カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

花冠と副花冠(ムラサキ科)

2024年04月08日 08時00分00秒 | ムラサキ科

2021.10.04撮影(ルリジサ

花を構成する花弁・花被片全体を「花冠」といいます。その花冠の内側に、小さい花のような突起があることがあります。その突起を「副花冠」といいます。副花冠を持つ花は、結構多いものです。

副花冠の目立つ花と言えば、スイセン(Narcissus)です。左下の画像のラッパズイセン(園芸種名 'Loveday')には、黄色い花びらを背景にオレンジ色の花冠が突き出ています。 右下はフサザキスイセン(Narcissus tazetta)で、どの亜種までかはわかりませんが、このスイセンでは、花弁が白、副花冠が薄いクリーム色です。

 
2023.04.18撮影(ラッパズイセン)      2023.03.12撮影(フサザキスイセン)

キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)の花にも、花冠のあるものがあります。これらの花冠は、スイセンのようにカップ状に見えますが、切れ込みがあります。また、スイセンのカップが外へ向かって開いているのに対し、ツルボ亜科のカップは先がつぼんでいます。あるいは、観察資料が十分でないので、そこまで一般論は引き出せないかもしれません。

なお、スイセン属はヒガンバナ科(Amaryllidaceae)、ツルボ亜科はキジカクシ科(Asparagaceae)ですが、両者とも、キジカクシ目(Asparagales)に属します。

 
2023.03.28撮影(プシュキニア)       2022.03.24撮影(チオノドクサ

また前置きが長くなってしまった。

今日は、ムラサキ科(Boraginaceae)の花で、副花冠のあるのを紹介しよう、ということなんです。ここから本文が始まります。汗


2022.05.13撮影(ワスレナグサ

これは、ワスレナグサ(Myosotis)です。種名の推定は、Myosotis sylvatica です。ここでは、花の中央をご覧ください。プクッと盛り上がっています。これが副花冠です。副花冠は、スイセンのようなカップ状でなくていいのです。

ワスレナグサの副花冠は、リング状のものだけをいうのか、花びらの間の区切りのようなものも含めるのか、、、というと、含めるのではないか、とわたしは思います。なぜなら、線状のものが副花冠である花もあるようなので。(今後の課題として、調べます。)

学名 Myosotis(種の推定は、Myosotis sylvatica
英名 Forget-me-not「我な忘れそ」
和名 ワスレナグサ
ムラサキ科(Boraginaceae)ワスレナグサ属(Myosotis


2023.04.03撮影ブルンネラ

2番目のムラサキ科の花は、ブルンネラ(Brunnera)です。ワスレナグサではありません。花だけ見たら、よく似ていますね。花冠も副花冠もそっくりです。でも、葉がかなり異なります。

 
2022.04.11撮影(ワスレナグサ)       2023.04.03撮影(ブルンネラ:斑入り)

学名 Brunnera種の推定は、Brunnera macrophylla
和名 ブルンネラ
ムラサキ科(Boraginaceae)ブルンネラ属(Brunnera


2023.04.10撮影(オンファロデス

3番目のムラサキ科の花は、オンファロデス(Omphalodes)です。この花も、ワスレナグサによく似ています。花冠も副花冠も。花の咲き方は、花柄の上にパラパラと咲く感じです。

学名 Omphalodes verna
和名 オンファロデス
ムラサキ科(Boraginaceae)オンファロデス属(Omphalodes

最後にもうひとつムラサキ科の花を。ワスレナグサとは異なる形の花です。

2021.06.25撮影(ルリジサ

これは、ルリジサ(Borago officinalis)です。冒頭の画像もルリジサです。冒頭の画像の方が、若い花です。

学名 Borago officinalis
和名 ルリジサ
ムラサキ科(Boraginaceae)ルリジサ属(Borago

直前の画像をご覧ください。花の中央に、白い飛び出したものがありますね(冒頭の画像には見えません)。それは、メシベです。花が開いてすぐには、メシベはオシベの中に隠れています。メシベの周りにある暗色のものが、オシベのヤクです。

