演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

09/05/19 講談夜席

2009-05-19 | 講談協会
神田織奈…『わんぱく竹千代』

宝井琴柑…『寛政力士伝 谷風梶之助 入門のいきさつ』

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一龍斎貞鏡…『池田輝政』

田辺星之助…『ガリレオ=ガリレイ』

田辺鶴瑛…『本能寺の変』

宝井琴星…『三国志 王允の陰謀』

《お仲入り》

桃川鶴女…『清水次郎長 石松三十石船』

一龍斎貞心…『本阿弥光悦 姨捨正宗』


今夜の貞鏡さんは『池田輝政』のネタ下ろしだったらしく、小牧・長久手の戦いから始まった読み物も途中で絶句したり目が泳いだり…。
そのような箇所が15分の持ち時間の間に数回見られました。
ネタ下ろしで閊(つか)えたり、絶句したりは仕方ないことです。
ただ「前座勉強会」などでキチンとさらっておくべきだったのではないでしょうか?
「前座勉強会」は本牧亭の高座に上がれる上に、真打の先生にも聴いていただける絶好の機会です。
更にその先生から講評をいただけることもあると思います。
落協や芸協の二ツ目勉強会と違い、この「本牧亭前座勉強会」は前座さん全員が出ることも可能です。
それだけに「前座勉強会」は大事にして欲しいものです。

ただ、今夜の貞鏡さんは高座上で最後まで「ネタ下ろしなので…」という、“言い訳”は一切言いませんでした。
二ツ目や真打の方の中には、途切れた場面で「今日がネタ下ろしなんです…」と言う方がたまに見受けられます。
このような“逃げ道”を作らず、ただ『勉強し直して参ります』と頭を下げて高座を下りた姿には好感が持てます。
高座返しをして、「メクリ」をめくる貞鏡さんの目は潤んでいるようにも見えました。
内心、忸怩たる思いがあったことでしょう。
この悔しさや情けなさをバネに、次回はピシッとした『池田輝政』を聴かせてくれることを願って止みません。