正月に買って今年ゆっくり読もうと思っている『芦別』に三井芦別鉄道(株)が1949年に設立されたとあった。
自分が西芦別(三井芦別)で生まれた年だ。
三井芦別鉄道は父が当時としては、しかも明治生まれの人間にとっては珍しい〝トラバーユ〟した職場だった。
母から常々、「突然、お父さんから国鉄を辞めて炭鉱の鉄道に行くと言われて驚いた」と聞かされていた。
当時の家の前で撮った家族の写真を見ると3歳〜4歳くらいだから、三井芦別鉄道が設立される頃に転職していたことになる。
戦後、エネルギー源は石炭に傾斜し、炭鉱の鉄道は新しい鉱区が見つかると鉄路を敷設したので技術者が欲しかったことだろう。
7人家族を抱えて父は給料の良い炭鉱に仲間数人と行く決断をしたのかもしれない。
オヤジは口数の少ない人だったので生前昔のことは殆ど話すことは無かったが、人生の一大転機と末っ子四男の誕生という慌ただしい時期に家族のために頑張っていたのだなぁと『芦別』を閉じ、暫し手に抱えていた。
『芦別』の中から知らないことがいろいろ伝わってくる。
