代表選公開討論会その2のアップが遅くなってしまった。
その1をアップした後、翌日朝刊までにはと言っていたのに、すいません。
前回その1で、討論会が思いのほかおもしろかったと書いたのは、NHKが全国に2時間以上も中継したテレビ画面上で、記者クラブのそれも最高エリートである編集委員による質問があまりにヒドかったからだ。
中継を見た方なら分かると思うけど、編集委員のおっさんたちは、最初から、偉そうな上から目線のしゃべり方で、既に小沢一郎の事を犯罪者扱いしていたと言っても過言ではない。
俺たちには「世論様」が付いているんだと言わんばかりに、小沢に辛辣な質問をぶつける正義の記者を気取っていた。いくら小沢一郎を毛嫌いする人が多いとはいえ、こんな態度で接する事は決して見る人をいい気分にはさせない。
その上、彼らの浅はかな質問は、小沢の回答の前に次々と玉砕し、最終的には、小沢一郎を批判するどころか、期せずして、国民を無視した報道姿勢を視聴者の前にあらわにする結果となってしまったのだ。
例えば、地方への一括交付金について、得意げに突っ込みを入れるつもりで質問した編集委員は、小沢の回答によって、小沢の言った事を理解していないだけだということがバレて恥をかいた。そんなこと私だって理解していたのに・・・。
彼らはあまりにもお粗末すぎた。
この人たちは一体何を報道したいんだ。多くの視聴者がそう思ったに違いない。
編集委員たちがどのくらい小沢一郎を総理にしたくないのかは知らないが、
どう考えても、小沢一郎をつぶそうとしているとしか思えない質問ばかりがあいついだのだ。
しかし、それで割を食ったのは意外にも菅直人首相だ。
質問は小沢に集中し、菅は、小沢の答えについてどう思うと聞かれる始末。
もうこれは、小沢VS菅の討論会ではなく、小沢VSマスメディアの討論会だった。
そして編集委員も玉砕し、最後に笑ったのは多分小沢一郎だった。
日本記者クラブが主催した今回の討論会。
フリー記者も中に入れはしたものの、質問はできなかった。上杉隆なんて、憤慨して討論会に参加せず、富士山に行っちゃったらしい。
代表質問者は、原田亮介(日経)、倉重篤郎(毎日)、橋本五郎(読売)、星浩(朝日)ら新聞社の編集委員だ。テレビはいない(ここでもいやらしいヒエラルキーを感じる)。
質問する編集委員たちの顔は映ることはなく、声でなんとなくわかるが、声を知らない人は誰が聞いているのかもわからない。
もう細かくひとつひとつ分析するのもばかばかしいが、折角、書き起こした部分もあるので、いわゆる「政治とカネ」の部分のやりとりを中心に、途中ちょこちょこ感想を挟みながらアップしたいと思う。
基本的に質問者の顔は見えず、いちいち名乗る訳でもなかったので、声で誰が質問しているか判断するしか無かった。そのため、間違えるといけないので、編集委員側の質問は、委員「・・・」とする。
<代表質問>
最初の質問は、のっけからもったいぶって
「まず、どーしても確認しておかないといけない事があります」ときた。
「冒頭からどーしても確認せねばならない事」とは何だろうと思っていると、こう言った。
委員1
「出馬が取りざたされてから、挙党態勢とかトロイカ体制とか言われたが、これはどう考えても、小沢さんが要職に就くとしか考えられない。一体どういうポストを要求したんですか?」
小沢「メディアの方はすぐポストの話をなさいますけれども、
菅総理もお話しした通り、ポストの話は一切出ておりません」
「はい、幹事長ポストを要求しました」とでも言うと思ってるのだろうか?
それとも、「この小沢という男、政治と金の問題の説明責任も果たして無いのに、まだ重要ポストを狙ってますよ。さらには首相にまでなろうとしてるなんて、ふてえ野郎だ。」という思いを表現したいのだろうか?