今度は、花の中央からではなく、花びらの方から見てください。花びらの根本に、白い歯のようなものがぐるっと並んでいます(冒頭の画像では、青っぽい)。これが、副花冠です。

さらに、白いものが取り囲んでいます。その白いものには、紫の突起がついています。さて、これも副花冠なのかどうか。これは、調べましたがわかりませんでした。(これも、今後の課題といたします。)

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ワスレナグサ 2

2023年04月29日 08時00分00秒 | ムラサキ科
2022.04.11撮影

庭によく植えられるワスレナグサは、Myosotis sylvatica です。この種(しゅ)の花の色は、基本は空色ですが、一定数、ピンクの花も、白い花も出現します。その性質を利用してでしょう、多くの園芸種があり、色が異なります。大変濃い青、親種より濃い青、ローズ・ピンク、濃い明るいピンク、など。

では、青以外の花は、開花の度合いで色が変わるでしょうか。

2023.04.19撮影

これは、うちの、ピンクの株です(新しい株で、どこから来たのか、知らない)。花の開いたのも、ツボミも、ピンク〜〜 少なくとも、この株では、そのようになっています。

白花は、以下の画像でご覧ください。ツボミも開いた花も、白です。

2022.04.11撮影

上の画像と次の画像は、同じ場所を写したものですが、上のような情景が、3週間経つと、下のような情景になります。下の画像には、もうタネをつけているのもあります。

こういう密集地(こんなのも、花筵と呼べるのでしょうか)を見ると、交雑して中間色もできるのかなあ、と思ってしまいますが、さあ、どうなんでしょう。あんまり、中間的な形質のものは、見つからないんです。

2022.05.06撮影

以下は、ワスレナグサの白花です。この個体が、Myosotis sylvatica で一定数現れる白い花であるか、園芸種であるか、あるいは、他の種、例えば、Myosotis abyssinica、かは、わたしにはわかりません。

青い花では、中央のリングが、黄色のものが若い花、白いものが日数の経ったもの、と昨日述べました。

以下の白花の画像中にも、リングが黄色いものと白いものとがあります。お暇な方は、これらの花の中から、リングが白いものを見つけ出してくださいまし。

2013.05.07撮影

ところで、「ワスレナグサ」という名称の語源については、
* 中世ドイツの悲恋物語に、ある騎士が恋人に花を摘んであげよう
として川に落ちた、流れに飲み込まれる間際に、女性に向かって 
Vergiss-mein-nicht!(僕を忘れないで)と言った、とある、
と、日本語版Wikipedia、その他、にあり、

* その英語への直訳は Forget-me-not、
* 日本語への訳は「忘れな+草」である
となっていますけど、これ、ウソっぱちです。

Wikipediaのドイツ語版には、そんなことこれっぽちも書いていない。
英語版にも書いていない。

それで、英語の(多くの人が信頼している)語源辞典で調べると、
* 古フランス語の花の名前 ne m'oubliez mye が各言語に入り、
以下のように訳された、と解説されています。

つまり、英語、その他の言語には、フランス語の表現が入って訳された、ということです。

英語: forget me not(1530年代にフランス語から英語に入った) 
ドイツ語: Vergißmeinnicht
スウェーデン語: förgätmigej
ハンガリー語: nefelejcs
チェコ語:nezabudka

forget-me-not

・・・・・・・

【お知らせ】

5月にまた日本に帰国します。すぐにではありませんが、わたし自身の庭の世話をしてからになるので、今回は早めにブログから「お休み」を取ることにします。ブログ再開は、6月半ば以降となります。

それまで、白いワスレナグサの白いリングがいくつあるか数えていただくか、
せめて flowerconnection を「勿忘(忘れなき)」よう、お願い申しあげます。
またご訪問くださいね。

