秋の高原でわたしたちを魅了してくれるマツムシソウの園芸品種「スカビオサ」。そっくりという気持ちとあまり似ていないという気持ちが同時に湧き上がるから不思議だ。それでも春の花壇でこの花をみていると秋の広々とした高原の空気が吹き渡るような気分に包まれる。しばらく外出もままならない日常だ。ああ、また草原に行きたいなぁ。
(2020-04 川崎市 花壇)
スカビオサとは
スカビオサの和名はマツムシソウ(松虫草)。高原のお花畑を彩るさわやかな花で、昆虫のマツムシが鳴くころに咲くのでこの名がつけられています。ユニークな花形とソフトな色合いが魅力で、風に揺れて群れ咲く様子には、自然な風情が感じられます。古くから俳句にも詠まれ、秋の季語ともなっています。小花が集まって大きな頭状花を形づくり、外側の花弁が大きく広がるのが特徴です。
この仲間、スカビオサ属には80種以上があります。花壇や切り花に多く利用されているのは、花が盛り上がるように咲くS・アトロプルプレア(Scabiosa atropurpurea=セイヨウマツムシソウ)と、大輪で花弁の広い優雅な花をつけるS・コーカシカ(S.caucasica=コーカサスマツムシソウ)です。アトロプルプレアは園芸品種が多く、花色も豊富です。鉢物では、S・コンバリアなどをもとにいくつもの品種が育成されています。ほとんどがブルー系の花色で、草丈は10~30cmくらい。四季咲き性が強く、次々と長い間咲き続けます。
※科名:マツムシソウ科で分類される場合もあります。
基本データ
園芸分類 草花
形態 多年草,一年草,二年草 原産地 ユーラシア、南アフリカ
草丈/樹高 10~100cm 開花期 4月~6月と9月中旬~10月ごろが多い
花色 青,紫,白,ピンク,黄,赤
耐寒性 強い(半耐寒性のものもある) 耐暑性 弱~強(種類によりさまざま)
特性・用途 半常緑,開花期が長い,耐寒性が強い