楕円と円 By I.SATO

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「国葬」のことをもっとオープンに議論すべき

2022年08月14日 | 日記

川柳に「国葬」で国が葬られる・・・という意味の一首があった。

 

神奈川県弁護士会が高岡会長名で安倍晋三元首相の「国葬」実施に反対する声明を発表した。

実に明快で分かりやすい指摘だ。

 

・根拠となる法律が存在せず、法治主義国家としての基本法理である『法律による行政の原理』に抵触する。

 

・政府が法的根拠としている「内閣設置法」は「組織規範」であり、国葬実施の根拠法にはならない。

 

・国葬実施は内閣の職務を列記した憲法73条のいずれにも該当せず、内閣の権限外の事項である。

 

・国葬の実施には税金が支出され、「税金の使途は国会の議決に基づかなければならない」という「財政民主主義の原則」(憲法83条)の観点から問題がある。

 

・「国全体として弔意を示すべき」として国葬を実施することは思想信条の自由(憲法19条)を侵害することになりかねない。

 

岸田首相は憲政史上最長となることや内政・外交の実績、国際社会からの評価などを理由に挙げている。

恐らく内閣法制局の〝時の政府の判断〟というような曖昧な見解に基づき政治決断をしたのだろう。

吉田茂の国葬は閣議決定で行っているというけれど、神奈川県弁護士会の指摘に岸田首相は誠実に答えなくてはならない。

 

メディアも政治家と統一教会の関係ばかりでこの問題から腰を引いている。

うやむやにしてしまうと政府の決めたことは違法でも脱法でも国民は従わざるを得ないという凡そ民主国家とは言えない社会の到来が予感されて誠に嫌である。

 

まさしく国が葬られる。

野党もしっかりして貰いたい。

 

Wikipediaより