やっと10度を超えたバンクーバーより


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ワスレナグサ 1

2023年04月28日 08時00分00秒 | ムラサキ科
2022.05.13撮影

今日と明日でムラサキ科(Boraginaceae)のミニシリーズは終わりです。

最後に、ワスレナグサ属(Myosotis)を取り上げます。「ワスレナグサ」の「ワスレナ」は、漢語風に「勿忘」、和語風に「忘れな」。

ワスレナグサ属の花は、よく似ているものが多いので、種(しゅ)まで、しかとは同定しにくいのですが、庭に普及している、という統計的事実からと、見かけからも、冒頭の画像のワスレナグサは Myosotis sylvatica でしょう。

学名 Myosotis sylvatica(推定)
英名 Forget-me-not「我な忘れそ」
和名 ワスレナグサ
ムラサキ科(Boraginaceae)ワスレナグサ属(Myosotis

学名の Myosotis は、「ウサギの耳」という意味だそうで、葉の形を表したものだと言われています。次の画像で、葉の形をご覧ください。

2022.04.11撮影

ムラサキ科の、ヒメムラサキ(プルモナリア)、ルリジサ(ボリジ)の花が、(白花でなければ)咲き始めはピンク、そして、開き切ると青、というのは、もう見ました。今日のワスレナグサも、花は、ピンクから青に変わります。

上の画像でも、ツボミはピンク色を覗かせ、画像中央下の、小型で開いてはいるがまだ丸まっている花は、変色中であるように見えます。

次の画像もご覧ください。いろいろな開き方の段階の花を見ることができます。

2023.04.18撮影

以下の画像では、花が全部開いてしまった状態です。ツボミがないので、全体が青くなっています。

きれいな空色ですね、ヒメムラサキ(プルモナリア)の花とも、ルリジサ(ボリジ)の花とも異なる。

この「花ざかり」のワスレナグサのおいでになるところは、わたしのハーブ・ガーデン! 背景にチャイブ(Allium schoenoprasum)が見えます〜〜 わたしがここにワスレナグサさんたちをお招きしたんじゃないんです。タネがどういうルートで移動するのか知りませんが、お願いしたわけでもないのに、やってくるんです。

わたしは、ワスレナグサは、購入したのですが、知り合いのガーデニング好きのおばさん(隣のおばさんとば別の人)にあきれられました、そんな植物は買うもんじゃない、って。そんなら、くれたらよかったんじゃない、とは思いましたが、毒づくのは控えました。

2021.05.04撮影

ワスレナグサは、花茎の下から上に向かって咲きます。

直前の画像でも、花の中央の色からそのことがわかるのですが、冒頭の画像の方がわかりやすいので、そちらをもう一度ご覧ください。

花茎の下の方にピンピンと出ているのは、終わった花がタネになりかけているところです。その上にある花ふたつは、中央が白いです。これが花が古い証拠! 受粉したことを表すのかもしれません。その上の花4つは、まだ新しい花。中央が黄色いです。そして、花茎の先に、ピンク色のツボミが見えます。

明日、もう一度、ワスレナグサについて。

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ルリジサ(ボリジ)2

2023年04月27日 10時00分00秒 | ムラサキ科
2022.09.09撮影

昨日からのつづきです。

昨日は、ルリジサのツボミがほころびる過程をご覧に入れました。以下にまとめておきます。昨日ご紹介した画像をトリミングしたもので、画像の質は落ちます。

 ガクの間から花びらが見える

 花びらの頭が見える

 花びらの頭がもっと見える

 花がほころびだす

 花が開く

 花びらにまだ赤みが残っている

 花びらが青くなる

冒頭の画像を拡大すると、以下のようになります。同一の株に、このように、ピンクの花と青い花がつくので、花の色がどうなっているのか、わかりにくいです。

2022.09.09撮影(冒頭の画像のトリミング)

