カラスといちごとクロッカスと

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個人の目をとおしてお届けします。

紅筋ヤマユリ、救出作戦

2024年08月30日 08時00分00秒 | わたしの庭

2024.06.10撮影

冒頭画像は、ヤマユリLilium auratumのツボミです。ヤマユリは、通常、白地の花びらに黄色の筋がつきます。学名の種小名 auratum は、「黄色く飾られた」という意味。ところが! わたしの庭のヤマユリは、赤い筋、紅筋(べにすじ)であります!

去年の秋に植えつけたばかりで、この夏は、花が咲くのを楽しみにしていました。なぜかツボミの期間が長くて、花が咲くのを、待って、待って、していたんですよ。

そんな時に起こったのが、例の「事件」。

第二の「事件」現場を、もう一度掲載します。

2024.07.15撮影

この画像中、右側に2本立っている丈夫そうな茎が、次のユリです。このユリは、系統的には、オリエンタルとトランペットの交配種オリエンペットですが、品種名までは定かではありません。

見事でしょう? えへん! 庭中すごい匂いになります。

2024.07.23撮影

「事件」現場の写真をもう一度見ていただくと、オリエンペット・リリーの左側に、クルマユリ(Lilium medeoloides)の茎が見えます。葉っぱが放射状に(=「車」状に)出ている茎です。画像中はっきりと見えるのは、1本ですが、実は、色違いで合計3本あります。

次のような花(他に、2色)が咲きました。「事件」の時には、花は終っています。

2024.06.24撮影

さて、このクルマユリの立っている左側、どう見ても「はげて」いる。と、分かった時点で、クルマユリの横に植っていたヤマユリはどこへ行った??? とパニクり出しました。

よ〜く地面を見てみると、2本とも、ベッタリと倒れているではありませんか(これは、画像に写っていません、画像は後日撮ったので)。なぜ今まで気づかなかった??? 気づいたのは、「事件」発見からすでに数日後。先の時には、クルマユリは立っていた? 同じ場所で「事件」が2回続けて起こった? とにかく、いつ倒れたかわからない。

倒れたクルマユリに恐る恐る触ってみると、完全に根本から折れていて、簡単に拾い上げられてしまいました。そんなあああ、咲くのを楽しみにしていたのに。ツボミは硬いまま。でも、不思議なことに、全くしおれていない。と言うことは、折れてすぐ?

どうする? 意地でも花の咲くのを見てやる! と、屋内に取り込み、花瓶に指し、直射日光の当たらないところへ置きました。

ところが、ツボミが全然大きくならない。このまま、花は見られないのか・・・、はたっと思いついたのは、太陽に当てないとツボミは発達しないのではないか、と。

それで、南の窓辺へ移動させました。すると、


2024.07.24撮影

うふふ、こういう紅筋だったのね。

と、ニコニコ顔で庭を散策していると(というより、ジャングル庭の植物をかき分け、かき分け、歩を進めていると)、第三の「事件」現場に行き当たった。わたしが通り道にしている小道の一部が、左右になぎ倒されていました。ここまで来ると、あまり感情が動かなくなり、むしろ、犯人が微笑ましく思えてきました。

折れている茎が数本あったのですが、その中から、まだツボミのついているヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva var. kwanso)を1本拾い上げ、ヤマユリの花瓶に入れ足しました。ヤブカンゾウの茎って、硬いですよね。それを折り切っているのですから、かなりな力です。

次の画像に写っているヤブカンゾウは、この窓辺で花がいくつか開いてしぼんだ後、最後のツボミが咲いたところです。屋内のためか、ちょっと頼りない形にしか咲きませんでした。

2024.07.28撮影

ヤマユリは、次の画像のように、屋内で数週間咲き続けてくれました。心配なのは、地上部がなくなって、太陽からの栄養補給することのできない、地中に残された「百合根」です。生き延びてくれるかどうかは、来年まで辛抱強く待つしかありません。

2024.07.31撮影

さてさて、犯人はだれだ。「はげて」いる広さと、植物をなぎ倒す力と、そして、その辺に立ち込める鼻をつくほどの獣臭から、次のお方だとにらんでいます。ネコでは、体重が軽すぎ、体積も小さすぎる、と思います。そして、ネコってあんな臭い(におい)しないよね?

