カラスといちごとクロッカスと

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個人の目をとおしてお届けします。

最後のツタの一葉

2022年10月31日 08時57分46秒 | ツタ
2021.08.05撮影

しっかりした色、形、厚み、の葉のツタです。英語で Ivy「アイヴィー」とだけ言えば、これを指します。まだ若い葉には、独特の白い筋がきれいに出ます。

学名 Hedera helix
和名 セイヨウキヅタ(西洋蔦)
別名 フユヅタ(冬蔦)
英名1 Common ivy「普通のありきたりなツタ」
英名2 English ivy「イングランドのツタ」
英名3 European ivy「ヨーロッパのツタ」
英名4 Ivy「ツタ」
ウコギ科(五加木科 Araliaceae)キヅタ属(木蔦属 Hedera)

原産はヨーロッパから西アジアにかけてです。

ヨーロッパ人であるイギリス人が、植物学的に分布がどうの、なんて知らなくて、ヨーロッパを見たらいっぱいあるので、このツタを European ivy「ヨーロッパのツタ」と呼んだのは、理解できます。西アジア(トルコやイラン)など、思いにも浮かばなかったんでしょう。

でも、ヨーロッパの中で特にイングランドに多いわけでもないのに、また、英語を話す(アイルランド語に加え)隣の島(アイルランド)にも自然に生えているのに、このツタを、なぜ English ivy「イングランドのツタ」と呼ぶか。自己チューすぎるんじゃない?

Hedera helix(英文+画像)

セイヨウキヅタ

2021.08.05撮影

このツタは、建物、塀、木、などに、美観を提供するものとして、よくはわせます。

建物にはわせると、屋内が夏は涼しく、冬は暖気を逃さない、外壁を雨風から守る、等とされ、奨励されることもありますが、箒のような形をした「足」(=根)を出して、ものにしがみついていくので、レンガやトイに被害を与えることがあります。

自然界では、花は多くの虫たちにミツを提供し、実(ベリー)は鳥たちの食糧となります。葉は、多くの小動物の隠れ家となり、シカも食べます。

以下のサイトの画像で、花と実をお確かめください。黄色っぽいのが花です。

Ivy (Hedera helix)(英文+画像)

根は、わたしの上の画像の真ん中あたりにちょろっと見えているのですが、このセイヨウキヅタの個体は、大変若いので、根の部分がまだおどろおどろしくありません。成長した根の姿は、次のリンク先でお確かめください。

Stems with rootlets used to cling to walls and tree trunks(画像)

もし成長したセイヨウキヅタを取り除きたいとなると、それはそれは大変な作業をすることになります。

2006.03.12撮影

上の画像は、まだ若い実です。熟すと、紫がかった黒になります。この実を食べた鳥さんたちがタネを拡散をしてくれることになります。

ところで、セイヨウキヅタは常緑です。冬でも緑なので、フユヅタ(冬蔦)とも呼ばれます。

え、そんな・・・

オー・ヘンリーの短編小説『最後の一葉』では、ツタの葉っぱが散っていくじゃないですか。え? セイヨウヅタは、今、常緑って・・・じゃあ、あの葉っぱはツタの葉じゃないの? あ、あれもツタの葉。というか、こちらの方が本物のツタ。

『最後の一葉』に出てくるツタは、以下の画像のようなツタです。
2012.10.09撮影

学名 Parthenocissus tricuspidata
和名 ツタ(蔦)
別名 ナツヅタ(夏にしか葉がないので「夏蔦」)
英名1 Boston ivy「ボストンのツタ」
英名2 Japanese ivy「日本のツタ」
英名3 Japanese creeper「日本のツル」
ブドウ科(Vitaceae)ツタ属(Parthenocissus)

原産地は東アジアで、西アジアからヨーロッパにかけてのセイヨウキヅタ(Hedera helix)とは、きっちりと棲み分けができています。と言っても、現在は、両者とも世界中に広がっていますが。でもねえ、東アジア原産のものを、なんで「ボストン(アメリカの都市の名前)の」なんて言うの?

ツタ

2012.10.09撮影

今日の植物2種を、並べてみます。

セイヨウキヅタウコギ科(Araliaceae)キヅタ属(Hedera)
セイヨウキヅタ(Hedera helix)
Ivy「ツタ」
* 植物学的には、ツタではない

ブドウ科(Vitaceae)ツタ属(Parthenocissus)
ツタ(Parthenocissus tricuspidata)
Boston ivy「ボストンのツタ」
* こちらが、本物のツタ

紅葉し出して間もなくのツタの葉を、もう少し。成熟したツルなら、見事なんですが、これはまだ若いツル。

2012.10.09撮影
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ブルースター・クリーパー(グランドカバー)

2022年10月30日 08時58分30秒 | キキョウ科
2022.06.12撮影

今日も、もう一度、あまり広くは知られていないか、と思われる植物をご紹介します。

表題に「ブルースター・クリーパー」という名前を使っておきましたが、これは、英名がいくつかあるうちのひとつをカタカナにしたものです。

学名 Lobelia pedunculata
別学名 Pratia pedunculata
和名 学名をカタカナにしたものしかないもよう「ロベリア・ペドゥンクラータ」
英名 Blue star creeper
キキョウ科(Campanulaceae)ミゾカクシ属(Lobelia

以下にも、和名は載っていず、「ロベリア・ペドゥンクラータ」とされています。

ミゾカクシ属

2022.06.24撮影

ロベリアというと、下の3弁が大きく、上の2弁は小さい、よく夏に育てる草丈の低い花を思い出すかもしれません。その夏の花壇や鉢を彩るロベリアは、和名がルリミゾカクシ、学名が Lobelia erinus。園芸的には1年草と扱うことが多いですが、原産地の亜熱帯では多年草。

