
2025.03.01撮影
今日は、めでたく、
・斑点つき
・延点(?)つき
・ソバカスつき
・脈つき
と続いてきましたオリエンタリス交雑種シリーズの最終回になりました。
今回は、
・緑色つき
です。
冒頭画像の花は、今年になって初めて咲いた花なんですよ。わたしが育てたわけじゃない。わたしの庭で、実生からここまで、勝手に成長してくれたんです。そう、3年? 4年? かかった?
この個体は、特に草丈が低いです。草丈が低いヘレボルス(Helleborus)が、地上近くに花を咲かせていると、わたしは感動します。この花のお顔を初めて拝見した時には、さらに、いたく感動いたしました。赤と緑の絶妙な組み合わせ!
ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)には、花弁(形態的には、ガクですけど)5枚のうちの2枚が、緑っぽいことがあります。ここまで咲き分けると、美しい!
ところで、今日の画像は、すべて、わたしの庭からです。

これは、10年ほど(以上?)もの間、わたしの庭で咲き続けてくれている古株。平均的な高さの株です。例年はもっと全体的に茶色っぽい赤なんですが、今年は、なぜか、緑が出ている花が多いです。
画像左上の花びらは、半分ガクへ「先祖返り」したようです。
次の花も、先ふたつのオリエンタリス交雑種と同じく、緑の花弁が2枚(と数えていいと思う)ついています。でも、模様も色も形も異なります。

2025.03.13撮影
この個体では、「ソバカス」が多く出ていて、それらがさらに重なり合った部分があります。また、透明の脈も見えます。
ヘレボルスの個々の花の「満開」というのは、オシベから花粉が出だした状態の時の花の様子です。ここまでの画像中の花は、まだ花粉は出ていないかな? ちょっと出ているかな? という段階。

2021.03.23撮影
これは、もう4年も前の画像なんですが、このような状態で「咲いている」ところを発見しました。ミヤマシキミ(Skimmia japonica)の影に隠れて、見落としていたのです。それで、ミヤマシキミは、下枝を払いました。
この状態は、すでに「咲き終わった」状態です。オシベも蜜腺も落ち、メシベの下部の子房がわずかに膨らんでいるか、膨らんでいないか、です。多分、受粉がうまくいかなかったのでしょう。
次の画像は、9日後の同個体の画像です。

2021.04.01撮影
こちらの画像の方の撮影時間が先の画像の撮影時間より1時間遅いので、その影響もありますが、花びら(=ガク)がくすんできているのがわかります。花がさらに古くなっている現象です。
花が「咲いていた」ときには、どんな花だったのでしょう。1年待つしかないのね・・・すると、翌年・・・

2022.03.13撮影
こんな花が咲きました。緑色が、花びらの中心部から花びらの先に向かって出ているのですね。古い花に比べて、やはり、色が明るいです。

2025.03.01撮影
この花の模様の特徴のひとつは、花の中央部に点々が集まっている、ということですが、緑色もきれいに「筋」のように出ています。緑、というより、黄緑ですが。

2025.03.06撮影
同様に、緑の「筋」が出ています。ここでは、以前の記事で述べました「延点」が、花びらの外側に向かうあたりでは、薄れたところがあるのが見えます、特に、画像左上。

2025.03.13撮影
放っておいてもいろいろ交雑してくれて、何が生まれてくるかわからない、おまけに、生まれてくるものが多様、というのが、オリエンタリス交雑種の魅力です。
ただ、単純な構造なので、園芸種を好まれる方には、物足りないかもしれませんけど・・・
自然交雑が続くと、2枚の花弁が、緑色になってきます。わたしは、そんな花(例えば、冒頭画像)は美しいと思うのですが、園芸的には(つまり、販売するには)優秀な形質ではない、とされます。
でも、その緑色の出方ですが、「優秀な形質」かどうかは、どの辺で線引きするのでしょう。花びらの中心部に出るのは、いい? 花びらに縦に走るのは、いい? 例えば、直前の画像の花なんか、どう? 色も点のつき方もきれいだと思うけど。
わたしの庭のオリエンタリス交雑種は、まだまだたくさんあります。またの機会にご紹介することにします。