2023.10.26撮影

これは、だ〜れだ? うちの裏口で遊んでいるアライグマさんです。このお方は、当時まだお子さん。この写真は、10ヶ月も前の写真なので、今はもう青年ですよね。

次の画像で、後ろ姿をご覧ください。子どもでこういう立派なお尻ですからね。もっと成長したのは、もっとでっかいわ。

2023.10.26撮影

それと、前にもお頼み申し上げましたが、落とし物にはお気をつけてくださるよう、お願い申し上げます。掃除する方の身になってくれ。


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こちらは折れているのもある

2024年08月26日 10時50分00秒 | わたしの庭
2024.07.15撮影

投稿が開きましたが、今日は、前回(1週間前)の
の続きです。

あ、こちらも「はげて」いる、という場所があったんですよ〜〜。押し倒された? 踏みつけられた?

この、第二の「事件」現場を見て、某動物さんへの疑惑が高まり始めました。影響を受けている地面の広さと様子からです。

前回のと今回のが、別の日に起こった「事件」なのか、同じ日に起こった「事件」なのかはわからないのですが、犯人は同一「物」とにらみました。

Papaver orientale(オニゲシ)

このような、真っ赤なオニゲシ(Papaver orientale)が咲くはずだったんです、今年は。一昨年植えて、去年、芽が出ました。でも、まだ早い時期に、わたしがキウイの剪定をしていて、わたし自らが踏みつけて、地上部分を全壊した。それが、去年。

それで、今年葉っぱが出てきた時には、生きていたか、と大喜び、そして、葉もだんだん大きくなりました。ところが、葉が、葉が、根本から折れている。去年の自分で踏みつけた時のトラウマがよみがえる。

下の画像は、冒頭画像の切り取り拡大です。この画像の左下部分に3枚ほど、シダの葉っぱみたいなのが出ているのが、このオニゲシの葉です。その葉柄3本ほどが、根に向かって1ヶ所に集まっているのが見えます。

画像は、折れてしまっていた葉柄を取り去った後なんですが、ここに写っている葉は、その後、傷んだ根元付近の軸が回復せず、結局、すべての葉を失うことになりました。2度も地上部分を壊滅させられて、地下部分は、現在生きているのであろうか。

2024.07.15撮影

上の拡大画像で、ほぼ中央からやや左下に向かって伸びている細い茎は、これは、キキョウ(Platycodon grandiflorum)です。今年出てきた、自然実生のキキョウの株です。

親株は、前からわたしの庭にあるキキョウだと思われます。

キキョウが庭で、タネが4〜5メートルも飛んで増える、とは思っていなかったので、思わないご褒美でした。日々、その成長を楽しみに観察していたんですよ〜〜

ところが、これもなぎ倒されていました。

でも、キキョウって、自然にでも倒れたりするけど、ポキって折れませんよね。それで、そお〜〜っと起こして、つっかえ棒を立ててやると、その後、元気にしています。でも、くねくねキキョウができあがりました(次の画像)。まだ花は咲いていません。

2024.08.11撮影

もう一度拡大写真をご覧ください。ほぼ中央に、一番大きく、葉っぱだけ写っている植物がありますよね。これ、キツネノテブクロ(Digitalis purpurea)なんです。

前回の記事で倒れていた、とお見せした植物のひとつも、キツネノテブクロです、別場所にある別個体ですが。

こちらの、この葉っぱだけが茂っているキツネノテブクロは、実は、「事件」の直前、タネはまだで、花が咲いていたんです。その花のついている茎が根本から完全に折れていて、、、拾って、活ける? いやあ、水あげ、悪いしね、それに、有毒な植物をわざわざ活けなくても、、、と思い、残念ですが、コンポスト行きにしました。