ピンクから青に変わる、まではわかったのですが、どのくらいの期間で変化するのか、についての観察は、まだできていません。今年、ルリジサがたくさん咲いたら観察してみましょう。

2021.08.18撮影

この画像は、他のルリジサと同じ南側の庭でも、やや日照時間が短めのところに生えている(註:植えたのではない)個体で、ほっそりめです。画面中央やや下のツボミが、ここでもピンクです。

2021.06.30撮影

ちょっと視点を変えて、上から覗いてみましょう。画面中央手前にだいぶんほころびたツボミ、その右側に開いた花、その右側がもう終わった花、です。

なお、左手と向こう側にあるすっと伸びた茎は、クサキョウチクトウ(Phlox paniculata)のものです。このように、ルリジサは、どこにでもタネを飛ばして、割り込んで生えてきます。生命力旺盛で、2年前、あまりにも生えてきすぎて一生懸命に掘り起こしたら、翌年(=去年)はあまり生えてこなかった。今年は、それでも、苗は出てきています。

2021.07.28撮影

なお、白花のルリジサがあります。それは、青花の Borago officinalis の変種、Borago officinalis var. alba であるようです。それに加え、白花の園芸種もあるのかもしれません。


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ルリジサ(ボリジ)1

2023年04月26日 10時00分00秒 | ムラサキ科
2021.08.25撮影

一昨日からムラサキ科(Boraginaceae)の属を取り上げています。昨日と一昨日は、ヒメムラサキ属(Pulmonaria)でした。今日はルリジサ属(Borago)です。

上の画像は、ルリジサ(ボリジ)の花を裏側から見た画像。花びら以外は毛だらけですね! 雨後に撮ったので、このように水玉ができています。わたしの住むバンクーバーで雨が降るのは常のことなので、雨は特筆するに当たらず、降っていない時に「晴れた、晴れた」と喜びます。

ルリジサは、バンクーバーでは、6月〜10月に咲きます。これは、1個体が3ヶ月も4ヶ月も咲き続ける、というわけではなく、発芽の時期が個体でずれていて、ずれた分だけ順番に花をつけ始め(そして、順番にタネをこぼし)、結果、花期が全体として長くなるもようです。少なくとも、それがわたしがわたしの庭から得た観察です。

2021.07.24撮影

ルリジサ(ボリジ)の花の色は、ややあせた青紫です。撮影の時の光の加減では、上のように、水色〜薄い空色、に写るときもあります。昨日と一昨日のヒメムラサキ(プルモナリア)の、目に飛び込んでくるような濃い青とはやや異なります。

それと、ヒメムラサキは、多くの花が一度に咲きそろうので、特に花の色が印象的なのでしょう。それに対し、少なくともわたしの観察では、1株のルリジサに多数の花が一度に咲き誇ることはありません。つまり、まばらに咲きます。

学名 Borago officinalis
英名 Borage
和名 ルリジサ(瑠璃苣)
別名 ボリジ(英名から)
ムラサキ科(Boraginaceae)ルリジサ属(Borago

和名のルリジサは、「瑠璃色(の花)のチサ」で、「チサ」はレタスのこと(つまり、食べられる!)です。学名のうちの種小名 officinalis は、「(薬や食料を)貯蔵してあるオフィス」から「薬用の、食用の」という意味で用いられます。

実際、ルリジサは、花も葉も食べられます。以下の記事で、「食べ方」をいくつか挙げておきました。


今日の記事の内容と画像は、上にリンクした記事の内容と画像と被るところもありますが、今日のテーマは、ムラサキ科の花、ということで、主に、その花の色の変化について書きたいと思います。

