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ビフォリア、2枚葉の

2023年02月23日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2014.03.24撮影

今日は、キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla)の4日目、最終日です。

今日ご紹介したい Scilla bifolia をどう呼ぼうか、と迷って、種小名の bifolia から「ビフォリア」を検索してみました。すると、薬用育毛剤が出てきたんです。考えましたが、まあ、いいか、と思い、他にいい考えが出てこないので、暫定的な名前ですが、ビフォリアと呼ぶことにします。

学名 Scilla bifolia「2枚葉のツルボ」
英名 Alpine squill「高山スクウィル」
英名 Two-leaf squill「2枚葉のスクウィル」
和名 ビフォリア(種小名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla

英名の Alpine squill というのは、「アルプスのスクウィル」という意味ではなく、「高山スクウィル」という意味です。英語の Alpine は、一般に「高山の」という意味です。このツルボ属の花は、原産地ではやや標高のあるところで育ちます。

2014.03.24撮影

bifolia「ビオフォリア」というのは、bi-「2つの」、folia「葉の」という意味です。そして、解説などを読んでみると、2枚の葉が出る、3枚出るのは珍しい、と書いてあります。

そうか、と思って観察してみると、上の画像では、大体2枚のようですけど、次の画像ではどうでしょうか、、、複数の球根がかぶさり合って植わっているかもしれないので、庭では早急な結論は出ないかな、と思いました。

他のツルボ属の花も、2枚葉があるのに、なぜこの種を特に取り上げて「2枚葉」と呼ぶのだろう、、、

2021.03.07撮影

この上の画像では、ツボミの形をご覧ください。ブドウひっくり返り型です。青紫の色に赤みがかかっています。

この赤みがどこから来るか、というと、もう一度冒頭の画像をご覧ください。「花びら(ガク)」(「ガク」とつけ加える、とお思いになったでしょ?)の1枚、1枚、に、赤っぽい縦線が入っています。この線のために、ツボミの印象が赤いのです。

2021.03.09撮影

花の咲いたのをご覧ください。

昨日のシベリカに比べると、決定的な違いがあります。それは、上を向いて咲いていること。それと、メシベの子房の色が異なります。ビフォリアの子房は、花に合わせた、紫色です(最初の画像もご参照ください)。また、花茎が赤っぽいです(これは、次の画像でも見ることができます)。

2021.03.20撮影

これ見てくださいよ〜〜。これ、お隣の芝生に引っ越して行った、うちのビフォリア。これは、2年前の画像です。

4、5年前、あれ? あれは何? お隣の芝生に花が。お隣が芝生に何か植え込むわけないのになあ、と思って目を凝らすと、、、

おや、うちの子じゃない、こらこら、勝手に出て行っちゃいけませんよ、お隣は、あんたたちのこと嫌いなんだからね。と言いきかせようと思っても、全く聞いてくれず、その後も、どんどん家出して行きました。

最初のうちは連れ戻していたんですが(お隣の地所へは、うちから伸びたものを切りに行ったり、落ちて行ったものを拾いに行っていいことになっている)、それでは芝生がボコボコになりすぎるので、すぐにあきらめました。

すると、わたしの寛容さをいいことに、あちらでは大繁殖。今のところ、お隣から文句は出ていないので、そのままにしています。多分、花が咲いているのさえ知らないんだと思います。

2022.03.24撮影

見てくださ〜〜い、花を拡大しました。

「花びら」の、目がぱっちりと開いたような咲き方、きれいな色の宝石みたいな子房(メシベのタネのなるところ)、それを取り囲むオシベの先の、色のコーデ抜群のヤクの色。

2022.03.24撮影

これは、ビフォリアを真上から撮影したものです。画像の向きで上の方の花、特に、右上の方の花は、オシベの先のヤクを落としているので、開いて日数の経った花です。まもなく、子房が果実になります。

この画像で左手に見える葉っぱは、ヘレボルス・アルグティフォリウス(Helleborus argutifolius)です。細い茎は、ハゴロモジャスミン(Jasminum polyanthum)。他に、少なくとも、2種のグランドカバー、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)とクルマバソウ(Galium odoratum)の葉っぱが見えています。


こんなところを棲家とさせられていては、やっぱり新天地へ子どもたちを送り出したくもなりますよね。

画像中、向こう側で白っぽく見えるところが、お隣の光の当たる芝地です。

隣の芝生は、うん、明るい。


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2 コメント

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おはようございます... (himesijimi)
2023-02-23 10:59:19
おはようございます...
妙なところに引っかかるクセがありまして、その、庭の造り、雰囲気ですが、日本の庭園は、ごちゃごちゃと所謂、定番の庭木が植えられている状況ですが、その辺りは一面、芝生状態が普通なのでしょうかね?

まあ、それはいいとして...
私は、お隣のお庭はビフォリアが点在している方が余程素敵に観えるのですが...
(又、そこに虫が訪れればもっと良し!)

何れにしても、生物の、花のお写真に近い春を感じさせて頂きました。
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みんな芝生 (flowerconnection)
2023-02-23 13:19:59
himesijimiさん、そうなんですよ。こちらは、デフォルトで芝生なんです。バンクーバー市の場合はどの地域のどれぐらいの大きさの地所なら木を何本植える、と決まっているのですが、守らない人が多いです。
うちは、この家を買って、早々と芝生を取り除きにかかり、何年もかけて、現在は芝生ゼロにしました。
芝生には本来球根植物が混在しているはずなんですが(ヨーロッパの野原や森の中をご想像ください)、北米では芝生は芝生、それ以外は邪悪なものである、という感じ。
お隣へは、アジサイの花が突き出していてもにらまれる。だから、切り花で差し上げましょうか、とか言うんですけど、嫌な顔を返されるばかり。
芝生の上では、せっせと鳥が何か掘りくじ返しているから、虫類はいるはずなんです。
特にカラスがほじくり返すのがひどくて、嫌っている人は多いです(カラスはファンも多いけど)。うちは芝生がないので、カラスは何もほじくり返さない。ほじくっているのは、スカンクかアライグマだと思います。
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