そして、懲りずに続ける。
委員1「それならなぜあんなに迷走したんですか?」
小沢「私どもは迷走してません。」
鳩山さんの普天間問題も、「迷走してる」と報じる事で、火に油を注いだのはマスメディアだ。そしたら、
委員1
「じゃあもうひとつ確認しておかなければいけないことがある。」ときた。
「小沢さんが代表に選ばれても、総理は別の人がなるということを言う人がい
るが、それは絶対ないと言いきれるか?」
小沢、あきれ顔で曰く
「議院内閣制では、最大与党の党首が、内閣総理大臣を務めるというのは当たり前のことでして、自民党時代も総総分離なんて話もありましたけど、もってのほかだとおもっています。だから私も思い悩んで、代表選については最終決断した」
『総理は別人に』の情報源、一体誰だよ!
と、私が画面に突っ込む間もなく、質問者は小沢手強しと思ったのか、
次は菅に質問を向ける。
委員1
「(菅さんの言った)古い政治はいけないというのは、古い政治というのは小沢さんの事で、それが出てくるのはいけないと言う意味なんでしょ?」
どうしても、小沢が表舞台に出てくるのはいけないという言質を取りたいらしい。
菅直人曰く
「お金の事。数の力をあまりにも重視する事が古い政治と言った。」
委員1
「それは、小沢さんに体現されてるんですか?」
菅直人
「小沢さんの政治のあり方というのは、どちらかといえば、資金的な強さ、仲間の数の多さ、そういうお金と数の原理が色濃くあるのは私だけが感じているのではないのではないでしょうか」
菅直人は、委員にうまく利用されてしまった。
確かに、敵対する小沢のマイナスイメージは強調できるかもしれないが、
記者から誘導尋問のごとくに小沢批判を吐露させられたという事実は、
菅直人が、他の政治の局面でも、このように発言を誘導されている姿を容易に想像させ、財務省に取り込まれているという噂を補完する形になってしまったのではないか。
答えながら、菅直人の顔に、やや躊躇の表情が垣間見えたのもまずかった。
気を良くした委員1はさらに小沢に
委員1
「国民が非常に関心があるのが政治と金の問題。
世論調査をやると、小沢さんが十分に説明して無いという人が8、9割いる。昨日の会見でも十分説明したと言うけど、国民は思ってない。ということは、これマスコミが悪いんですか?それとも国民が悪いんですか?どっちが悪いんですか?そこは謙虚に受け止めなければいけないと思うんですが」
むかつく言い方をするおっさんだ。
マスコミが悪いんだろ。それを「国民が悪いんですか?」なんてあんたと一緒にしないで欲しい。すべて世論に責任をかぶせて、自分たちは顔の見えないのっぺらぼうになるマスメディアの無責任があらわになった発言だ。発言した委員自身がそのへんに気付いていない事自体が痛い。
小沢「僕もそう思っています。どっちが悪いなんて思っていません。
そりゃあ謙虚に受け止めております。」
委員1「ええ、ええ」
小沢「ただ調査っていってもいろいろな調査がございまして、
私のことについて支持をしてくれている調査もたいへん多くありますの
で。今、新聞テレビの調査だけではありません。今いろいろな、コンピ
ューター、ネットの時代ですから、そういうものを通じた調査もありま
すし、いろんな調査の結果を、それを国民の声として、謙虚に受け止め
たいと思っております」
委員1
「もっとも影響力のある人は、ノーブレスオブリージュといいますけども、高いポストにある人はだれよりも、説明する責任があると思うんですよね。で、その説明を果たしてないと思う人が多くいるっていうのは、謙虚に受け止めねばならないのではないかと思うのですが」
小沢
「ですから繰り返しますが、謙虚に受け止めております。それで、メディアの前でも、機会あるたびに何度も何度も説明しております。」「それともう一つは、同じような政治と金の問題でいろいろメディアで報道された方々あります、最近もあります。しかし、私はすべて、法律上公開する必要のないものまで公開してきた。全て公開したのはなぜか私ひとりです。クリーンと言うなら、全員公開すべきと思っているし、」
そして、「各論に移ります」といって、質問者が変わった。そしたら・・
委員2
「政治と金の問題からいかざるを得ません。小沢さんご覚悟ください」と来たwww。
委員2
「検察審査会で2度目の議決が出て、強制起訴になったらどうする?