ルリミゾカクシ

ルリミゾカクシと「ロベリア・ペドゥンクラータ」の花を間近に見て比べてみましょう。

次の画像をぜひご覧ください。ルリミゾカクシの大写し画像です。

L. erinus の瑠璃色のもの

このルリミゾカクシの画像を、次の「ロベリア・ペドゥンクラータ」の拡大画像とお比べになってみてください。

こういうふうに比べてみると、両者はかなり似ていますね。特に、花の中央の感じと、ツボミの出方。

2022.06.12撮影

うちにある「ロベリア・ペドゥンクラータ」が、原種(Lobelia pedunculata)か、ひとつあるとされる変種(Lobelia pedunculata var. Almanda Blue)か、あるいは、園芸種(Lobelia pedunculata ‘County Park’)か、はわかりません。うちのは、このように、先は尖っていても、丸みを帯びた花びらで、筋は、スミレ色。

ここまでの画像は、みんな、今年購入した新しい株で、南向きの庭に植えてあります。夏のうちは、こんもりと成長しました。花の終わった後は、ぐんと広がりました。

北側の庭には、前から別の株があります。南側の株のようにこんもりとは茂りませんが、元気です。ちゃんと花は咲いてくれます。そして、花が終わってからの方が、茎がよく成長して、葉が多くなります。この上を歩いても、平気。2枚続けて、花の時期のと花が終わってからのを、どうぞ。

2021.06.30撮影

2022.09.10撮影

南側のは、通り道にしているところまではみ出してきて、仕方ないので、その上を普通に歩きますが、それでも、次の画像程度にしか傷んでいません。確かに踏まれたというのはわかりますけど。

2022.10.19撮影

ところで、「ロベリア・ペドゥンクラータ」は、オーストラリアが原産です。それなのに、中国語の名前は、「新西兰半边莲」(簡体文字)、「新西蘭半邊蓮」(繁体文字)。意味は、「ニュージーランドのロベリア」。これ、いくらなんでも、オーストラリアに失礼じゃ?

新西兰半边莲

グランドカバーに使える植物について、1週間以上、6種について書いてきました。さらにグランドカバーについてはまたの機会に、ということにいたします。


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ミツバタネツケバナ(グランドカバー)

2022年10月29日 09時01分22秒 | アブラナ科
2022.03.29撮影

今日と明日は、あまり広くは知られていないのではないか、とわたしが勝手に思っている植物をご紹介します。

今日の植物は、グランドカバーの種類をもっと増やそうと思って、植物屋さんで物色していた時、見つけたものです。うちの北側の庭が、陰になりつつあった時で、陰に強い、というので、求めました。

名前は、ラベルが付いていなかったので、わかりませんでしたが、まあ、アブラナ科だろう、食料にするクレソン(オランダガラシ Nasturtium officinale)みたいなもんだろう、と思っていました。

2022.03.24撮影

買おうとしているときには、次の特徴が気に入りました。
・花軸が赤っぽい
・花軸がスッと伸びている(15〜20センチくらい)
・花(1.5センチくらい)が花軸の上でいくつも咲いている
・花びら(4枚)がややひらひらしている
・葉は地上に低いところに留まる
・葉が濃い緑である
・葉の三つ葉が花軸と対照的でかわいい

花の拡大したのと、葉の拡大したのをご覧ください。花からオシベがのぞいています。葉は厚めで平べったくありません。

2022.03.29撮影

2022.03.24撮影

育て出してから気に入ったことは、
・春の球根の花とほぼ同時期に咲く
・花期が長い
・花が終わった後のタネの姿も魅力的
・常緑である

わたしは、冬の間、マルチや落ち葉を庭に敷いておくのですが、春になると少しずつ取りのぞきます。以下の画像では、まだ落ち葉を取りのぞいていない時期に、すでにこのカラシみたいな花が咲いているところです。

2021.03.30撮影

画像にいっしょに写っている青紫の花は、日本では、「チノドクサ」とか「シラー」と呼ばれているみたいですが、わたしは日本に住んでいないので知りません。

学名 Scilla forbesii
別学名 Chinodoxa forbesii
和名 学名をカタカナにしたものしかないもよう
英名 Glory-of-the-snow
キジカクシ科(Asparagaceae)スキラ属(Scilla)

このスキラ(シラー)属の花は、春一番に咲くスノードロップ(Galanthus nivalis)の後に、他の紫の花に先立って咲きます。この「スキラ・フォルベシイ」は、放っておいても、いくらでも増えてくれます。庭中、あちこちに出てきます。

2022.03.24撮影

とにかく、名前がわからない。隣のおばさんは、植物について詳しいんです。それで、聞いたんですが、おばさんもわからない。

おばさんもこの花を気に入って、増えたらおすそ分けをすることを約束させられましたが、これは困った。この植物、増えるのが極端に遅いんです。

名前のわからない状態が何年も続いた挙句、ついに、次のサイトを見つけて、検索しました。

このサイトは、前にもご紹介しましたが、そして、日本語のサイトも別にあるのだろうとは思いますが、もう一度紹介しておきます。画像をドロップボックスに入れるだけ。結果は学名と英語で出てきますから、学名を手がかりに和名を探せばいいです。

Pl@ntNet

2022.03.24撮影

学名 Cardamine trifolia
和名 ないもよう「ミツバタネツケバナ」
英名 Three-leaved bittercress「ミツバニガガラシ」(bitter「苦い」)
アブラナ科(Brassicaceae)タネツケバナ属(Cardamine)

