一龍斎貞鏡(講談)…『柳生二蓋笠』
玉川ぶん福…『青竜刀権次 発端』(曲師:佐藤貴美江)
富士路子…『相馬大作 神宮寺川の渡し』(曲師:沢村豊子)
太田ももこ…『源平盛衰記 藤戸渡り』(曲師:伊丹明)
港家小柳…『お染久松 秘伝の曲』(曲師:佐藤貴美江)
《お仲入り》
国本武春…『原敬 友情美談』(曲師:沢村豊子)
三門柳…『瞼の母(原作:長谷川伸/脚色:三門博)』(曲師:伊丹明)
※便宜上、赤字名は女流です。
※浪曲の外題はあくまで耳で聞いたままを書いています。浪曲初心者なので正確ではないかもしれません。ご容赦下さい。
※浪曲師の方の敬称が不明なため、《お仲入り》前は『さん』、《お仲入り》後は『先生』と書かせていただきます。誤りがあった場合はご容赦下さい。
※明らかな誤りは、コメント欄でご指摘下されば幸甚です。
ここ2ヵ月ほど、浪曲にもハマっています。
浅草・木馬亭では毎月1~10日まで「浪曲定席」が開かれ、中に講釈も1本入るのは存じてましたが、なかなかタイミングが合わなかった所に貞鏡さんが木馬亭初出演!
「これは行くしかない!」と意を決して浅草に向かいました。
木戸前では玉川太福さんが熱心に呼び込み。
ちなみに東京かわら版の『寄席芸人名鑑(2009年度版)』の175ページでは「たまがわたふく」となっていますが、正確には『たまがわだいふく』さんだそうです。
ご本人に確認しました
木馬亭内は中央の通路を隔てて、上手側に5席、下手側に7席が11列。
つまり132の座席がありますが、最終的には100名以上の入場者!
ゴールデンウィークとはいえ、恐るべし木馬亭!
この定席では浪曲師の前座さんによる“開口一番”はないようで、開演時間に「時太鼓」が鳴り、演者さんごとに場内アナウンスがありました。
浪花亭友歌さん(おそらく)のアナウンスで貞鏡さんが高座へ。(浪曲では「舞台」というのでしょうか?)
貞鏡さんは初めての木馬亭とは思えない堂々とした姿勢で、今年2月に聴いた『柳生二蓋笠』を読みました。
浪曲を聴きに来たお客さんの前で講談、しかも前座さんだけに反応が心配でしたが、どのお客さんもジッと聴き入っている様子で一安心。
まずは無難に“開口一番”の役を務めました
今日の浪曲は武春先生を除いて女流がズラリ
特に驚いたのは太田ももこさんで、アタシは勝手に『浪曲界のアイドル』程度に思っていた(失礼!)のですが、とんでもない誤りでした
腹の底から出る声量、声質。メリハリも申し分なく、全身に震えが来るのを禁じ得ることができませんでした。
武春先生はまさに圧巻!
「平民宰相」と言われた原敬元首相の学生時代の親友とのエピソードを、涙と笑いでたっぷり聴かせて下さいました。
まさしく『エンターティナー』と呼ぶに相応しい芸人さんではないでしょうか?
ぶん福さんは『青竜刀権次』という重そうな内容を明るく、路子さんは師匠(富士琴路先生)の十八番をキッチリと、小柳さんは『お染久松』を関西弁を交えて楽しく、そして柳先生は、「大勢のお客様の中には初めて木馬亭にいらした方も多いようなので…」と長谷川伸先生の不朽の名作に師匠の三門博先生が忠実に脚色したという『瞼の母』を感動的に聴かせて下さいました。
今日は曲師の方も錚々たる3人の師匠が固めて圧巻!
『青竜刀権次』で、博打で金を儲けた権次が花魁の所で芸者や幇間を集めてドンチャン騒ぎをする場面では『さわぎ』(歌春師匠の出囃子)が流れて大カンゲキ!
初めて足を踏み入れた木馬亭。
ちょっとハマっちゃいそうです!