野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

サファイア色の花が愛されたヤグルマギク(20-098)

2020年05月27日 10時49分17秒 | 

サファイア色の花が愛されたヤグルマギク。明治時代に渡来したらしい。今ではどこの花壇でも咲いている園芸種としておなじみだ。少し重い頭を風に吹かせている様子は、子供の頃から見慣れた花だった。

(2020-04 川崎市 道端) 

ヤグルマギク(矢車菊、学名 Centaurea cyanus)は、キク科ヤグルマギク属の1種である。

和名ではヤグルマギクと呼ばれており、近年一部でヤグルマソウとも呼ばれた時期もあったが、ユキノシタ科のヤグルマソウと混同しないように現在ではヤグルマギクと統一されて呼ばれ、最新の図鑑等の出版物もヤグルマギクの名称で統一されている。

野生種は青紫色で、種名の「cyanus」は「あさぎ色の」という意味である。属名の「Centaurea」は、ギリシャ神話に出てくる半人半馬の怪物ケンタウルスから。

産地
ヨーロッパ原産。もとは麦畑などに多い雑草だったが、園芸用に改良され紫、白、桃色などの品種が作られた。ドイツ連邦共和国、エストニア共和国、マルタ共和国、フランス共和国の国花である。

特徴
耐寒性一年生植物。ヤグルマギク属の別種には多年草のものもある。

高さは20~100㎝で、全体が毛で覆われるため白みを帯びて見える。夏に筒状花からなる矢車状の花が咲く。種子は痩果で、短い毛が付く。

日本には明治時代に導入されたが、現在では帰化植物として野外でも多く見られる。原産地同様に麦畑に侵入すると、収量を5割から9割も減らす強害雑草となるため恐れられている。

栽培

ヤグルマギクの種子
東北地方以北または寒さの厳しい中部山岳地帯では春播きにするが、関東地方以西の平地では秋まきにする。現在販売されているタネはほとんどが寒咲種で、8月末にまき、暖かな日だまりに植えておいてやると、年内に開花する。普通は9月下旬に播種し、4月頃から咲かせる。

病虫害も少なく、丈夫な草花で、花壇や家庭の切り花などに用いられる。このため、上記のような問題も発生するので注意が必要である。

文化
その青紫色の美しさから、最高級のサファイアの色味を「コーンフラワーブルー」(ヤグルマギクの花の青)として引き合いに出される。

ノヴァーリスの小説『青い花』(邦題;原題は「ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン」)に登場する青い花(ロマン主義の象徴ともされる)はヤグルマギクといわれる

ツタンカーメン王の棺の上にはヤグルマギク、蓮、オリーブ等で作られた花輪が載せられていた。

マリー・アントワネットが好んだ花であり、洋食器の『小花散らし』の模様は彼女がデザインしたヤグルマギクの柄に由来する。


いかにも初夏を思わせるピンクの「タチアオイ」(20-097)

2020年05月27日 10時07分25秒 | 

いかにも初夏を思わせるピンクの「タチアオイ」・古くから薬用として渡来している。アップでみると花弁の波打ち具合など、巨大な花にもかかわらず、繊細な美しい花だ。花弁に粘着性があるので、額につけて鶏冠の真似をして遊ぶ風習があり、コケコッコ花というかわいい呼び名もあるようだ。

(2020-05 川崎市 道端) 

 

 


タチアオイ(立葵、学名:Althaea rosea、シノニム:Alcea rosea)は、アオイ科の多年草。属名Althaeaはギリシア語由来の古典ラテン語に由来し、語源たるギリシア語「althaia」は「althaino」(治療)と関連している。古来、タチアオイは薬草として用いられた。

概要
当初は中国原産と考えられていたが、現在はビロードアオイ属(Althaea)のトルコ原産種と東ヨーロッパ原産種との雑種(Althaea setosa ×Althaea pallida)とする説が有力である。

日本には、古くから薬用として渡来したといわれている。

花がきれいなので、園芸用に様々な品種改良がなされた。草丈は1~3mで茎は直立する。花期は6~8月で、花は垂直に伸びた花茎の下から上に咲き上っていく。ちょうど梅雨入りの頃に咲き始め、梅雨明けと共に花期が終わる(花茎の頭頂部まで開花が進む)ことになぞらえて、「ツユアオイ(梅雨葵)」という別名も冠されている。花は一重や八重のもあり、色は赤、ピンク、白、紫、黄色など多彩である。花の直径は品種によるが大きなものでは10cmくらいである。本来は宿根性の多年草であるが、品種によっては一年草でもある。アオイの名から会津若松市と静岡市が市花に制定している。