この花は、日陰の庭のあるナマケモノのわたしにはうってつけ。光が当たらなくていい、どんな土でもいい、霜に強い、寒さに強い、暑さに強い、水もあまり要らない、常緑、魅力的な花、ミツバチさんたちにミツを提供する、苦い(bittercress)のでシカやウサギの食害なし。

今日の記事の一部は、次のリンク先などの情報を参照しました。

Cardamine trifolia
https://www.countryfarmperennials.com.au/product/cardamine-trifolia-three-leaved-bittercress/

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ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)2

2022年10月28日 16時05分52秒 | キョウチクトウ科
2022.04.24撮影

昨日に続き、ヴィンカについて。

ツルニチニチソウ、ヒメツルニチニチソウ、は、大きいか小さいかの違いこそあれ、ひとまとめにヴィンカと呼んでもいいんですが、ヒメツルニチニチソウ(「ヒメ」の方です)にだけ、特別な効能があります! 

“The leaves of the lesser periwinkle, if eaten by man and wife together,
will cause love between them”
「ヒメツルニチニチソウの葉は、夫と妻がいっしょに食べたら、
ふたりの間に愛を引き起こす。」

というような、夫と妻の間には、そもそも愛がないような効能があるんだそうです。「いっしょに食べる」というのがちょっと曖昧なんですが・・・

THE LESSER PERIWINKLE; THE LOVE POTIONS OF LADY WILDE,
MRS. WHISKEYMAN, AND OTHER LOCAL WITCHES

冒頭の画像は、昨日もご紹介した画像なんですが、ツルの伸びた先をご覧ください。若い葉が、上を向いて、春の命が感じられます。こんな部分をツルごと取って、ツルを絡み合わせて、食べるのでしょうか。

この効能は、ツルが絡んでいくから、らしいんですが、ヒメツルニチニチソウのツルは、茎が長いだけみたいなもので、そんなに絡むものではありません。ただ、それぞれの茎が好き勝手な方向に伸びて覆いかぶさっていくので、結果的にほぐれない、というだけ。

それにしても、なぜ「ヒメ」でない方には、この効能がない? 多分「ヒメ」の方がイングランドのどこででも見られる種だった? それで、俗信が生まれやすかった?

2022.09.10撮影

葉は、夏から秋になると、上の画像のように被さりあいます。その上を歩いても、それほど葉は傷みません。と言っても、わたしは抜き足差し足ですが。

この画像には、丸い葉っぱのコバンコナスビ(Lysimachia nummularia)もツルを伸ばしているのが見えます。コバンコナスビは地をびっしりと這いますが、ヴィンカはその上を覆いかぶさるようにして伸びていきます。
ツルニチニチソウ(Vinca major)、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)、の違いを簡単にまとめておきます。

ツルニチニチソウ(Vinca major)
・全体的に大きい
・這い上る性質
・葉の縁に毛がある(以下のリンクの画像を参照ください)

ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)
・全体的に小さい
・地上のものの上を覆っていく性質
・葉の縁に毛がない(以下のリンクの画像を参照ください)

Leaf margins for comparison; Vinca minor above, Vinca major below;
note hairless margin of V. minor, hairy margin of V. major.(画像)

2022.05.04撮影

ヴィンカの英名は、periwinkle「ペリウィンクル」です。植物の方は青いのから赤紫まで花の色に幅がありますが、periwinkle という語が色名に使われるときには、特定の色 very light purplish blue(大変薄い紫がかった青)を指します。以下で色をお確かめください。

Shades of blue (Periwinkle)(英文+画像)

なお、ブログで文句を垂れても仕方ないが、同じWikipediaの記事でも、次のページの色見本と色を特定する数値は間違っています。

Periwinkle (color)

2022.05.25撮影

おもしろいのは、このヴィンカの英名 periwinkle は、植物とその花の色から派生した色の名前以外に、指すものがある、ということ。ヨーロッパ・タマキビ(Littorina littorea)という、大きさ30〜50ミリの巻き貝。潮間帯(潮の満ち引きにより、露出したり海底になったりするところ)に住んで、藻類を主にエサにしているそうです。

ヨーロッパ・タマキビ(Littorina littorea)

スコットランドでよく取れて、美味しいそうですよ。ちゃんと商業ベースに乗っているそうです。

Common periwinkle(英文+画像)

シェークスピアの劇に出てきて、シェークピア自身も食べたんじゃないかな?

以下のリンク先の
3. Periwinkles
の画像をご覧ください。

10 Foods From Shakespeare’s Plays That
Shhakespeare (Probably) ate Himself(英文+画像)

2021.05.28撮影

わたし自身は、英語で生活しているせいか、periwinkle という名前が好きです。上の画像の花の色はいかがでしょうか。

画像の右上にでっかく出ているのは、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)(いわゆる「クリスマス・ローズ」)が、ガク(花びらのように見える)をまだつけたまま、タネの「袋」を形成しているところです。この「袋」の中に多くの種子ができます。時季が来ると、ポロポロこぼれます。みなさんに、お分けしたいぐらいです〜〜。うちは、ヘレボルスが100本以上あります。(あ、自慢!)