憲法では起訴には総理の同意が必要だが、小沢さんが総理になった場合、同意か不同意か?」
小沢
「まだ代表選始まったばかりで、勝つかも総理になるかも分からない中で答え用が無いが、実質的な不正犯罪はなかたという結論を得てるので、審査会の皆さんもそこを理解していただけると思っています」
さも大変なことを言うような口調で
委員2
「なぜこの問題を聞くかと言うと、かなり現実にありえることで、日本の政治に撮っては停滞を招きかねない話。なので、事前に明確なご意志を確認したい。たとえば、鳩山さんなら、かつて国会で、そういうことになれば逃げませんと言っていた。それから、海江田さんも、事前に同意すると言った方がいいと言ってた。そこで、あえて、我々の一番聞きたいことについて、もうちょっと小沢さんがはっきり路線を示してくれる事を望みます」
小沢「鳩山さんの言葉を援用してお話になりました。私も逃げません。」
委員3にバトンタッチしても「政治とカネ」はつづく。
委員3
「政治と金の問題でありますが、」で秘書三人が虚偽記載で起訴されている話に持って行く。
小沢
「虚偽記載が犯罪を隠蔽するものでない事は捜査の結果分かっているわけでございます。報告の形式手続きに間違いがあったのではないかという意味で責任を問われている。私もその事自体について、自分自信の責任を感じているが、
強制捜査を1年あまりやって、実質的犯罪の事実はなかったということで2度も不起訴。あとは報告書の事実関係、認識の問題と思っている。私はそういう意味で事実上一点もやましいことはない。秘書が嫌疑をかけられて、そういうことになったことは、私の責任を否定するつもりは無い・・・」
委員3
「過去、中曽根、竹下総理なども証人喚問受けてきたが、鳩山さん、小沢さんの件について、証人喚問、政治倫理審査会での釈明は行われてないが、どうかんがえる?」
小沢
「証人喚問や、政倫審で申し述べる事になんら躊躇は無い。国会にも政倫審にも強制捜査権があるわけじゃない。政倫審も疑惑をかけられたとき弁明する場として、私が議院運営委員長の時に手がけたものだ。だからその趣旨は十分知っているつもり。証人喚問や政治倫理審査会以上の、強制捜査を全部受けて、何の不正もないわけだから、そのことで国民の皆さんにご理解いただきたい」
委員3
「国会との関係について、菅さん、小沢さんや鳩山さんのような疑惑が出たとき、国会で説明すべきだと思うか?」
菅直人
「幹事長を辞するという形でけじめを付けられた、あらためて代表選に立候補されたので、国民により理解される形で説明されるべき。国会での手続きは国会で決めるが、国民の常識が国会でも受け入れられなければならないのだろうと思います。」
政治と金の問題まだ、続きます
委員2
「検察の公正な捜査と言っておられるが、どうしても口ぶりを聞くと、なんでオレだけがこんなにやられるんだ、みんなもっと公平にやってくれというようなニュアンスに聞きとれなくもない。」「そんで過去を振り返ると、田中さんにしても金丸さんにしても、小沢さんの計脈につながる、一番数を集めてお金も使うところが、捜査の対象になってると。そのことについて、何か宿命論のようなものを感じておられるのか?そこをお聞きしたいのと、そして、このことがあると必ず、法務省に圧力をかける、法務大臣を自派でとるとか、過去にありましたよね。それで、今法務省関係者も、小沢さんの逆襲が始まるんじゃないかと、懸念する声も聞かなくもないです。そのへんについて・・・」
小沢
「田中先生、金丸先生は政治の指導者として尊敬している。しかし、それぞれの人間ですから、違いもある。そのまま継承する部分とそうでない部分が当然あるわけで、継承すべきでない点は反面教師として、政治資金の問題だけではなく、政治思想、政治哲学の問題ですが、そういうことは自分自身のものとして貫いている。」
委員2
「これまでは集め方が問われてましたね。政治っていうのはお金がかかるっていうのが実態なんですよね。それについてもっと、こういうことにかかるんだと、具体的事例は別にして、そのへんをもっと説明責任として訴えられたらどうですか?そのへんが全く見えてこないんですが」
