北海道出身の橋本聖子参議院議員はスピードスケートと自転車で7回のオリンピック出場を果たし、スピードスケートでは日本人女子で初のメダリスト(銅)に輝いたアスリートである。
政治資金パーティで多額の裏金を受け取っていたことが明かになった。
先日の政倫審の弁明を聞いて、記者会見を開かなかった理由が分かった。
他の裏金議員とはかなり異なる処理をしていたため、今月の1日まで政治資金収支報告書の訂正に手間取ったからではないか。
キックバックを個人的な貸付金にしていたこと、2021年に東京オリンピック組織委員会会長となったため、自民党を離党し、政党支部を解散した際にこれら貸付金を含む債務を資金管理団体のジャパンドリームなる団体に付け替えし、2022年に復党し政党支部を再建した際にそっくり戻すという操作をしていたことが質疑で明らかになった。
このようなトリッキーな経理処理は法律上、あり得るのだろうか。
このような手の込んだ姑息な裏金隠しに手を染めていて、それでも「知らなかった。」と強弁するのは見苦しい限りだ。
今朝(3/15)の地元紙に小さく、橋本氏が14日に参院事務局に「資産訂正」を行ったことが載っていて、貸付金が2,800万円から743万円に大幅減額されている。差額の2,057万円が橋本氏が受け取ったとされる裏金と一致する。
訂正された収支報告書の借入金も総額5,650万円から3,593万円に激減され、その差額はやはり2,057万円になっているようだ。
国民を馬鹿にした帳尻合わせだ。
ジャパンドリームの代表者も会計責任者も橋本議員である。
「還付金があるのは10年くらい前から知っていたが、適正に処理されていると思っていた。」との弁明はたとえ誰かに任せていたとしても成り立たない。
橋本議員はスケートを引退してすぐに政界入りし、渦中の森喜朗を「お父さん」と慕う。
参議院議員5期目でもう30年近く永田町の汚水にどっぷりと浸かり、政治を〝生業〟としてきた感がある。
自分がかつて競技自転車の草レースをやっていた頃、応援していた時期もあったが、アスリートの清廉さを失い、東京オリンピックは汚職の疑い、スピードスケートの若手も育ってきた今、潔く政治から身を引くべきと思った。