2021.09.06撮影

ルリジサ(ボリジ)の花の色は、ヒメムラサキ(プルモナリア)の花の色と同様、咲き始めは、ピンク〜桃色、です。そして、時間が経つにつれ、青くなります。

庭にルリジサを育てるようになってから、花は、青?? ピンク?? 混在している?? 途中で変わっている?? どっちからどっち?? 中間の色もある?? とわたしは何年も混乱していました。でも、ある年、これ以上こんな状態は続けられない、と思い、ついに決意して、いくつかの花に印をつけておいて、観察しました。

結果は、明らかに、ピンクから青、でした。

先の画像の、ほぼ右手にある、やや割れ出したツボミをご覧ください。ピンクがのぞいています。

次の画像は、あまり良くないのですが、ツボミをお見せしたく、掲載します。

2021.10.04撮影

画面中央手前下に、花びらの一部がはみ出しているツボミがあり、それはピンクです。また、右奥の方には、もっと成長したツボミがあって、花びらはまだ閉じたままでガクから頭を覗かせています。

2021.06.25撮影

もっとツボミが開いてくると、上の画像左のようになります。上の画像には、そのほかにふたつ、ピンクの頭を出しただけのツボミも見えます。画面中央最上部と、画面右です。

明日につづく。

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ヒメムラサキ(プルモナリア)2

2023年04月25日 08時00分00秒 | ムラサキ科

2022.03.24撮影

これは、昨日お見せした「ナガバヒメムラサキ」のツボミがほころび出したときの様子です。この色が、ほどなく、次のようになります。

2022.03.24撮影

きれなすみれ色ですね。青っぽいすみれ色? 青系統、紫系統、の色の表現は難しい・・・。画像中、この開いた花の右上後ろに、赤いツボミがわずかに覗いています。

2021.05.02撮影

上の画像の咲いている4つのお花のうち、
・左下の花が、前の画像のような色になるちょっと前の色調
・他の3つの花が、前の画像のような色になったちょっと後の色調
です。

地面に落ちている黄色いものは、一重のヤマブキ(Kerria japonica)の花びらです。ヤマブキは一重が基本形ですが、バンクーバーあたりで植えられているのは、ほとんど八重のものです。

ヤマブキも?

2023.04.10撮影

この画像では、異なる3段階の色調を見ることができます。赤っぽいのが若い花、日数が経過するにつれ、だんだん青くなります。他は、まだ開いていないツボミです。

ヒメムラサキ属(Pulmonaria)に限らず、ムラサキ科(Boraginaceae)に属する花の多くは、ツボミや咲き始めはピンクで、後で青くなる、という傾向にあるようです。

2022.04.24撮影

ヒメムラサキ属の種は、どの種も、ひとつの個体に2種類の花が咲くそうです。雄花と雌花じゃないんです。形態が違う「だけ」。

ひとつは、メシベが長くオシベが短い(こちらが派手に見える)、もう一つは、メシベが短くオシベが長い。生物学的に、何か理由があるのかもしれません。昆虫に、オシベの長い方で花粉を集めてもらい、メシベの長い方で受粉させてもらう、ということでしょうか。

うちの「ナガバヒメムラサキ」を観察した限りでは、わたしには、どの花もみんな同じように見えます。うちに植わっている種が、園芸種であってそのような違いの消滅したものであるか、あるいは、わたしの観察が不十分なものだと思います。

花わたりが1cm程度の、地上20cmほどの高さのところで、多くは横を向いて咲いている花の中を覗きこんでメシベとオシベの長さを観察する、というのは、これは、、、虫眼鏡がいるなあ、、、

あるいは、マクロレンズで接写して、後で観察する、という手もあるが・・・そうなると、持っているけれどもほとんど使っていないカメラとレンズを引っ張り出すしかない・・・う、めんどくさ。

それでは、ヤマブキの花が咲きその花びらの散る中で咲く「ナガバヒメムラサキ」の姿をもう一度どうぞ。

2021.05.02撮影


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ヒメムラサキ(プルモナリア)1

2023年04月24日 08時00分00秒 | ムラサキ科
2022.03.24撮影

キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の花がひとしきり咲くと、まだそれらが咲き終わらないうちに、今度は、ムラサキ科(Boraginaceae)の花が咲き出します。青い花に続いて、また青い花が咲くわけです。

