尾瀬に生えていたら水芭蕉かと思ってしまうオランダカイウ。江戸時代に到来したというから、歴史の古い種だ。英語の「トランペット百合」という通称がぴたりくるかも。白い花にみえるのは仏炎苞だ。
(2020-04 川崎市 道端)
オランダカイウ
オランダカイウ属 Zantedeschia の園芸種であり、一般的にはカラーと呼ばれる。旧属名はヒメカイウ属Calla であり、これに由来する。カラーは江戸時代後期の天保4年(1843)に日本に渡来したと記されている。当時はオランダカイウ和蘭海芋と呼ばれ、これがZantedeschia aethiopica の和名となっている。
湿地を好み、強健、常緑、塊茎状の塊根から密集して直立し、群生し、高さ50~80㎝(1.5m以下)、白色の肉質の根をもつ。塊根の上のシュートから新しい塊茎が生じる。葉は大きく、革質。葉身は矢じり形;又は卵状心形、長さ15~45㎝、幅10~25㎝、暗緑色、葉脈は非常に細かく、やや淡緑色、光沢があり、全縁、縁は波打ち、葉の斑点はまれ。葉柄は長さ40~100㎝、薄い緑色、、海綿質、内側は白色、外側は帯紫色。花茎は葉とほぼ同長、緑色、丈夫。仏炎苞は白色~象牙色(ピンク色)、基部は明るい緑色で、のど部の暗色は無く、長さ25㎝以下、漏斗形、先は狭くなり、頂端は線形、反り返り、長さ2㎝以下。肉穂花序は仏炎苞の約1/2の長さ、明るい黄色、基部に雌性部があり、肉穂花序の長さの約1/4~1/2に仮雄しべが散在し、上部に雄性部が続く。不稔の付属体は無い。液果は緑色又は黄色、直径約1㎝以下。2n=26。花期は3~6月(花期は晩冬~晩春)。
オランダカイウ属の種は世界に8種あり、カラーと呼ばれる園芸種はハイブリッドも多数、作られ、白色のほか、ピンク色、赤色、黄色、橙色、紫色、黒色などがある。
[花期] 5~10月
[草丈] 50~80㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 栽培種
[分布] 帰化種 アフリカ原産