観ていないが、昨年12月26日にNHKBS1スペシャル『河瀬直美が見つめた東京五輪』という番組が放送された。
東京五輪公式記録映画の監督を務める河瀬直美氏と映画チームを2020年末から1年にわたり密着取材した前・後編99分の大型番組である。
このBlogでも以前に書いたが、取材を受けている男性のシーンに付けられた字幕に放映直後から疑問の声が多数上がっていた。
映画『あん』 - 楕円と円 By I.SATO (goo.ne.jp)
NHKは字幕は「誤り」と説明していたが、世論に抗しきれず内部調査を行った結果、確認作業を行わない「杜撰な対応だった」と調査報告書(2022.2.10)で謝罪し、事実で無いことを認めた。
14ページの「調査報告書」を読んでみた。
5回に亘る試写・台本検討は事実確認が行われないまま字句の修正だけが行われた経過をまとめたに過ぎないことが分かる。
ねつ造ではないかと疑われるこの問題の核心は「誰が」、「何のために」だ。報告書は当たり前ながら全く触れていない。
〝臭い物に蓋〟〝トカゲの尻尾切り〟のこれまでの一連の政治疑惑の幕引きとそっくりであり、現場スタッフの「杜撰な対応」で片付けようとするNHKの姿勢がありありだ。
そして最も驚いたことは、NHK前田会長が国会で「意図的にやるのであればもっと上手くやるはず。」というおよそ公共放送の責任者として信じられない答弁をしていることだ。
裏を返せば、世論誘導を気付かれないようにやろうと思えばその技術はあると言っているに等しい。本当に恐ろしいことだ。
調査報告のあった日、BPO(放送倫理・番組向上機構)は「深刻な事案である可能性がある」として、審議するこを決めた。
当然である。
間もなく2030年札幌冬季大会の誘致活動が本格化する。
どこまでも疑惑がつきまとう東京五輪。そして人権問題、ドーピング疑惑に揺れた北京大会。
河瀬直美氏がどのような視線でオリンピックを見つめたか、そこは大いに興味がある。
◆ 問題の画像テロップの変遷 -NHK調査報告書より抜粋- ◆
<かつてホームレスだった男性><デモにアルバイトで参加していると打ち明けた>
<五輪反対デモの参加者><実はアルバイトだと打ち明けた>
最終テロップ;<五輪反対デモに参加しているという男性><実はお金をもらって動員されていると打ち明けた>
感情はA.Iの入って行けない領域と思っていますので〝A.I短歌〟の試行があったとは知りませんでした。
びっくりしました。
おっしゃるように、NHK前田会長が国会で述べた内容は、とんでもない暴論ですね。
BPOの審議は当然の措置と思いますが、事の深層と、真相を是非解明して欲しいですね。
なお、「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。
広場一面を埋めて灯る「アイスキャンドル」は、冬の風物詩であり
幻想的な世界へのいざないでもありますね。
そんな光景を喚起させる素敵な短歌と思います。「暮らしが灯る」の句が秀逸と思います。
これからも宜しくお願い致します。