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ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)1

2022年10月27日 00時34分46秒 | キョウチクトウ科
2021.04.12撮影

今日のグランドカバーは、ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草 Vinca minor)です。大きさが違う「だけ」という感じのツルニチニチソウ(蔓日々草 Vinca major)もあります。小さい方に「ヒメ(姫)」がついています。

学名 Vinca major
和名 ツルニチニチソウ(蔓日々草)
英名 Greater periwinkle「大きい方のペリウィンクル」
キョウチクトウ科(Apocynaceae)ツルニチニチソウ属(Vinca
花の大きさ 3〜5センチ

学名 Vinca minor
和名 ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)
英名 Lesser periwinkle「小さい方のペリウィンクル」
キョウチクトウ科(Apocynaceae)ツルニチニチソウ属(Vinca
花の大きさ 2〜3センチ

使用の画像は、全て、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)のものです。理由は、単に、うちにあるのは「ヒメ」の方だからです。

2022.09.10撮影

ツルニチニチソウ、ヒメツルニチニチソウは、花が咲いている時に上を歩くと花が傷むので、歩くのは憚られますが、葉だけの時には、歩いても大丈夫です。常緑で、ありがたいです。

葉は、斑入りのものもあります。白の斑は、葉の外縁に、黄色い斑は葉の内側に出るようです。たまたま、園芸種がそうなっているのでしょうか。以下のサイトに両方の画像が出ています。

Vinca: Periwinkle(英文+画像)

冒頭の画像から、葉の斑入りの部分を拡大します。花びらの真後ろに写っているのは、クルマバソウ(Galium odoratum)の花の咲く前の姿です。

2021.04.12撮影

花の色は、すみれ色、青、青紫、紫、赤紫、という色調です。園芸種には、薄い青色や白のものもあります。上の画像(<冒頭の画像)の花の色は、薄めです。

2021.04.12撮影

ツルニチニチソウ、ヒメツルニチニチソウ、と書くと、目がくらくらするので、両方を代表して、以下、学名の属名(Vinca)から、ヴィンカと呼びます。

上の画像は、春先のものなので、ツルが上へ伸びようとしています。ツルと言っても、巻きつくことはなく、伸びたものが土に触れると、そこが根づきます。

画像中手前に見える葉っぱは、セイヨウジュウニヒトエ(Ajuga reptans)のものです。わたしは、このように、グランドカバーを混植しています。気候条件で何かが緑ではないだろうか、と企んでいるわけです。

以下の画像でも、新しいツルがツンツンと出ています。

画像中、左側のギザギザのある葉は、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)、いわゆる「クリスマス・ローズ」、の若い葉です。(実は、ヘレボルス・オリエンタリスは、本物のクリスマス・ローズではないのですが、それはまたいつか。)

画像の右奥に写っている、青と赤っぽい花は、ヒメムラサキの1種(Pulmonaria longifolia)です。

2022.04.24撮影

ヴィンカは、5枚の花びらが平たく開くのではなく、プロペラ状に花びらが反って(そって)います。そして、中央が凹んでいるのですが、単に凹むだけでなく、その前に、まず盛り上がります。

次の拡大画像でお確かめください。白いぼかしも入ってきれいですね。

2022.05.04撮影

次の画像では、ヴィンカが「障害物」を乗り越えて伸びていっているのが見えます。文字通りの「カバー」なんです。ここでの「障害物」は、アジサイ(紫陽花 Hydrangea macrophylla)の切り株です。(ふ〜〜む、切り方が雑だなあ、反省。)

2022.04.24撮影

次の画像では、ヴィンカが、木の幹に沿って伸びているのが見えます。でも、巻きつくわけでもなく、足を出してしがみつくわけでもなく、単に成長できるところまで伸びるだけです。

ところで、画像左手に、ヴィンカの大きい葉が写っていますが、これは、左側に2本見える軸から出ているのではありません。この2本は、ピンクのジャスミン(Jasminum polyanthum)で、わたしがこの木、モミジバフウ(紅葉葉 Liquidambar styraciflua)に巻きつけてあるのです。ジャスミンは、所構わず巻きついていくので、それを勘弁願うために、木に誘導したのです。

2021.04.29撮影

明日に続きます。

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オレゴンのカタバミ(グランドカバー)2

2022年10月26日 04時41分05秒 | カタバミ科
撮影日、不明

日陰を好む「オレゴンのカタバミ」Oxalis oregana は、直射日光が当たると、小葉を下に向けてたたみます。

冒頭のカタバミは、モンカタバミ(紋片喰 Oxalis tetraphylla)です。このカタバミも、「オレゴンのカタバミ」同様、直射日光下では、小葉をたたむようです。ただ、モンカタバミは元々日向を好むようで、そのため、葉のたたまれかたがこの程度なのかもしれません。

学名 Oxalis tetraphylla
和名 モンカタバミ(紋片喰)
英名 Four-leaf sorrel「四つ葉のカタバミ」
カタバミ科(Oxalidaceae)カタバミ属(Oxalis)

モンカタバミは変わったカタバミで、普通、カタバミは小葉が3枚あるのに対し、これは、4枚あります。Oxalis tetraphylla の種小名 tetraphylla は、tetra「4」+ phylla「葉」です。以下の拡大画像でお確かめください。

撮影日、不明

カタバミは、どの種もいいグランドカバーになりますが、踏みつけて歩くところではなく、花壇の端の方とか植え付けの下とかが適しています。

また、モンカタバミのように派手な花の場合は、花壇の一品として優先されることもあるでしょう。

「オレゴンのカタバミ」に戻りますと、これも花がたいへんかわいらしいのですが、見過ごされがちで、葉の方が珍重されます。でも、花をもう一度ご覧ください。

2021.04.29撮影

花の径は2センチほど。花びら、5枚。花弁の先がややいびつなところが、かえって可憐です。赤紫の筋もきれい。花びらの根本にある黄色い印も、微笑ましい。中央から10本外に向かって飛び出ているものは、オシベ。風車(かざぐるま)みたいで、かわゆいわあ。

