餅つきが衛生面で問題があるといって中止になったり、騒音苦情から除夜の鐘が中止になったり、なんだかちっちゃいというか窮屈な世の中になってきたなぁと居心地の悪さを感じる今日この頃です。
携帯電話だけでも驚異的でしたが、ガラケーからスマホに変わって全てがどんどんスピーディーでスマートになった。
わざわざ電話していたのが、メールで済ませるようになり、LINEが出てきてメールすら面倒臭くなってしまうほどに。
どんなことでも善し悪しは使い方次第だと思うのですが、それでもちゃんと会って面と向かって会話するということにホッとしたりします。
手間や余計な時間は出来る限り省きたい、待たずにすぐに自分の欲望を満足させたい。
合理化が全て悪いわけではないけれど、スマホを持って電車の中でもどこでも自分の部屋と同じように人々が振る舞うようになってきているのと、餅つきや除夜の鐘の中止はどこかで繋がっている気がします。
そんな中、晴れ渡った空の下で毎年恒例の自治会の餅つき大会がありました。
薪でおこした火で蒸し上げた熱々の餅米を石臼に移し、3本の杵でグニグニと米粒を潰してからペッタン、ハッ、ペッタン、ハッと餅をつきます。
餅をついているのはさすがに若い(といっても40代か50代)男性陣でしたが、ハッと混ぜる人やちぎって丸めるご婦人達は皆、60代後半か70代のご年配の方ばかり。中には80代のベテランの方も。
住民の大半がご高齢で、しかも自治会への加入者も減少しているので、仕方のないことかもしれませんが、切なさと懐かしさをない交ぜに感じる餅つき大会でした。
買って帰ったまだ柔らかくて温かいお餅に熱いお出汁をはって、お雑煮風にしていただきました。
世知辛さの増す世の中ですが、まだまだ捨てたもんじゃないのかも、と思いながら餅を噛む日曜日でした。