兄が好きだった影響で勤めた頃によくフラメンコのレコードを買って聴いていた。
フラメンコに楽譜は無く、演奏しながら作曲する言葉のような音楽だ。
通常、踊り手と弾き手と歌(カンテ)の3人で演奏される。
カンテフラメンコは哀愁を帯びている。
パコ・デ・ルシア( 1947-2014年)は弾き手の一人だった。
そのパコの後継者であり、ジャズ、クラシック、ロックなど、あらゆる要素を吸収した演奏と華やかなアレンジでフラメンコ界に新風を吹き込んだフアン・マヌエル・カニサレス(1966年 スペイン・カタルーニャ)。
7月7-8日に名古屋フィルと自作の「地中海協奏曲」-ホアキン・ロドリーゴに捧げる-を協演したことで存在を知った。(日本初演)
ユーチューブで検索すると、2011年、ベルリン・フィルの首席指揮者兼芸術監督、サー・サイモン・ラトルの招待を受け、マドリードの王立劇場でロドリーゴの「アランフェス協奏曲」を演奏し、クラシック界でも大きな注目を浴びた。
カニサレスは音楽理論を学びクラッシック界とフラメンコ界の橋渡しをしている世界的な演奏家であり、稀有なギタリストだ。
豊かな叙情性、超絶テクニックを駆使した切れ味鋭い速弾きと、澄んだ美しい音色が称賛れている。
奥さんは日本人。
スピード感を求められるフラメンコの奏法と、クラシックの求める美しい音の両方を再現するためのハイブリット・ギターの制作を依頼し、使用しているとのこと。
殻を破る人は凄い。
サイモン・ラトル/ベルリンフィル 1911年
フラメンコ奏者なのでギターを右足の上に置いている。