次の画像では、「オレゴンのカタバミ」が植え込みの一部として使われているのをご覧ください。画像奥に見える葉は、ブリティッシュ・コロンビア州ではどこででも見られるシャクナゲ(石楠花 Rhododendron)。花の咲いているのは、ヤブイチゲ(Anemone nemorosa)の園芸種「ロビンソニアーナ」Anemone nemorosa ‘Robinsoniana’ 。画像の真ん中に、「オレゴンのカタバミ」が見えます。このようにびっしりと土地を覆ってしまいます。

Anemone nemorosa ‘Robinsoniana’ (Wood Anemone)(英文+画像)

2013.05.07撮影

上の画像と下の画像は、ブリティッシュ・コロンビア大学の付属植物園で撮影しました。

母がひとりで、父は日本でお留守番で、こちらへ遊びに来てくれて、このいい天気の日に、半日植物園で遊んできました。

次の画像でも、左奥にシャクナゲが見えます。ピンクの花も見えます。

「オレゴンのカタバミ」に混じって咲くのは、(白くても「ブルー」と呼ばれる)ブルーベル(Hyacinthoides)なんですが、これは、イングリッシュ(non-scripta)か、スパニッシュ(hispanica)か、、、見かけから、多分、両者の交雑種だと思います。イングリッシュは普通濃い青紫で、花軸がもっと垂れている。こいつら、自由恋愛するんですよ、スパニッシュの方がドミナントで。それで、イギリスでは、イングリッシュの純粋種がどんどんなくなりつつあります。

2013.05.07撮影

うちの「オレゴンのカタバミ」は、へへへ、お隣からやってきました。お隣のおばさんがくれたんでも、わたしが取ったんでもありませんよ。やってくればいいのになあ、と思っていたら、こちらに侵入してくれました。ありがとう〜〜

それ以来、移植して、増やしています。ほんとに丈夫な植物です。にま、にま。

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オレゴンのカタバミ(グランドカバー)1

2022年10月25日 06時30分39秒 | カタバミ科
2021.04.29撮影

グランドカバーになる植物の紹介を続けています。すでに、セイヨウジュウニヒトエ(Ranunculus repens)とクルマバソウ(Galium odoratum)をご紹介しました。

今日は、カタバミ属の植物のうち、ブリティッシュ・コロンビア州で普通に見られる種「オレゴンのカタバミ」(Oxalis oregana)を。

その前に、冒頭の画像には少なくとも5種類の植物の葉が写っていますので、そこを整理しておきます。

・ギザギザ・トゲトゲの葉:「オレゴンのヒイラギナンテン」Mahonia aquifolium
・3枚小葉の葉(+花):「オレゴンのカタバミ」Oxalis oregana
・細くてピンとしている葉:ヒメツルニチニチソウ Vinca minor
・白色の斑点入りの葉:ヒメムラサキの1種 Pulmonaria longifolia
・切れ込みのある葉:ハイキンポウゲ Ranunculus repens

このうち、3メートルにもなる「オレゴンのヒイラギナンテン」をのぞき、すべてグランドカバーになります。ヒメツルニチニチソウについては、「オレゴンのカタバミ」の記事に続いて書きます。ヒメムラサキについては、いつか書きますが、ハイキンポウゲについては、すでに書きました。

ハイキンポウゲは、優秀なグランドカバーなんですが、西洋社会では嫌われ者で、芝生に出てくると、仇のようにほじくり返されるか、除草剤をぶっかけられます。

ハイキンポウゲ、ハイ?

2022.08.20撮影(「オレゴンのヒイラギナンテン」)

2022.09.10撮影(ヒメツルニチニチソウ)

2021.03.20撮影(ヒメムラサキの1種)

2021.06.21撮影(ハイキンポウゲ)

グランドカバー(土覆い)は、用途により、大体、次のように種類分けができます。

A 草丈が低いか、低く刈れ、かつ、上を歩いてもほとんど傷まない
・・・人間が活動するところに用いる(典型的には、芝生)

B 草丈が低いが、歩くとやや傷む
・・・比較的歩かないところに用いる

C 草丈が低いか、ある程度あり、歩くとかなり傷む
・・・歩かないところに用いる

D 草丈がその上を歩ける高さではない
・・・植え込みや花壇の一部とする

今日ご紹介のカタバミ属の植物は、Cになります。この種(Oxalis oregana)に限らず、カタバミ属の植物(Oxalis)はみんなグランドカバーになります。

学名 Oxalis oregana
和名 ないもよう
英名 Oregon oxalis「オレゴンのカタバミ」
別英名 Redwood sorrel「赤い木の酸い葉(スイバ)」
カタバミ科(Oxalidaceae)カタバミ属(Oxalis)

次のWikipediaの日本語版の「カタバミ属」についての記事には、この種が挙がっていないので、和名がない可能性が高いと思います。

カタバミ属

それでは、以下の画像で、三出複葉(さんしゅつふくよう)の3枚の小葉(しょうよう)の形と、そのそれぞれの小葉の真ん中に白っぽい模様が入るのを、再確認ください。

三出複葉

2022.06.24撮影

学名の Oxalis oregana の oregana は香草のオレガノ(oregano)には関係なくて、これは、アメリカのオレゴン州の Oregon から来ています。カナダのブリティッシュ・コロンビア州南部から、国境を北に越えて、アメリカのワシントン州、さらに南へ、オレゴン州、カリフォルニア州、にこのカタバミは分布します。英名の Oregon oxalis は学名の英語版です。と言うか、英語の名称が学名になったのでしょう。