残念だった、とちゃんとあきらめて、気分を切り替えていたんですが、うれしいことが。しばらくして、脇から新しい茎が出てきて、結局、花が咲いてしまいました(下の画像)、丈は低いですが。写真ではわかりにくいですが、たいへんきれいなピンクです。

2024.08.11撮影

2ヶ所目の「事件」現場を発見して呆然とした後、オニゲシと、キキョウと、キツネノテブクロにはすぐに気づいたのですが、数日後まで目に留まらなかったものがあります。

その目に留まらなかった物が何か、と、「事件」の真相究明は次回。


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なぜか、倒れていて・・・

2024年08月19日 11時40分00秒 | わたしの庭

2024.07.15撮影

今日は、ある「事件」に関わった花々を、見ていただきたいと思います。それぞれの花には、「事件」に関わった、ということ以外では、お互いに関連性はありません。

もうひと月以上前になるのですが、庭の一角を見ていたら、あの辺、なんで「はげて」いる? ナマケモノのわたしの庭はジャングルのはずだが・・・ 冒頭画像で言うと、右側の地上部分。あそこ、ちゃんと植物が立っていたはず・・・

おかしいなあ、と思いながら近づくと(以下の画像)、向かって右側には、V字型に倒れている植物が2本あり、左側には、向こう側にまとめてややなびいている植物があることがわかりました。こちらに向かって平たくなっている植物もあります。

2024.07.15撮影

V字型に倒れている、草丈のある植物は、青色のきれいな色の花のルリジサ(ボリジ)と、キツネノテブクロ(ジギタリス)のすでにタネになりかけている軸(茎)です(次の画像)。

2024.07.15撮影

なんでこんなことに?

と、ぼ〜〜っとしていましたが、やっと頭が動き出して、なんらかの理由で倒れたんだ、と見たままのことを理解し、それから、何か対策を打つべき? と考えました。

まず考えたのは、切り花にしようか? でも、ルリジサは、花がポロポロと落ちるので、生け花には向きません。おまけに、茎がしゃんと立たないので、生けること自体が難しいです。キツネノテブクロの方は、タネになりかけているものを屋内に入れたら、タネが落ちて大変になります。

では、起こす? ルリジサは、外で、普段からでも軸の途中から折れて、それでも平気なので、そのまま、放っておけば良い、キツネノテブクロの方は、立てなくても寝かせておけば、そこでそのままタネを落としてくれる。

ということで、両者ともそのままにしておくことにしました。

2024.07.01撮影

きれいでしょ〜〜。ルリジサです。

ツボミはピンク、花開いてもそのままピンク、花が成熟してくると、ピンクからだんだん青っぽくなり、最終的に、この独特の青い色になります。咲き始めが青で、後にピンクになる、と主張する記事がありますが、それは間違いです。わたしはちゃんと観察してあるんだから。

学名 Borago officinalis
英名 Borage
和名 ルリジサ(瑠璃苣)
別名 ボリジ(英名から)
ムラサキ科(Boraginaceae)ルリジサ属(Borago



2024.07.04撮影

上の画像は、キツネノテブクロの茶色くなり出したタネのサヤです。

学名 Digitalis purpurea
英名 Foxglove「キツネの手袋」
別名 Digitalis「ディジテイリス」
和名 キツネノテブクロ(狐の手袋)
別名 ジギタリス(学名から)
オオバコ科(Plantaginaceae)キツネノテブクロ属(Digitalis

花は、以下の画像でどうぞ。

2024.05.31撮影

キツネノテブクロの背景(上の画像)に咲いている白い花とピンクの花は、ハナダイコン(次の画像)。これも、きれいな花です。キツネノテブクロと同様、大量に、長期にわたって咲き続け、かつ、自身でタネをまき散らして増えてくれます。この「事件」が起こった時には、すでにタネになっていますから、冒頭画像には写っていません。

学名 Hesperis matronalis
英名 Dame's rocket
和名 ハナダイコン(花大根)
アブラナ科(Brassicaceae)ハナダイコン属(Hesperis

