「水虎奇譚」でのカッパ、カワタロウの記述
2024.10
寛永年中に豊後の国肥田にて捕まえた川太郎の図が世間に広く流布した。
世間ではよく知られているが、それをそのままここに略して記す。
頭の上にはくぼみがあり、皿のようである。蛤介(やもり)のように皿のロは閉じられており、毛で覆われている。底の深さはー寸である。
歯は亀のようで上下に四枚あり、尖っている。
一説に歯ともいう。
背は亀の甲のようで、甲羅がある。色もまた亀に同じである。
腹もまた亀と同じ様で腹甲がある。
脇腹には柔らかな立筋がある。
亀の襞に似ている。
手脚共に縮まって、胴の内に入るのも、亀に似ている。
ただし、手足が前だけではなく後ろにも、自由に回るのは、人間とは異なっている。
尻の先がー寸四五分尖って出ている。
これは尾であろう。
以上
これも「水虎奇譚」 広文庫 より