皆さん、こんにちは。
先日、重症心身障害児者病棟にて座位保持装置を作製したのでその様子をご紹介したいと思います。
まず、「座位保持装置ってなに?」「車いすとは何が違うの?」と感じる方が多くいらっしゃるかもしれません。
座位保持装置とは『機能障害の状況により、座位に類した姿勢を保持する機能を有する装置を含むもの』
車いすは『身体の機能障害や筋力低下などで歩行が難しい方が、移動する為の機能を有した機器。4つの車輪がついており、座位に類した姿勢で移動できる機器』
とされています。
今回、座位保持装置を作製した経緯としては患者さんの成長、変形・拘縮の進行により現在使用している座位保持装置が身体に合わなくなりリラックスして乗車できてくなってしましました。
更に乗車中に不快感からか長時間乗車していると泣いてしまうという問題点もありました。
まず、主治医、担当リハビリテーション科医師、看護師さん、療育さんなどと相談し新しい座位保持装置を作ろう!となった場合、チーム内でブレースカンファレンスを行います。
自分だけの意見だけではなく様々な視点からの意見を取り入れることができる為とても大切なカンファレンスだと考えています。
次に、業者さんに依頼をして採型を行います。
座位保持装置は患者さんの椅子であり、移動手段になります。
療育の参加などで長時間乗車している機会も多い為、患者さんが安楽にリラックスして乗車できることがとても大切だと考えています。
採型では患者さん一人一人の身体の状態に合わせて採型を行っていきます。
この際、理学療法士として患者さんの姿勢の評価や修正を行っていきます。
次に、採型後に仮合わせという作業を行います。
採型機に合わせて型取られた座位保持装置へ実際に患者さんに乗車していただき微調整を行っていきます。
業者さんや医師、看護師さんと相談しながら座位保持装置上の患者さんの姿勢を修正していきます。
仮合わせでの微調整を終えたら、デモ乗車として実際に病棟で調整した座位保持装置を2週間~1ヶ月程度乗車し
看護師さんや療育さん、療法士で日々の様子を観察し「姿勢崩れはないか」「皮膚状態は悪くなっていないか」
「乗車中、辛そうな様子なないか」などを確認してきます。
デモ乗車期間に問題がなければ、カバーをかけ納品となります。
当院では座位保持装置のフレームやカバーを様々な色や柄から選べる為、病棟にはカラフルで個性的な座位保持装置が沢山あります。
このように座位保持装置を作製する際には様々な職種が意見を出し合いながら作製をします。
座位保持装置は患者さんの大切な生活の場所となる為、作製には時間がかかりますが一つ一つの評価や作業を責任持って行っています。
現在、この患者さんは乗車時に泣き出すことなくリラックスして座位保持装置を使用しています。
今後も作製して終わり!ではなく、日々評価を行い患者さんが安全にリラックスして座位保持装置に乗車できるようにサポートしていきたいと思います。
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【注意】
本ブログの掲載記事は,個人的な見解を含んでおり正確性を保証するものではなく,
当院および当科の総意でもありません.引用や臨床実践等は各自の判断と責任において
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