ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

─ 腟断端縫合:しっかり剥離する ─ TLHへの私のこだわり10

2025-01-27 | 腹腔鏡
腟断端縫合のこだわり、最後のポイントは「膀胱をしっかりと剥離しておく」ということです。

どんなに運針の技術を磨いても、そもそも縫うところが十分に剥離できていなければ、適切な縫合はできません。そこで、子宮頸部・腟と膀胱の間を十分に剥離しておくことが重要になります。これは、TLHの序盤における重要な手術手技です。

子宮を摘出して、いざ縫合という段階になってから「あ、縫うところがない!」と慌てて剥離操作をするのは、容易ではありません。ですから、手術は逆算して考えながら進めていくことが重要なのです。



全てを「ちゃんと」やる
2層で縫合する、左手の使い方、Two-stage pass、膀胱の剥離など、腟断端縫合を完璧に行うためには、一つだけのポイントに注意すれば良いというわけではありません。
切開剥離と縫合結紮、すべてを「ちゃんと」やることで、術後腟壁離開のリスクを数千分の1にまで減らすことができます。

これで、一般的な腟壁離開のリスク1/100~1/300を、1/10以下にしてしまうのですから、すごいことだと思います。

術後のQOL
術後に安心して性交渉ができたり、腹圧をかけたりできることは、患者さんのQOLにとって非常に重要です。TLHによって無くなるものは、子宮と月経と痛みだけであってほしい。私は、そう願っています。

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