マジンガー通信

多分500万人に1人くらいの割合でしか役に立たないシトロエンC4にまつわるお話など。

トヨタ、ル・マン復帰

2012年02月02日 | モータースポーツ
左ハンドルなんだ。

週末、トヨタのルマンカーがテスト走行をした
というニュースが流れていました。
新マシーンの名前はTS030というそうで、
優勝間違い無しと言われながら勝てなかった、
TS020というルマンカーの遺志を
引き継いでいる様なネーミングの車です。
あんまり格好良くないところも
トヨタのレーシングカーらしくて良いと思います。
一先ず、シェイクダウン(走り初め)から続いた
3日間のテストはノートラブルで終わったそうです。

車は最高・チームは最低と言われた、トヨタF1

TS030はトヨタF1の本拠地だったケルンのTMG
(Toyota Motorsport GmbH、GmgHは有限会社の意味)
で造られて、運営もTMGで行うそうです。
トヨタF1を知っている人間ならピンと来るのですが、
今度も同じ事にならなければいいなと
始まる前から不安が過る組織ではあります。
莫大な運営費を使いながら1勝も出来ずに撤退をした
トヨタF1の一番の失敗理由は
裁量権が日本の本社、運営をドイツのTMGが行う
体制にあると言われ続けていました。
その場で決めていかないとライバルに出し抜かれる世界で
書類にハンコを押して・・・は通用しなかった訳です。
スポーツカーレースはF1程のスピード感は求められないので、
杞憂に終われば良いのですが。

やはり目玉はハイブリッドですね。

トヨタのリリースを見ていると、
中々野心的な車だという事が分かります。
日本ではあまりイメージが無いと思いますが、
ディーゼルは出走可能なレースの殆ど全てで
圧倒的な戦果を挙げています。
ディーゼル優勢というのは
ル・マンでのアウディが火付け役になったのですが、
市販車で戦うスパ24時間レースでも、
ラインナップにディーゼルを持っているメーカーは、
やはりディーゼルエンジンを選んで戦っています。
ディーゼルの強みは市販車と同じですが
燃費が良い事と加速の良さ。
最近はそれなりに高回転も回る様になっているので、
無敵に近い状態になっています。
そんなディーゼルの本場、ヨーロッパに
ガソリン・ハイブリッドで殴り込みをかける訳です。
トヨタも長年熟成を続けてきた看板技術ですから、
返り討ちに遭う訳にはいかないですよね。
更にはハイブリッドなら当たり前とも言えますが、
TS030は前輪にもモーターが付いている
電気式のAWDシステムを持っています。
AWDはアウディのお家芸でもありますから、
いきなり王者の両頬を引っ叩いたとも言えます。
トヨタ、やりますね。
ハイブリッドシステムにも特徴があって、
今までのTHSで使われていたバッテリーではなく
キャパシタ(大きなコンデンサー)を使っています。
F1で使われているハイブリッドシステム
KERSはバッテリーを使っていますが、
今まで小規模ながら火災やバッテリーの爆発など
幾つか重大なトラブルが出ているのに対して
キャパシタは比較的安全に扱えるのがメリットの1つ、
急速充電、急速放電がバッテリーより容易なので、
この点でもレース向きだと思います。
市販車ではマツダがキャパシタ式を導入直前だと
モーターショーで展示していましたが、
将来性がある蓄電方法だと思います。

と、ざっと見ただけでも真剣度合いが分かるTS030、
先ずはディーゼルに対してどれだけやれるのか
潜在能力を見せる必要がある段階ではあるものの、
中々面白い事になるのではないかと思います。
後は前途の体制ですかねぇ・・・

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