ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩するのか?

一年

2007-04-03 | 大阪日記
大阪にやってきて一年が経過した。この一年で私は400例はオペをしただろうか・・・?大阪はさすがに都会だ。深部や他臓器の子宮内膜症、子宮腺筋症など、コテコテの手術が多かった。(まぁ、愛媛でも少なくはなかったが)

それよりもこの一年の進歩は、二つのテクニックの開発が大きい。

チョコレート嚢胞核出におけるピトレシン生食注入:嚢胞と卵巣実質が剥離しやすく出血も少なくなる。核出操作も止血も容易になる。出血量は軽減し、手術時間も短縮する傾向がある。チョコレート嚢胞の核出時に出血が多くなったとき、縫合や焼灼による止血操作により稀に卵巣実質を傷つけ卵巣機能を低下させることがあるが、このテクニックの導入により卵巣に愛護的な手術が可能となった。

筋腫核出(Total laparoscopic myomectomy)におけるボトムアップテクニックの導入:ボトムアップテクニックとは筋腫を完全に核出する前に縫合を開始し、いわゆるミオーマベッド(筋腫の底)を縫合してしまうテクニックである。筋腫核出時、子宮からの出血が予想外に多くなることがあるが、このテクニックの導入により筋腫核出時の出血がかなり少なくなった。

これにより、よりスムーズで安全な手術が可能になる。術者のストレスも軽減する。まさに画期的な手術テクニックである(と、誰も言ってくれないから、自分で言う)。


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1 コメント

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Unknown (saori)
2007-04-04 23:54:04
そのチョコ嚢核出もろもろの手術をしていただいた者です。このたびゴールデンタイムを活用し、無事妊娠することができました☆数ヶ月前には想像もできなかったので、嬉しいかぎりです。本当にありがとうございました。
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