今日から、ムラサキ科の3属を取り上げたいと思います。
・ヒメムラサキ属(Pulmonaria)
・ルリジサ属(Borago)
・ワスレナグサ属(Myosotis)

2021.05.02撮影

今日と明日は、ヒメムラサキ属(Pulmonaria)から1種。

画像の植物は、ヒメムラサキ属のうちでも、Pulmonaria longifolia「長い葉のヒメムラサキ」です。花の青さと、葉の斑点模様が美しいヒメムラサキです。

和名 プルモナリア・ロンギフォリア(学名から)
ムラサキ科(Boraginaceae)ヒメムラサキ属(Pulmonaria
学名 Pulmonaria longifolia「長い葉のヒメムラサキ」
英名 Narrow-leaved lungwort「狭い葉の肺草」
別名 Longleaf lungwort「長い葉の肺草」

いつも思うんですけどね、和名。なんで、この場合なら、「ナガバヒメムラサキ(長葉姫紫)」ってつけられないのかしら。学名からカタカナにすることない。と言っても、言語のひとつでしかない英語からカタカナにするより、マシだけど。

そういう風潮、あるいは、安易さに抵抗して、以下では、この Pulmonaria longifolia を呼ぶのに、「ナガバヒメムラサキ」という名称を、勝手ながら、採用させていただきます。

2021.04.03撮影

「ナガバヒメムラサキ」は、「長い葉」とは言っても、そんなに長いわけではありません。英語の名称の「狭い葉」というのは、別種の葉に比べて狭い、ということです。では、なぜ、「長い葉」なんでしょう。

上の画像から見ても、葉が特に長いわけではありません。でも、「ナガバヒメムラサキ」は、その名に恥じず、葉が長くなるのです。ただし、それは、花後です。ぐんと伸びてきます。すみません、花後の葉の画像はありません。花にばかり気を取られて、反省。

次の画像は、ツボミが出てき出したころ。ほぼ真上から撮影しています。

2021.03.20撮影

「ナガバヒメムラサキ」は、葉を出した後、まずこのように花茎を伸ばして、その花茎の先にツボミをかためてつけます。この画像では、ツボミの塊が3つ見えます。

ツボミの外側は赤っぽく、葉っぱも赤い色で縁取られています。葉は厚めで、葉には最初から白い斑点模様がありまる。葉と花茎とツボミには、細かい毛がついています。

画像中、手前に向かって出ている葉で、白い模様のついていないものは、ヒメムラサキの葉ではなく、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)の葉です。

ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)1
ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)2

ヒメムラサキは半日陰を好み、ツルニチニチソウは日当たりを好みますが、ツルニチニチソウは半日陰でも生育できるので、このような混植が可能なのです。

2022.03.24撮影

ツボミのついた花茎は、伸び続けます。そして、最初のツボミを開くのですが、それは、「ピンク、桃色、赤紫」というような色調です。

ピンクではなく、オレンジ色っぽい赤のヒメムラサキもありますが、それは、この「ナガバヒメムラサキ」系の園芸種で、’Raspberry Splash’「ラズベリー・スプラッシュ」というものです。

白いヒメムラサキは、それは、今日取り上げている葉の長い(あるいは、狭い)Pulmonaria longifolia ではなく、葉が幅広である Pulmonaria officinalis「薬用・食用のヒメムラサキ」の 'Sissinghurst White' という園芸種です。

なお、Pulmonaria の pulmo というのは、臓器の「肺」のことです。Pulmonaria の斑点のついた葉が肺のように見える(とされた)ことと、薬用に、特に、肺の病気に用いられたことによります。


2023.04.11撮影

上は、白花のヒメムラサキです。よそのうちの庭にあったのを撮影したので確証はありませんが、Pulmonaria officinalis 'Sissinghurst White' だと思われます。よそのうちの植物を撮影する時には、太陽の当たり具合に贅沢が言っていられないので、光の当たり過ぎた画像となりました。花の様子が判然としなかったので、フォトショップみたいなもので明るさを調節し、トリミングもしました。(わたしは、トリミングはたまにしますが、画像の調節をすることはまずはありません。)これでガクについた毛も見えますか。

明日につづく。


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瑠璃色の花を、サラダにいかが?

