《写真の掲載は本人の了解を得ています。2022.6.7 7:00》
朝のポタリングコースにある東屋に見慣れぬノボリが立っていたので近づくと、「子供が育ったら家なんかいらないから売っ払ってリヤカーで全国を旅しようと思っているのさ。今は試行中。」とNさんは笑い飛ばした。
普段は奥さんと娘さんのところに居るという。
言われてみればそうか。子供が巣立ち、やがて夫婦のどちらかが居なくなればその家は役割を終えているのかもしれない。
しかし、なかなか思い切ることが出来ないのも人間。凄い。
自転車旅をしているとリヤカーの旅人に時々出会う。Nさんは道内在住の元・小学校長で年齢は自分と同じ73才の団塊の世代だった。
自転車旅の話しをしかけると、「貴方も同じようなことをしそうな顔をしている。」と笑顔で言われて先生の眼力に感心する。
57才で早期退職して〝夫婦遠足〟の毎日だという。
最近では奥さんが小型のキャンピングカーを運転し、Nさんは20Kmほどを歩いては合流するという旅スタイルで3年をかけて日本一周したという。
Nさんがこれから計画しているのはリヤカーによる日本一周。
今回は諸々のテストとかで、札幌市内の公園では奇跡的に中学時代の社会科の先生に出会ったとか。
話題が絶えない素敵な時間を過ごしたようで、先生と年齢が9才しか違わなかったという。
自分にも経験があるが、昔は随分年上に思えた先生も教師に成り立ての若者だったということで、クラス会になるとどっちが先生か生徒か分からなくなる世界だ。
それにしても渡された名刺からNさんだと分かったというから学校の先生は凄い。
名刺には、「路上講演家&ミュージシャン」とある。
一番受けるのは「大空と大地の中で」とか。
「元・校長、今、絶好調!」とギターを鳴らして披露してくれた。
あいにく投げ銭を持っていなかった。(笑)
良い旅を!
握手をして哲人と別れた。
学生時代のフォークシンガー高田渡の「生活の柄」を久し振りに聴いた。
早く暑くなって自転車旅に出たい。