別英名の Redwood sorrel の sorrel はスイバ(酸い葉 Rumex acetosa)のことです。 葉っぱを食べるとスイバのように酸っぱい、ということです。sorrel(スイバ)とは呼ばれても、sorrel(スイバ)ではありません。

スイバ

Redwood sorrel の redwoodは、直訳は「赤い木」ですが、それは、セコイア(Sequoia sempervirens)のことです。セコイアは、木肌が赤いので、「赤い木」と呼ばれます。オレゴン州を含む、アメリカ西海岸に自生します。大木に成長し、カリフォルニア州のレッドウッド国立公園の「名物」です。

セコイア

2022.06.24撮影

「オレゴンのカタバミ」の葉は、自然光量が低くても光合成を行います。よって、大木の下、日陰の庭、に最適。直射日光がなんらかの理由で当たると、葉は、下に傘をたたみ込んだようになります。陰ると、葉は再び開きます。目で観察することができるそうです。

Oxalis oregana(英文+画像、ただし、葉のたたまれたところの画像はなし)

上記の英語版Wikipediaには、ピンクっぽい花の画像しか出ていませんが、実際は、白っぽい花もたくさんあります。

明日に続きます。

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クルマバソウ(グランドカバー)

2022年10月24日 06時20分03秒 | アカネ科
2021.04.27撮影

学名 Galium odoratum
和名 クルマバソウ(車葉草)
英名 Sweet woodruff
アカネ科(Rubiaceae)ヤエムグラ属(Galium

クルマバソウ(Galium odoratum)です。和名があるので、ホッとしました。

和名がないような植物を紹介するときには、困るんです。そんな時は、学名や英名をカタカナにしたり(例:イヌラ・フッケリ)、できれば、説明的に訳したり(例:「モモバギキョウ」)、してみます。

真夏に涼やかな、キク科のイヌラ・フッケリ

モモバギキョウ、と呼んでいい?

クルマバソウ(車葉草)の葉は、葉が軸の周りに放射状に出ます。和名は、これを「車の葉」と捉えたものです。葉はやや光沢があります。冒頭の画像は、まだ葉が若い時で、緑と言っても、黄緑色にやや傾いています。この「車」が軸に段々につきます。

画像中、右上の赤いものは、原種のチューリップ(Tulipa)のツボミです。クルマバソウが20センチ(せいぜい、30センチ)ぐらいにしかならないので、原種チューリップの小ささがうかがえます。

それでは、次の画像で、花の詳細をご覧ください。ひとつひとつは、2〜5ミリ程度の小さな花です。花弁は4枚。

2022.05.09撮影

学名 Galium odoratum を見てみます。属名 Galium は、ギリシャ語の galion「ベッド用のわら」から来た新ラテン語で、galion は、多分、ヤエムグラ属(Galium)の一定の植物が gala「乳」をチーズとして固めるのに使われたため、であろう、とされます。

Galium(英英辞典)

種小名の odoratum は、「匂う」という意味です。英語の odor「匂い」と同語源です。ラテン語の方も、英語の方も、いい匂いと悪臭の両方を指します。

クルマバソウは、そのままではそれほど匂いませんが、つぶすといい匂いがします。その特性を活かし、中世ヨーロッパでは、土間や床にまき散らしました。その上を歩くと、いい匂いがするのです。

これは、体や住居の悪臭を隠蔽するためのものです。多くの種類の植物が使われました。その中には、虫よけなどの役に立つものもあります。おもしろいのは、干し草のような匂いがするものが好まれたことです。牧畜文化だなあ、と思いました。

花の固まって咲いているのを、どうぞ(次の画像)。

2021.05.11撮影

上の画像中、左にかたまって出ている葉はスノードロップ(Galanthus)の葉です。スノードロップの学名 GalanthusGala も「乳」です。花はずいぶん前に終わっているのですが、このように、葉を、「見苦しい」からと切り取らずに、残して、自然光に当てておくのが、球根を健康に保つために大切です。

画像右側には、1枚だけ、「秋ざきクロッカス」イヌサフラン(Colchicum autumnale)の大きな葉が写っています。この後、夏には葉が枯れ、秋に花が咲きます。

秋咲きクロッカスの色が・・・

英名の Sweet woodruff は、sweet は「甘い=いい匂い」、wood は「木(のように立っている)」、ruff はヨーロッパ人が首の周りにつけていた「襞襟(ひだえり)」です。これらを合わせ、Sweet woodruff は「いい匂いのする襞襟のようなものをつけて木のように立っている草」という意味でしょう。

襞襟

2022.05.25撮影

クルマバソウは、日陰でどんどん増えます。ですから、と言うとひどい言い方ですが、葉っぱの傷んだものは、どんどん取り去っていけばいいです。

また、上を歩いても、だいじょうぶ。倒れますけど、起き上がってきますから。踏みつけたところは、顔を近づけば、少しいい匂いがしますよ。芳香が漂ってくる、ほどではありません。

クルマバソウの茎、というか、軸というか、は、あれは、引っ張ってもすっぱりとは切れません。茎の外側は折り取れるんですが、茎の中を走っている、あれは、植物学的にはどういう名前なんでしょう、丈夫な太めの糸のようなものが残るんです。

上の画像で見えているハート型の葉は、ドクダミ(Houttuynia cordata)です。これもグランドカバーになりますが、歩く場所には作れません。

クルマバソウも、歩く場所よりも、木などの下に植えるといいです。また、春の球根植物が咲いた後に残る葉っぱの目隠しにも使えます。

2022.09.10撮影

上の画像は、秋口のクルマバソウです。葉っぱの緑が濃くなり、硬さも増しています。花は終わり、小さいタネがついています。タネは次のように拡大すると、見やすいですか。下の画像の左下が一番わかりやすいと思います。

あれ? 画像の真ん中より左手、なんだ、これは? 毛虫がいる? 他の植物のタネが引っかかっている?

