リンパ浮腫

「へへへへ就職が決まったんだ！」
「えっ！？」
ガンの転移がひとまず放射線照射で小さくなったとはいえ　リンパ浮腫（片足が普通の足の二倍）があり　ストマーまで抱えている友の言葉
「生活をかえたくて・・」
「・・・・」
「朝寝　朝酒　朝湯が大好きで　チェーンスモーカーときてるじゃない」
「だからといってねぇ～」
「午前中の仕事で20人分の昼ご飯をつくるだけだから　たいしたことないでしょ！」
「でもねぇ～」
複雑な心境だった　反対はしないが賛成もできなかった。
友は、いつになくうきうきしている。
自分で献立を決めて　主食を入れて一人300円で作るのだそうだ。
始めて数日たったころ
「あのね　検便を定期的にするから　おもいきってストマーですって言ったんだよね。そうしたら　衛生的に問題はないですか？って言われちゃって・・。ショックなんだ！」
「まぁ　あまりストマーのことなんてわからないからね。いちいち人の言ったことを気にしないほうがいいわよ」
「うん。だからね　家を出てからトイレには、行かないの　とってもきついけれど」
「トイレに行かないのは体にとても悪いし　あらかじめトイレは、時間がかかりますって言ったらいいでしょう？」
彼女は、いまだにトイレを全てがまんしている。
トイレに行きたくないのは、ストマーだけではない　リンパ浮腫のため弾圧ストッキングを着用しているからだ。
このストッキングは、脱いだら最後　とても力がいるし場所がいる（実際　弾圧ストッキングを試してみた）
リンパ浮腫が改善すれば　生活の質は少しは向上するのだけれど・・
そんなことを思っていた矢先
「リンパ浮腫をなおしてくれる先生が東大の形成外科にいるんだって　しらべてくれる？
私　手術の費用のために一生懸命　働くよ！」
「調べるのは簡単だけれど　手術のお金をためてからではなく　すぐに行動するべきだとおもう」
リンパ浮腫は、長引けば長引くほどあまりよくないような気がする。

「みんな作ったおかずをおいしいって食べてくれるんだよ。すごくそれがうれしい！」
満面の笑顔が見えるようだ。

いくつになってもほめられるのは、うれしいし　生きがいかな！？

そういえば　私は、この頃　ガンガンに怒られはするけれど　ほめられたことがない。
だから　夜中に胃がいたくなるのかもしれない。


　　木製パレット屋のつぶやき