楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
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消極的支持が全権委任にすり替えられる

2022年06月03日 | 日記

2020年11月にイギリスのジョンソン首相が新型コロナウイルスのロックダウン中に首相官邸で飲み会を行っていたことが知れて見識と責任を厳しく問われた。

我が日本のメディアであれば1年以上も前のことは忘却の彼方であるが、イギリスの報道機関は追っていて、最近の世論調査で国民の59%がジョンソン首相は辞任するべきと考え、75%が首相が規則違反について意図的に虚偽の回答をしたと思っていることを伝えている。

ジョンソン首相は議会で「私は謙虚になり、教訓を得た」としながらも辞任を否定したが、野党のみならず与党内からも辞任を求める声が出ているという。

 

世論調査で「辞任するべきかどうか」「意図的に虚偽の回答をしたかどうか」という突っ込んだ質問は、権力に忖度する日本のマスコミの体たらくぶりからはおよそ考えられない。

イギリスの民主主義の厚みということか。

サントリーが「桜を観る会」に45万円相当の酒類を無償提供していたことが明らかになっても「もう済んだこと」としてマスコミが取り上げることは無い。

 

最近の日本の首相の支持率はコロナ感染状況に反比例するという。

岸田首相のやっていることは経済界を向いた飲食、観光、水際の規制緩和だが、何故かは分からないまま感染が収まって支持率は7割にウナギ上りだ。

かくして補正予算で本予算の予備費を積み増しするなどという禁じ手を使っても、国会議長の品位が疑われても、コロナ対策で国税職員が補助金詐取で逮捕されても、総裁選の公約を反故にしても、岸田首相は大勢に影響は無いと自信満々である。

 

常々思うのだが世論調査お馴染みの「他に適当な人がいないから。」という惰性的な選択肢は何とかならないものか。

その選択をする時点で他の政権は存在しないのだからおかしな話だ。

 

そろそろワンパターンから抜け出して、本質を突いた世論調査を行う機関が勇気を出して現れて欲しいものだ。

選択肢が閉ざされた世論調査と3割程度の選挙得票率で全権委任を取り付けたかのようなすり替え政治にストップを掛ける機会は夏の参院選が終わると3年は無い。

結局は国民、有権者の意識、責任に帰する。