2022.09.10撮影

では、セイヨウジュウニヒトエ(Ranunculus repens)とのツーショットをどうぞ。あ、クルマバソウさん、焦点、合ってないわね。ごめんなさい。

2022.05.29撮影

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セイヨウジュウニヒトエ:グランドカバー

2022年10月23日 08時13分03秒 | シソ科
2021.04.27撮影

カナダの戸建の家には、通常、前庭と裏庭があり、その両方に芝生が植わっています。新築を買えば、当然芝生はついてくるものだとされています。

でも、うちの庭では、芝生を少しずつですが、根ごとはがして、他の植物に植え替えてきました。はがした芝生は、コンポストにしました。

ただ、花や木を植えただけでは、土がむき出しで残るところがあります。そんな場所をおおうには、敷石にするか、玉石や砂利を入れるか、マルチを敷くか、グランドカバーを植えるしかない、と思います。うちでは、各種のグランドカバーの植物を植えてきました。

そのひとつが、上の画像のセイヨウジュウニヒトエ(Ranunculus repens)です。背景の大きな葉は、ヘレボルス・アルグティフォリウス(Helleborus argutifolius)の葉です。

次の画像は、セイヨウジュウニヒトエの花をやや大写しにしたものです。地上に近いところに咲いているので、どうしても、花が汚れることがあります。

2022.05.13撮影

学名 Ajuga reptans
和名 セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)
英名 Bugleweed
原産 ヨーロッパ
シソ科(Lamiaceae)キランソウ属(Ajuga)

花の色は、青、青紫、紫、すみれ色、ピンク、白、などの、濃淡。

2021.05.11撮影

うちの前庭(=玄関側の庭)は、家屋の北側になるので、元々、陰がちなところです。ですから、陰でも育つ植物を最初から植えてあるのですが、木がどんどん成長して、庭にますます陰が広がり、結果、前に植えた「日陰の植物」であるはずのものさえうまく育たなくなりました。

でも、このセイヨウジュウニヒトエは、大丈夫。かなりな陰でも育つという優れもの。うちのセイヨウジュウニヒトエは、その日陰で育っていて、葉は、次の画像のようなきれいな色です。

2022.09.10撮影

が、もっと陽の当たっているところで育てられているセイヨウジュウニヒトエの葉は、次のように紫が濃くなります(他所のおうちのです)。ただ、日向では、十分に水をやる必要があります。

2022.10.18撮影

セイヨウジュウニヒトエは、葉がびっしりと土を覆い、根が土をしっかり抱いて張っていくので、グランドカバーとして、最適。また、温暖な地域では、常緑です。それ、魅力ですね。でも、バンクーバーでは、残念ながら、寒すぎて、冬には葉が落ちます。

セイヨウジュウニヒトエは、花が咲いている時でも、花のない時でも、見た目のグランドカバーにはいいです。でも、芝生のように上を踏みつけて歩かれるのは、イヤみたいです。わたしは、なるべく避けて歩くか、やむをえず上を通る時には、そう〜〜っと歩きます。

2022.05.25撮影

そんなに何種類も異なる色のセイヨウジュウニヒトエを植えた記憶はないのですが、なぜか、いろいろな色で咲くような・・・自然交配して色が生み出されるのかしら。花粉は、ミツバチ、チョウ、ガ、によって媒介されるそうです。次の画像の花の色って、水色?

2021.05.01撮影

名称ですが、Ajuga reptans の種小名 reptans は、「這っている」という意味。ハイキンポウゲ(Ranunculus repens)の repens「這っている、這う」に通じます。また、英語で、reptile と言えば、「爬虫類」です。

ハイキンポウゲ、ハイ?

英語の名称はいろいろありますが、Bugleweed の bugle というのは、作りの簡単な、バルブ(弁、ピストン)のついていない金管楽器のことです。つまり、ラッパ。この楽器がセイヨウジュウニヒトエにどう関係あるのか、わたしにはさっぱりわかりません。

bugle

2022.05.25撮影

次の画像は、UBC(University of British Columbia ブリティッシュ・コロンビア大学)の植物園でずいぶん前に撮影した、花盛りのセイヨウジュウニヒトエ。見事ですね。

紫でも白っぽい花は、セイヨウジュウニヒトエではなく、スパニッシュ・ブルーベル(Hyacinthoides hispanica)か、スパニッシュ・ブルーベルと近縁のイングリッシュ・ブルーベルとの交雑種です。イングリッシュ・ブルーベル(Hyacinthoides non-scripta)でないのは、確かです。ブルーベルについては、またいつか書きます。

イングリッシュ・ブルーベル

2013.05.07撮影

以上の記事を書くにあたり、以下サイトの Ajuga reptans に関する記事を参照しました。

・Missouri Botanical Garden「ミズーリ植物園」
・gardenia.net(植物、庭づくり、などについて情報を出している非営利団体)
・Wikipedia英語版

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バンクーバーの散水制限

2022年10月22日 06時27分56秒 | カナダ
2022.09.10撮影

ああ、今朝(バンクーバー時間の金曜日の朝)、やっと雨が少し降りました。何日降らなかったことか。でも、しとしと、ぐらい。昼にはもういいお天気。植物にかかった雨水が乾くのを待って、夕方には庭仕事ができそうです。

上の画像は、お隣さんの芝生です。6週間ほど前のです。

手前の草は、オオバコ(Plantago asiatica)です。お隣さん、長期休暇に出たまま、芝生を放ったらかし。オオバコは、キンポウゲ(Ranunculus repens)と並び、これも、芝生好きの人には目の敵にされる雑草です。丈夫で、どんどん増えます。これ、常緑なので、グランドカバーにもってこい、とわたしなんかは思うんですけどね。

ハイキンポウゲ、ハイ?