小沢
「全部、報告書見れば書いてある事なんですが。だれでも政治資金報告書は閲覧できますから。どうぞご覧になってください。私は何も隠し立てしておりません。」
「法務大臣がどうとかいう話があったけれど、そんなことは全く考えておりませんし、それは公正に行われたものと思っております」
<代表質問「政治とカネ問題」ここまで>
ここまでが、「政治とカネ」に関して、公開討論会で語られた部分だ。
省略している部分もあるし、言葉を略したり言い換えたりしている部分もあるが、かなりな部分を押さえている。
ところで、「政治とカネ」に言及した委員自身が、問題の本質を語らず、小沢を糾弾することにのみ集中したため、討論はなんだか不毛なママ終わってしまった。
問題は、編集委員が「政治とカネ」の問題の本質を理解しておらず、理解したとしてもそれを国民にまで伝える言葉を持たないために、全てがただのイメージとしてしか世の中に流布されていない事だ。全てがあの、4億円の記載の問題と、それにおける検察と小沢一郎の因縁の対決の話に集約されてしまい、「政治とカネ」の本質的な問題が語られない。
正直言って私も、これまでそういう見方をしていたと言わざるを得ない。
そして、マスコミとは逆の検察批判の方に組していた。
しかし、昨日、例のビデオニュースで、ジャーナリストの高野孟氏が語った「政治とカネの問題の本質」を聞くに至って、小沢一郎が求めたポストは何かを問う事もある意味、意味のある事と思えてきた。
ただ、討論会での編集委員の質問の仕方は論外である。
この質問をした編集委員は、高野孟が語っていたような形で、「政治とカネ」の問題を捉えているかどうかは疑問だ。そう考えていたとしても、それを新聞の読者や視聴者に伝える事ができていないのだから考えていないも同じだ。
というわけで、
なぜ、私が上記のように考えるに至ったかは次回に続けます。
これは、間をあけないで今日中には書いてアップしたいと思います。
公開討論会の模様は民主党のサイトで見ることができます。
日本記者クラブ主催公開討論会 第一部
日本記者クラブ主催公開討論会 第二部(こちらが編集委員による代表質問です)
その1をアップした後、翌日朝刊までにはと言っていたのに、すいません。
前回その1で、討論会が思いのほかおもしろかったと書いたのは、NHKが全国に2時間以上も中継したテレビ画面上で、記者クラブのそれも最高エリートである編集委員による質問があまりにヒドかったからだ。
中継を見た方なら分かると思うけど、編集委員のおっさんたちは、最初から、偉そうな上から目線のしゃべり方で、既に小沢一郎の事を犯罪者扱いしていたと言っても過言ではない。
俺たちには「世論様」が付いているんだと言わんばかりに、小沢に辛辣な質問をぶつける正義の記者を気取っていた。いくら小沢一郎を毛嫌いする人が多いとはいえ、こんな態度で接する事は決して見る人をいい気分にはさせない。
その上、彼らの浅はかな質問は、小沢の回答の前に次々と玉砕し、最終的には、小沢一郎を批判するどころか、期せずして、国民を無視した報道姿勢を視聴者の前にあらわにする結果となってしまったのだ。
例えば、地方への一括交付金について、得意げに突っ込みを入れるつもりで質問した編集委員は、小沢の回答によって、小沢の言った事を理解していないだけだということがバレて恥をかいた。そんなこと私だって理解していたのに・・・。
彼らはあまりにもお粗末すぎた。
この人たちは一体何を報道したいんだ。多くの視聴者がそう思ったに違いない。
編集委員たちがどのくらい小沢一郎を総理にしたくないのかは知らないが、
どう考えても、小沢一郎をつぶそうとしているとしか思えない質問ばかりがあいついだのだ。
しかし、それで割を食ったのは意外にも菅直人首相だ。
質問は小沢に集中し、菅は、小沢の答えについてどう思うと聞かれる始末。
もうこれは、小沢VS菅の討論会ではなく、小沢VSマスメディアの討論会だった。
そして編集委員も玉砕し、最後に笑ったのは多分小沢一郎だった。
日本記者クラブが主催した今回の討論会。