2023.05.17撮影

冒頭画像をもう一度ご覧ください。画面中央に、青緑の細い軸が何本も出ています。それは、前にご紹介した、ブタナらしき、セイタカタンポポソウ(ウソの名前)であります。

学名 Hypochaeris radicata(別のスペリング:Hypochoeris radicata
英名 Catear「ネコの耳」
別名 False dandelion「ニセタンポポ」
和名 ブタナ(豚菜)
キク科(Asteraceae)エゾコウゾリナ属(Hypochaeris

このわたしの庭のセイタカタンポポソウは、画像で見えるよりもっと丈が高いはずなんですが、重い頭の部分が折れて、向こう側に傾いているので、丈が低めに見えます。

2024.06.28撮影

事件の真相究明は、後ほど。


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キキョウ、ツボミから花へ

2024年08月09日 08時00分00秒 | キキョウ科
2024.08.06撮影

今日は、前回の続きで、キキョウ(Platycodon grandiflorum)がツボミから花開くまでの変遷をご覧ください。

 
2024.07.17撮影               2024.07.25撮影

キキョウのツボミは、最初、薄緑色です。この時点ですでに花びらに厚みがあるのだろうな、とうかがうことができます。小さいツボミがやや大きくなると、筋が紫色になってきます。ツボミの下にあるのが子房、子房の上にぴこぴこと5本(「枚」というより)出ているのが、ガク。

わたしは前から不思議に思っているのですが、キキョウのツボミって、ガクに被われている時ってあるのかしら??? わたしは、キキョウのツボミと言えば、このぴこぴこガクしか見たことがない。単にわたしの勉強不足なのかもしれません。

 
2024.07.27撮影               2024.08.01撮影

上を向いていたツボミが大きくなるにつれ角度を下げてきます。左の画像のツボミには虫がついており、多分、アブラムシ。右の画像の方が、紫の色が濃くなってきているので、より成熟したツボミです。

キキョウは、英語で Balloon flower「風船花」と呼ばれますが、これは、このツボミの形状から来ます。なんか、「バルーン」なんて、全然、ロマンティシズムがない。

なお、キキョウ属を指す学名 Platycodon の意味は、さらに勉強してみると、「幅広の鐘」であることが判明しました。

前の記事で、わたしは、
> 「平坦な鐘」ってことはないだろう、と思うけど。
> ですから、ここでは、口の大きく開いた「幅広の鐘」という意味でしょう。
> 花が開ききると、平たい、あ、なるほど、「平たい鐘」ですね、確かに。
と推測したのは、間違いではなかった。

 
2023.07.29撮影               2023.07.27撮影

色づいた風船状のツボミをどうぞ。右の画像では、花びらが1枚開きかけています。そこから、閉じたメシベとオシベが見えます。

 
2024.07.27撮影               2024.07.21撮影

花がもっと開きました。左の方は、まだ閉じ気味の花びらがありますが、すべての花弁が伸びきると、右の画像のようになります。

小さい黄緑色のツボミが、どちらの画像中にも見えます。このように、キキョウの花が次々と咲いています。

次は、花の開いたばかりの時の様子です。オシベがメシベにくっついたまま。花粉はすでにメシベの花柱にまといついています。が、柱頭には、花粉はついていません。オシベの方がメシベより短いので、花粉は柱頭に届きません。たとえ、虫が媒介したにしても、この段階ではメシベは受粉能力がないので、受粉は起こりません。

2024.07.27撮影(第一段階)

次は、第三段階のごく初期の様子です。柱頭がまだ割れかけであるところ。オシベの退化がすでに始まっているようです。

2024.08.06撮影(第三段階初期)

それでは、キキョウの後ろ姿をご覧ください。スッキリしていますね。でも、ガクが、いやあ、ちっちゃいなあ。


2024.07.22撮影

4週間ほど前から2週間ほど前にかけて、キキョウの属するキキョウ属と同じキキョウ科(Campanulaceae)の、ホタルブクロ属(Campanulaの花を連載しました。
・モモバギキョウ、あるいは、モモノハギキョウ
・ニワギキョウ
・ホシキキョウ
・オトメギキョウ

