楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
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東京オリ・パラ費用報告の胡散臭さ

2022年06月24日 | 日記

世の中の目が参院選に向かい始めた21日に、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会がやっと最終の費用報告を行った。

大会経費1兆4,238億円は、2020年12月(バージョン5)より2,202億円の減額、2021年12月公表の1兆4,530億円からも292億円の減額になったと財務省OBの武藤事務総長は胸を張っている。

 

組織委員会のHpを見ると億単位の実に簡単な表以外は掲載されていない。

そして、何と「注書き」に「上記は、2022年度以降の経費等の概算額を含む。」とあるではないか。どのような理由であれ、経費の一部は未だ確定していないのである。

タイミングは今しか無いと時間切れで出したのではないか。

 

さらに、あくまで推測であるが、費用の一部を組織委員会から外して国や都の通常経費に振り分けて公表されていた金額の枠内に収めたとしても分からないのである。

細部の開示要求があっても財団法人にその義務は無い。

 

国と都の負担は7,800億円と巨額だが、2022年度以降の概算見込み額を含む〝経費報告〟でよく財政当局が支出を決定したものだ。決算報告では無いのである。

金額の大小ではない。

不道徳な安倍政治を継続させた結果、税金の使い方が杜撰になって幾多の政治疑惑を生み、ことごとく蓋をしてしまってきた事実が問題なのである。

 

経費発表の21日に公式ウェッブサイトは閉鎖し、組織委員会は30日に解散する。

国会は閉じ、組織委員会会長の無所属の元スケート選手の橋本聖子参院議員は7月1日に自民党に復党する。

問い合わせには「一切応じられません。」の〝蓋をする〟姿勢がここでもありありだ。

 

コロナ禍にあってもIOCの強引な開催要求にただ従って、〝未来へ繋げる、平和の祭典、純粋で美しい〟的な言動を繰り返してきた関係者が如何に不誠実な幕引きをしようとしているかがよく分かる。

 

武藤事務総長のひと言がオリンピックの〝胡散臭さの〟全てを表しているように思えた。

「見積もった額より少なく着地させることができた。」

 

折りしも札幌市が地元の低い支持率の下で2030札幌冬季オリンピック誘致を前のめりになって進めている。

来春の札幌市長選挙に元・市民文化局長が招致阻止を公約に掲げて立候補の準備を進めているという。

オリンピックの幾多の問題点が浮き彫りになっても検証もされない。

巨大イベントを起爆剤に人口減少や経済の低迷などの課題を一気に解決しようとする手法は考え直す時期ではないか。