フリー記者も中に入れはしたものの、質問はできなかった。上杉隆なんて、憤慨して討論会に参加せず、富士山に行っちゃったらしい。
代表質問者は、原田亮介(日経)、倉重篤郎(毎日)、橋本五郎(読売)、星浩(朝日)ら新聞社の編集委員だ。テレビはいない(ここでもいやらしいヒエラルキーを感じる)。
質問する編集委員たちの顔は映ることはなく、声でなんとなくわかるが、声を知らない人は誰が聞いているのかもわからない。
もう細かくひとつひとつ分析するのもばかばかしいが、折角、書き起こした部分もあるので、いわゆる「政治とカネ」の部分のやりとりを中心に、途中ちょこちょこ感想を挟みながらアップしたいと思う。
基本的に質問者の顔は見えず、いちいち名乗る訳でもなかったので、声で誰が質問しているか判断するしか無かった。そのため、間違えるといけないので、編集委員側の質問は、委員「・・・」とする。
<代表質問>
最初の質問は、のっけからもったいぶって
「まず、どーしても確認しておかないといけない事があります」ときた。
「冒頭からどーしても確認せねばならない事」とは何だろうと思っていると、こう言った。
委員1
「出馬が取りざたされてから、挙党態勢とかトロイカ体制とか言われたが、これはどう考えても、小沢さんが要職に就くとしか考えられない。一体どういうポストを要求したんですか?」
小沢「メディアの方はすぐポストの話をなさいますけれども、
菅総理もお話しした通り、ポストの話は一切出ておりません」
「はい、幹事長ポストを要求しました」とでも言うと思ってるのだろうか?
それとも、「この小沢という男、政治と金の問題の説明責任も果たして無いのに、まだ重要ポストを狙ってますよ。さらには首相にまでなろうとしてるなんて、ふてえ野郎だ。」という思いを表現したいのだろうか?
そして、懲りずに続ける。
委員1「それならなぜあんなに迷走したんですか?」
小沢「私どもは迷走してません。」
鳩山さんの普天間問題も、「迷走してる」と報じる事で、火に油を注いだのはマスメディアだ。そしたら、
委員1
「じゃあもうひとつ確認しておかなければいけないことがある。」ときた。
「小沢さんが代表に選ばれても、総理は別の人がなるということを言う人がい
るが、それは絶対ないと言いきれるか?」
小沢、あきれ顔で曰く
「議院内閣制では、最大与党の党首が、内閣総理大臣を務めるというのは当たり前のことでして、自民党時代も総総分離なんて話もありましたけど、もってのほかだとおもっています。だから私も思い悩んで、代表選については最終決断した」
『総理は別人に』の情報源、一体誰だよ!
と、私が画面に突っ込む間もなく、質問者は小沢手強しと思ったのか、
次は菅に質問を向ける。
委員1
「(菅さんの言った)古い政治はいけないというのは、古い政治というのは小沢さんの事で、それが出てくるのはいけないと言う意味なんでしょ?」
どうしても、小沢が表舞台に出てくるのはいけないという言質を取りたいらしい。
菅直人曰く
「お金の事。数の力をあまりにも重視する事が古い政治と言った。」
委員1
「それは、小沢さんに体現されてるんですか?」
菅直人
「小沢さんの政治のあり方というのは、どちらかといえば、資金的な強さ、仲間の数の多さ、そういうお金と数の原理が色濃くあるのは私だけが感じているのではないのではないでしょうか」
菅直人は、委員にうまく利用されてしまった。
確かに、敵対する小沢のマイナスイメージは強調できるかもしれないが、
記者から誘導尋問のごとくに小沢批判を吐露させられたという事実は、
菅直人が、他の政治の局面でも、このように発言を誘導されている姿を容易に想像させ、財務省に取り込まれているという噂を補完する形になってしまったのではないか。
答えながら、菅直人の顔に、やや躊躇の表情が垣間見えたのもまずかった。
気を良くした委員1はさらに小沢に
委員1
「国民が非常に関心があるのが政治と金の問題。
世論調査をやると、小沢さんが十分に説明して無いという人が8、9割いる。昨日の会見でも十分説明したと言うけど、国民は思ってない。ということは、これマスコミが悪いんですか?それとも国民が悪いんですか?どっちが悪いんですか?そこは謙虚に受け止めなければいけないと思うんですが」