2022年09月19日 08時47分33秒 | ムラサキ科
2012.05.16撮影

この画像は、わたし自身が撮影して、そして、気に入って、花の部分だけを切り取って、長い間、自分のデスクトップ・コンピュータの「壁紙」に使っていたものです。

このように青い色は、わたしは文句なしにきれいだ、と思うんです。前にご紹介したルリハコベ(瑠璃繁縷 Lysimachia monelli)なんかもそうです。


今日のこの青い花は、ムラサキ科(Boraginaceae)ルリジサ属(Borago)のルリジサ(瑠璃苣 Borago officinalis)です。ムラサキ科には、青い花のものが多いです。「ムラサキ(紫)」「ルリ(瑠璃)」と名称が青色ずくめですね。


和名の「ルリジサ」の「ジサ」は、「レタス」を意味する「ちさ」からきています。白い汁が出るので「乳草(ちちくさ)」、それが略され「ちさ」、「ちさ」が「るり」に後続し「(るり)ぢさ」、仮名遣い改め「るりじさ」、植物名なのでカタカナにして「ルリジサ」、ということです。なお、レタス(Lactuca sativa)の和名は、「ちさ」から来るチシャです。


次のルリジサの画像では、花の色が2色見えます。ピンクのは、まだ開き切っていない若い花です。ツボミからのぞいている花びらもピンクです。花は、成熟するにつれて青くなります。また、ガクや花茎が毛におおわれているのもご覧ください。

2021.06.25撮影

ルリジサ(Borago officinalis)がハーブ(香草、薬草)であることは、学名にも反映されています。種小名の officinalis は、薬用や料理用として長らく使われてきた植物にだけ、つけられます。例えば、キンセンカ(金盞花 Calendula officinalis)。


次の画像でも、ピンクの花と青い花がが見えます。葉にも毛があるのが見えますでしょうか。ルリジサは、花以外、全草に毛がついているんです。でも、葉を食用にするとき、この毛は気になりません。若い葉を使うし、特に、小さく切ったり熱を通したりするので。

2022.09.09撮影

ルリジサの若い葉の利用の仕方
・サラダに入れる
・ドレッシングやソースに入れる
・ブーケ・ガルニの一部として使う
・他の青菜と同じように使う

ルリジサの花の利用の仕方
・サラダに散らす
・冷たい飲み物に入れる
・製氷皿に入れ水を注ぎ、そのまま凍らせて、凍ったものを飲み物に入れる
・ゼリーに入れる
・デザートの飾りに使う

それで、肝心な味なんですか、キュウリみたいなものです。でも、ちょっと一癖ありますから、好き嫌いが分かれるか、とは思います。ただ、花なら、食べずに、きれいな飾りとして目で楽しむだけにしておくこともできます。

2021.08.25撮影

上の画像は、雨の日にルリジサを上方から撮影したものです。こんな感じで花茎が傘のように広がります。これは、それぞれのツボミや花が太陽を受けようとしているからでしょうか。

ルリジサの花は、特徴的ですね。開けば、花びらが反り上がります。花の色がピンクから青に変わるのはすでに述べました。オシベとメシベの部分が濃い紫色です。花茎が赤く、花の色と対照的です。ガクも赤く、花を裏から見ると、花びらと交互に色が変わります。

きれいですね。瑠璃色の花を、サラダにいかが? 一年草ですが、タネで自由に増えてくれます。

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