これらのホタルブクロ属の花は、「〜ホタルブクロ」と呼ばれるよりも、「〜ギキョウ」と呼ばれる種の方が多いようです。

では、なぜ、キキョウ(Platycodon grandiflorum)は、キキョウ属(Platycodon)であって、ホタルブクロ属Campanulaではない? すべて観察して比べたわけではありませんが、キキョウ属とホタルブクロ属の特徴の大きな違いは、キキョウ属は柱頭が5裂、ホタルブクロ属は柱頭が3裂、なのかもしれません。


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キキョウは、3度咲く

2024年08月07日 10時00分00秒 | キキョウ科
2024.07.22撮影第二段階

今日は、キキョウ(Platycodon grandiflorum)をお届けします。

うちのキキョウは、3年前までは、北側の庭に植っていたんです。でも、もっと太陽を、と、南側の庭に移し替えました。すると、今年になって、根をしっかりと下ろし、それに加え、大人の株に成長したようです。花軸も多く出、花もたくさん咲き出しました。

キキョウについては前にも書いたのですが、今回、あまりにも元気に咲いたので、新しい写真をもまじえて、もう一度書くことにしました。

学名 Platycodon grandiflorum
英名 Balloon flower「風船花」(ツボミの形状から)
和名 キキョウ(桔梗)
キキョウ科(Campanulaceae)キキョウ属(Platycodon

2021.08.07撮影(第一段階

キキョウは、ひとつの花が「3回」咲く、と言われます。でも、こういう「咲き方」をする花はキキョウだけじゃないのに・・・なぜ、キキョウが特に取り上げられるのか?

日本に古代から(?)あり、花がぱっちりと咲いて目立つからでしょうか。実際、キキョウは目を引くと思います、草丈もあるし、比較的大型の花(学名の種小名は、grandiflorum「大きい花の」)だし、色がなんと言っても「高貴な」紫だし。生薬として使われるのも理由かもしれません。

直前の画像は、花びらだけが咲いた、第一段階です。オシベはメシベにピッタリと沿ったまま、メシベは柱頭を閉じたまま。この段階では、オシベもメシベも、生殖能力はありません。

2021.08.03撮影(第二段階

第二段階では、直前の画像に見られるように、オシベが「咲き」ます。オシベは、花弁が5裂するのと同様、5本。この段階では、メシベの先端である柱頭は、開いていません。

オシベ表面の薄茶色っぽいのは、オシベから出ている花粉。花粉は、メシベの花柱にもついていますが、この段階では、柱頭が開いていないので、メシベは受粉しません。

より大写しの冒頭画像もご覧ください。花粉が花柱についているのがよく分かります。メシベで受粉能力のあるのは柱頭だけで、花柱にはいくら花粉がついても受粉は起こりません。


2024.08.01撮影段階

第三段階になると、メシベが「咲き」ます。花びら5、オシベ5本、と同じように、メシベの先端にある柱頭は5裂。オシベは、柱頭が開くと、あるいは、開くのに前後して、花粉を出さなくなり(=送粉しなくなり)、まもなく枯れていきます。

キキョウが、オシベとメシベの生殖能力のある時期をずらすのは、自家受粉を避けるためです。

・このように、オシベとメシベの成熟時が異なることを、雌雄異熟
その中でも、
雄期(オシベが成熟している時期)が先行するものを、雄性先熟 
・反対に、雌期(メシベが成熟している時期)が先行するものを、雌性先熟 
といいます。

筑波大学生物学類のサイト

2024.07.27撮影段階

直前の画像は、段階の花です。オシベがかなり枯れています。メシベの柱頭の5裂した先が薄茶色っぽいですけど、これが、よそのオシベから運ばれてきた花粉なのか、あるいは、枯れかけているのか、わたしには、分かりません。

それより、花柱が長くてきれいな色だと思いました。

(つづく)


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セイタカタンポポソウ(うそ)