むかつく言い方をするおっさんだ。
マスコミが悪いんだろ。それを「国民が悪いんですか?」なんてあんたと一緒にしないで欲しい。すべて世論に責任をかぶせて、自分たちは顔の見えないのっぺらぼうになるマスメディアの無責任があらわになった発言だ。発言した委員自身がそのへんに気付いていない事自体が痛い。
小沢「僕もそう思っています。どっちが悪いなんて思っていません。
そりゃあ謙虚に受け止めております。」
委員1「ええ、ええ」
小沢「ただ調査っていってもいろいろな調査がございまして、
私のことについて支持をしてくれている調査もたいへん多くありますの
で。今、新聞テレビの調査だけではありません。今いろいろな、コンピ
ューター、ネットの時代ですから、そういうものを通じた調査もありま
すし、いろんな調査の結果を、それを国民の声として、謙虚に受け止め
たいと思っております」
委員1
「もっとも影響力のある人は、ノーブレスオブリージュといいますけども、高いポストにある人はだれよりも、説明する責任があると思うんですよね。で、その説明を果たしてないと思う人が多くいるっていうのは、謙虚に受け止めねばならないのではないかと思うのですが」
小沢
「ですから繰り返しますが、謙虚に受け止めております。それで、メディアの前でも、機会あるたびに何度も何度も説明しております。」「それともう一つは、同じような政治と金の問題でいろいろメディアで報道された方々あります、最近もあります。しかし、私はすべて、法律上公開する必要のないものまで公開してきた。全て公開したのはなぜか私ひとりです。クリーンと言うなら、全員公開すべきと思っているし、」
そして、「各論に移ります」といって、質問者が変わった。そしたら・・
委員2
「政治と金の問題からいかざるを得ません。小沢さんご覚悟ください」と来たwww。
委員2
「検察審査会で2度目の議決が出て、強制起訴になったらどうする?
憲法では起訴には総理の同意が必要だが、小沢さんが総理になった場合、同意か不同意か?」
小沢
「まだ代表選始まったばかりで、勝つかも総理になるかも分からない中で答え用が無いが、実質的な不正犯罪はなかたという結論を得てるので、審査会の皆さんもそこを理解していただけると思っています」
さも大変なことを言うような口調で
委員2
「なぜこの問題を聞くかと言うと、かなり現実にありえることで、日本の政治に撮っては停滞を招きかねない話。なので、事前に明確なご意志を確認したい。たとえば、鳩山さんなら、かつて国会で、そういうことになれば逃げませんと言っていた。それから、海江田さんも、事前に同意すると言った方がいいと言ってた。そこで、あえて、我々の一番聞きたいことについて、もうちょっと小沢さんがはっきり路線を示してくれる事を望みます」
小沢「鳩山さんの言葉を援用してお話になりました。私も逃げません。」
委員3にバトンタッチしても「政治とカネ」はつづく。
委員3
「政治と金の問題でありますが、」で秘書三人が虚偽記載で起訴されている話に持って行く。
小沢
「虚偽記載が犯罪を隠蔽するものでない事は捜査の結果分かっているわけでございます。報告の形式手続きに間違いがあったのではないかという意味で責任を問われている。私もその事自体について、自分自信の責任を感じているが、
強制捜査を1年あまりやって、実質的犯罪の事実はなかったということで2度も不起訴。あとは報告書の事実関係、認識の問題と思っている。私はそういう意味で事実上一点もやましいことはない。秘書が嫌疑をかけられて、そういうことになったことは、私の責任を否定するつもりは無い・・・」
委員3
「過去、中曽根、竹下総理なども証人喚問受けてきたが、鳩山さん、小沢さんの件について、証人喚問、政治倫理審査会での釈明は行われてないが、どうかんがえる?」
小沢
「証人喚問や、政倫審で申し述べる事になんら躊躇は無い。国会にも政倫審にも強制捜査権があるわけじゃない。政倫審も疑惑をかけられたとき弁明する場として、私が議院運営委員長の時に手がけたものだ。だからその趣旨は十分知っているつもり。証人喚問や政治倫理審査会以上の、強制捜査を全部受けて、何の不正もないわけだから、そのことで国民の皆さんにご理解いただきたい」
