桜の樹

秋でもないのに　桜の葉が　枝をふるわせている かのように　はらはらと散ります。地面が　葉でおおいつくされるほどです。どうしたんだろう？まるで　涙のようでした。数回繰り返されると　暑いのだろうか？虫がいやなのだろうか？根が踏まれて痛いのだろうか？わからない。いろいろ考えた末に　植木屋さんに相談しました。
　庭の前は　建坪70坪の立派な家が新築中です。(ご近所）
「葉を落とすのは地下の水脈が変わって　水が足りなくなり　いわゆる自浄作用みたいなものですよ」
水が足りなかったのです。今　一生懸命　水を探し求めているのでしょう。うれしい時　悲しい時　みあげた樹なので　今度は　私が励ます番のようです。
「毎日　たくさんの水をあげればいいのでしょうか？」
「足りません。桜の木は自分で探します」
手をかすのは簡単で、たちなおりを見守ることのもどかしさ・・・。
蝉が勢いよく鳴いている昼下がりです。