この画像の木々の立っているところから向こうが、わたしのうちです。正確には、バンクーバー市の土地で、隣接(この画像では、左手奥)の土地の所有者が管理を委託されている土地です。画像の芝生の部分は、お隣さんが委託されている土地です。この、市の土地の委託については、またいつか書きます。

芝生の上に落ちている木の葉は、うちの木の葉か、あるいは、街路樹の葉です。このお宅は、木を全く植えていないので、ご本人たちの木の葉ではありません。宅地に木を植えないのは、市の条例に違反なのですが、このことについても、いつか書きます。

わたしのうちの反対側のお隣さんは、うちよりも木が多く、大きく、また、お庭をきれいに作っています。この人ですよ、キレンゲショウマを一抱えも育てている人は。

キレンゲショウマが・・・⑵

2022.10.21撮影

上の画像が、今日(寒くて震えながら)撮ったばかりの写真です。6週間前よりも、さらに芝生がカラカラで、茶色くなっています。

紅葉が始まっていますね〜〜。ナナカマド(Sorbus)だと思うのですが、まだ同定できていません。鳥さんが残していったものです。その左手に、大きな木が立っているのですが、これも鳥さんのプレゼントです。モミ(Abies)の1種だと思います。

ほぼ中央に何本も突っ立っている太くない幹は、これは、レンギョウ(Forsythia)のものです。画像の向きで言うと、手前に枝が突き出るのをお隣に嫌われるので、このように片面だけ伐採しています。見苦しいけど。

画像右上に、コデマリ(Spiraea cantoniensis)が歩道に向かって垂れているんですが、これは今日切り込みます。市に摘発されると、まず、警告。警告に従わないと、罰金ものです。前に一度警告された。下の画像は、そのユキヤナギの今朝の雨に濡れたところ。

2022.10.21撮影

バンクーバー市、および、近郊の市では、夏に散水制限があるのが普通です。そして、その制限が、毎年、厳しくなってきています。今年の制限は、こんな感じでした。これは、第1制限。

2022年のバンクーバー市の散水制限(5月1〜10月15日)

【住宅地の芝生】
散水機(スプリンクラーなど)を使用:午前5時〜午前7時
手で散水:午前6時〜午前9時
・住所が偶数の家:土曜日
・住所が奇数の家:日曜日

【木、花(芝生以外の庭、鉢植え)】
手で、あるいは、ドリップ式ホースで:時間制限なし、曜日制限なし
スプリンクラーで:午前5時〜午前9時、曜日制限なし

【野菜】
全く制限なし

第1制限の後、第2制限、第3制限、そして、緊急事態制限4と続くのですが、第2制限になったことは記憶にあるような、ないような・・・第2制限から、芝生の水やりは全く禁止されます。

さあて、散水制限の10月15日を過ぎて、自由に水やりするぞ〜〜、と思いきや、なんと、制限が月末まで伸ばされた。これ、わたしは、どのようにして知った? ブログ記事を書くために情報を集めようと、5日ほど前に、たまたま市のサイトへ行ったからです。そうしていなかったら、知らずに? 市は、一体、どのようにして広報活動をしているのか。

今日雨が降った、そして、今後1週間は雨の天気予報が出ている、と言っても、降雨量は十分でなく、この散水制限は、まだ解除されていません。

2022.09.10撮影

うちは、芝生がありません。家を購入すると、戸建ての場合、芝生が前庭と裏庭に必ず植わっています。その芝生を、うちでは、何年もかけて、コツコツ取り除きました。取り除いたところに他の植物を植えていったのです。

そして、いわゆる「花」や木を植えないところには、グランドカバーを植えていきました。例えば、上の画像のようなセイヨウジュウニヒトエ(Ranunculus repens)。うふっ、手前にオオバコの葉が見えますわん。抜かなくては、よそ様に見つかると、にらまれます〜〜。

グランドカバーに使う植物でも、きれいな花を咲かせるものはたくさんあります。このせイヨウジュウニヒトエなんかもそうです。この画像の時期には、花がありませんが。

お隣に限らず、芝生は、下の画像のように、こんな状態が年に最低4ヶ月ぐらい続きます。こんな状態で、それでも、芝生を維持したいんでしょうか。芝生がきれいな冬は、バンクーバーじゃ外で遊べるほど暖かくないのよ。それなら、夏場に上の画像のように庭が青々している方が、わたしは、いいと思う。人ぞれぞれですね、考え方は。

2022.09.10撮影

芝生の上に落っこちているカエデのような形の葉っぱは、うちのモミジバフウ(Liquidambar styraciflua)。お隣さん、ごめんなさい、あなたが木の葉っぱが嫌いなの、知っているのよ。後で拾いに行きます。数日前に始めた境の木々の剪定、もうすぐ終わりますからね。

モミジバフウでいい感じの、カラスのご夫婦

今日の締めくくりとして、季節の推移を感じさせる画像を1枚どうぞ。これは、サザンカ(Camellia sasanqua)のつぼみです。画像には、ツボミが3つ写っています。

画像左手上は、ヤマブキ(Kerria japonica)の葉です。

2022.10.21撮影

明日からしばらくグランドカバーに使われる植物について書いてみます。

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