。すばらしい! そしていよいよ江戸へ。幸の夢や思いの中にちっとも出てこなかった智蔵ですが、幸が江戸へ向け決意を新たにするころには、あのいつものほんわかやさしい雰囲気で幸に声を掛けてくれます。本当に智蔵がいてくれれば、と私なんかは思っちゃうんだけど、幸の心の中に智蔵はいます。五鈴屋江戸店開店前にもすばらしい人たちと巡り会います。そしていつもどおり幸は一生懸命江戸の呉服や太物、商いの勉強をしています。大阪と江戸、生活習慣も着物の好みも何もかもがちがうから、もう大変。元番頭の治兵衛さんがいなくて大丈夫かと勝手に心配していた私、その息子の兼輔という頼りになるの人がいました。兼輔がまたいい子なのよ! さあ、いよいよ江戸店開店です。もうここで物語が終わってほしいな、なんて。だってみんな幸せそうなんだもん。これから江戸で大変な苦労するの、見たくないもん。でも今後の展開も気になるところ。ってどっちなんだって感じですが、まだまだあきない世傳、楽しみにしています。そうそう、この第六弾では四代目と離縁した紅屋の菊栄さん、女衆のお竹どん、智蔵の昔の知り合いの銀駒姐さん、と女性たちがピリッとスパイスのように効いているのが印象的でした。特にお竹どん、今後の活躍が楽しみです。もういっちょ、巻頭の江戸の地図に元飯田町、俎橋の記載が! これにはあれっと思わされました。いたずらごころで地図に載せてみたのか、それともみをつくし料理帖にリンクするのか、これまた楽しみです。