Rugbyのふる里のひとつ、イギリス北部のスコットランドを自転車旅するのが夢だった。
半島とか島という突端のあまり人の行かないところに行く傾向がある。
ネス湖の畔にテントを張り、茫漠とした岩混じりの草原の古城群を縫い、ウイスキー醸造所が並ぶ街道を走り、北海に浮かぶオークニー諸島にも行ってみたい。
バグパイプはどんな音色がするのだろう。
そう思って、夢を現実のものにするため、昨年から本格的に農作業に出掛けて資金づくりを始めた。エディンバラ空港往復の格安航空便の運賃くらいになったところで新型ウイルスによるパンデミックが起きた。
最近になって、イングランドで新型コロナウイルスの変異株が見つかり、スコットランドにも飛び火して厳重な防疫体制が敷かれている。そんな中、12月31日にはイギリスがEUから離脱した。
スコットランドは国家として独立し、EUに残留したいという考えがある。政情がどうなるか。出掛けるにはハードルが一気に上がってしまった。
“遠い突端”が遠く霞んでしまったような年の暮れだった。しかし、いつの日か夢を現実のものにしたい。そのためにはあと3年は朝のポタリングと農作業で体力を保つ努力をしよう。
2020年は「夢」を「目標」に据える転換の年になった。
2021.1.2