委員3
「国会との関係について、菅さん、小沢さんや鳩山さんのような疑惑が出たとき、国会で説明すべきだと思うか?」
菅直人
「幹事長を辞するという形でけじめを付けられた、あらためて代表選に立候補されたので、国民により理解される形で説明されるべき。国会での手続きは国会で決めるが、国民の常識が国会でも受け入れられなければならないのだろうと思います。」
政治と金の問題まだ、続きます
委員2
「検察の公正な捜査と言っておられるが、どうしても口ぶりを聞くと、なんでオレだけがこんなにやられるんだ、みんなもっと公平にやってくれというようなニュアンスに聞きとれなくもない。」「そんで過去を振り返ると、田中さんにしても金丸さんにしても、小沢さんの計脈につながる、一番数を集めてお金も使うところが、捜査の対象になってると。そのことについて、何か宿命論のようなものを感じておられるのか?そこをお聞きしたいのと、そして、このことがあると必ず、法務省に圧力をかける、法務大臣を自派でとるとか、過去にありましたよね。それで、今法務省関係者も、小沢さんの逆襲が始まるんじゃないかと、懸念する声も聞かなくもないです。そのへんについて・・・」
小沢
「田中先生、金丸先生は政治の指導者として尊敬している。しかし、それぞれの人間ですから、違いもある。そのまま継承する部分とそうでない部分が当然あるわけで、継承すべきでない点は反面教師として、政治資金の問題だけではなく、政治思想、政治哲学の問題ですが、そういうことは自分自身のものとして貫いている。」
委員2
「これまでは集め方が問われてましたね。政治っていうのはお金がかかるっていうのが実態なんですよね。それについてもっと、こういうことにかかるんだと、具体的事例は別にして、そのへんをもっと説明責任として訴えられたらどうですか?そのへんが全く見えてこないんですが」
小沢
「全部、報告書見れば書いてある事なんですが。だれでも政治資金報告書は閲覧できますから。どうぞご覧になってください。私は何も隠し立てしておりません。」
「法務大臣がどうとかいう話があったけれど、そんなことは全く考えておりませんし、それは公正に行われたものと思っております」
<代表質問「政治とカネ問題」ここまで>
ここまでが、「政治とカネ」に関して、公開討論会で語られた部分だ。
省略している部分もあるし、言葉を略したり言い換えたりしている部分もあるが、かなりな部分を押さえている。
ところで、「政治とカネ」に言及した委員自身が、問題の本質を語らず、小沢を糾弾することにのみ集中したため、討論はなんだか不毛なママ終わってしまった。
問題は、編集委員が「政治とカネ」の問題の本質を理解しておらず、理解したとしてもそれを国民にまで伝える言葉を持たないために、全てがただのイメージとしてしか世の中に流布されていない事だ。全てがあの、4億円の記載の問題と、それにおける検察と小沢一郎の因縁の対決の話に集約されてしまい、「政治とカネ」の本質的な問題が語られない。
正直言って私も、これまでそういう見方をしていたと言わざるを得ない。
そして、マスコミとは逆の検察批判の方に組していた。
しかし、昨日、例のビデオニュースで、ジャーナリストの高野孟氏が語った「政治とカネの問題の本質」を聞くに至って、小沢一郎が求めたポストは何かを問う事もある意味、意味のある事と思えてきた。
ただ、討論会での編集委員の質問の仕方は論外である。
この質問をした編集委員は、高野孟が語っていたような形で、「政治とカネ」の問題を捉えているかどうかは疑問だ。そう考えていたとしても、それを新聞の読者や視聴者に伝える事ができていないのだから考えていないも同じだ。
というわけで、
なぜ、私が上記のように考えるに至ったかは次回に続けます。
これは、間をあけないで今日中には書いてアップしたいと思います。
公開討論会の模様は民主党のサイトで見ることができます。
日本記者クラブ主催公開討論会 第一部
日本記者クラブ主催公開討論会 第二部(こちらが編集委員による代表質問です)