花弁の根元が粘着質であり、引き抜いた花弁を顔などに付けてニワトリを真似て遊ぶことができるため、北海道の一部ではコケコッコ花、コケコッコー花青森県の一部では"コケラッコ花"などと呼ばれる。

花弁や根を、薬用として利用する。

名称
ホリホック(ホリーホック)ともいうが、英名 hollyhock は必ずしも本種を指すとは限らず、旧属名・タチアオイ属(Alcea)の各種をはじめ、ときには他属の種をも指す言葉である。 俗説として holly- は holy に通じ、この花が十字軍によってシリア(キリスト教聖地)からヨーロッパにもたらされたことに因み、「聖地の花」の意味が込められている、などとも言われる。

日本語では「花あおい」(花葵)とも呼ぶ。ただし学術的には、同科別属であるハナアオイ属、または同属下の Lavatera trimestris を指して「ハナアオイ」と呼んでいるので、注意が必要である。


花の形がユニークな「ホンコンシュスラン」(蘭シリーズ 20-22)

2020年05月27日 08時01分45秒 | 

花の形がユニークな「ホンコンシュスラン」。樹木に着生する常緑のランで、葉の美しさを観賞するものらしい。学名のルディシア・ディスコロールの種小名は「2色の」の意味で、葉の特徴を捉えたもの。シンプルな白の花弁に、先端の葯帽の黄色がアクセントになっている。

(2020-02 東京都 神代植物公園) 

 

ホンコンシュスラン Ludisia discolor は、ラン科植物の1つ。本種のみでこの属を構成する。洋ランの1つで主として葉の美しさを鑑賞される。

特徴
地上性の常緑性のラン。地表を這う茎は赤紫色を帯び、多肉質で太く、節ごとにややくびれ、節からは細い根が1本ずつ出る。葉は3-4枚が茎の先端に集中してロゼット状になり、多肉質で卵状披針形で長さ5-8cm。葉身の表面はビロード状を呈し、色は赤紫色から赤みがかった暗緑色の地に、葉脈上には金色や銀色の縞模様や網目模様が出て、とても美しい。この葉の模様は個体によって変異がある。

花茎は長さ30cmに達し、多数の花を穂状につける。花は景がcmほどで色は白。背萼片と側花弁が癒合して兜のような形となる。唇弁は基部が袋状で先端は2つに裂ける。蕊柱はねじれており、先端の葯帽は黄色。

分布
中国南部から東南アジアにみられる。

分類
本種は蕊柱がねじれることでナンバンカゴメラン属 Macodes に似ているが、唇弁が下位に位置することで区別され、本種のみで単形属をたてる。なお、本種は当初はシュスラン属のものとして記載され、1818年の記載では Goodyera discolor とされ、これが新属のものとして分割された。ただし同年に本種を元に Hemaria という属が立てられ、1970年まではそれに基づく Hemaria discolor として知られていた。

ちなみに種小名は「2色の」の意味であり葉の色に基づく。旧学名 Hemalia はギリシャ語の「血」に由来する。今の属名は人名由来とも言われるが不明である。

利用
洋ランの1つとして栽培される。洋ランでは珍しく観葉植物であり、本種を含む類似のものはまとめてジュエルオーキッドと呼ばれる。本種はその中でもっともよく知られたものである。本種とナンバンカゴメラン属やキバナシュスラン属 Anectochilus などの属間雑種も作出され、やはり鑑賞されたが現在では栽培されることが少なくなっている。

日本で広く栽培されているのは葉がやや大きくて葉脈に赤い模様が入るもので、これを変種 var. dawsoniana としたこともある。


アプリコット色のバラ「クローダ・マグレディ」(薔薇シリーズ203)

2020年05月27日 07時12分39秒 | 

アプリコット色のバラ「クローダ・マグレディ」。ニュージーランドのマグレディ家が2012年に作出したバラ。しっとりとした雰囲気のあるバラだ。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

バラ「クローダ・マグレディ」

クローダマグレディ データ
品種名……クローダマグレディ(Clodagh McGredy)
系統……HT
作出国……ニュージーランド
作出年……2002年
作出者……マグレディ
花色……アプリコット
香り……中香
花期……四季咲き
樹高……1m