2024年08月02日 15時00分00秒 | キク科

2024.06.26撮影

今日の花は、セイタカタンポポソウです。うそ! 真っ黄色なうそ!! セイタカアワダチソウ(背高泡立草)を真似して、わたしが命名しましたあ。

これは、多分、ブタナ。もしブタナでなくても、近縁種だと思います。ここでは、ブタナだとして話を進めます(すみません)。

学名 Hypochaeris radicata(別のスペリング:Hypochoeris radicata
英名 Catear「ネコの耳」
別名 False dandelion「ニセタンポポ」
和名 ブタナ(豚菜)
キク科(Asteraceae)エゾコウゾリナ属(Hypochaeris


2024.06.28撮影

標準和名のブタナは、フランス語の名称 Salade de porc「ブタのサラダ」を訳したものです。この「ブタのサラダ」というのは、「ブタが(喜んで)食べる葉」という意味か、と思われますが、人間が食用にしてもかなり満足するようです。それなのに「ブタのサラダ」という名前がついているのは、それは雑草だよ、ということでしょうか。

ブタナの元の和名は、「タンポポモドキ」です。英語でも同様に、False dandelion「ニセタンポポ」。花を見れば、「タンポポモドキ」とか「ニセタンポポ」とか呼びたくなりますよね。

以下の画像で、ブタナ(と思われる、うちのセイタカタンポポソウ)の花をご覧ください。角度の異なる画像を選んでみました。

確かに、タンポポによく似ています。が、タンポポと違いはあるんです。でも、今日は、違いについてはパス。綿毛も葉も茎も、かなり違うんですが、それも今日はパス。

 
2024.06.28撮影               2024.06.26撮影

 
2024.06.23撮影               2024.06.28撮影

この、うちの、タンポポモドキ(=ブタナ)らしきキク科の植物を、わたしがセイタカタンポポソウと呼んだ理由は、とにかく、草丈が高い。

植物、特に「野草」の草丈は、環境により大きく異動しますが、日本語版のWikipediaによれば、ブタナの草丈は30〜60cmとされます。ところが、うちのは、1m以上ある。花壇ではなく畑に自然発生したので、土壌と陽当たりを存分に吸収している、ということか。

わたしは背が低いので、このセイタカタンポポソウを撮影するのは、至難の業でした。手を伸ばして写すのですが、フレームがどうなっているかわからない、ピントがどうなっているかわからない。数打ちゃ当たる式で撮影しました。本当にデジタルカメラさまさまです。昔は、フィルムのコマ数を考えながら写真を撮ったもんだ。

タンポポは、すべての葉が根本から出ます。これを、根生葉(こんせいよう)、あるいは、根出葉(こんしゅつよう)と言います。うちのセイタカタンポポソウは、大方は根生葉ですが、茎の途中にも葉らしきものがあります。

でも、先のWikipediaによれば、ブタナは、
>> 花茎に葉は付いていないが、黒色の鱗片状に退化した葉をつける
そうで、ふ〜〜む、うちのセイタカタンポポソウは、ブタナではないのかなあ、とも思います。

 2024.06.28撮影(茎の跡中の葉?)

 2024.06.26撮影

 2024.06.26撮影(根生葉)

うちのセイタカタンポポソウの草丈の高さは、冒頭画像でご覧ください。背景、右奥にある枯れ木は、3mにもなっていたフサフジウツギ(Buddleja davidii)です。枯れたところを少し切り取ってありますが、まだまだしっかりと立っています。

次は、花を横から撮影したものです。後ろに見えるピンクの花は、2mほどもあるキツネノテブクロ(Digitalis purpurea)です。うちのキツネノテブクロが全部2mになるわけではありませんが、このピンクのはたまたま草丈の高い個体。

2024.06.23撮影

わたしは、植物の撮影は、たいてい夕方にします。昼間にするのは曇った日です。そうすると困ったことがあります。そういう時に閉じてしまう花がけっこうあるんですよね〜〜〜。

この、うちのセイタカタンポポソウは、朝もしばらくすると華々しく開いてくれます。そのあたり、黄色の洪水か、と思うぐらいになります。でも、夕方になると早々に閉じ気味になる。そうすると、わ〜〜ん、華々しいところが撮れない〜〜〜。

そこで、考えました。わたしは黄色一色の雨傘を持っています。子ども用の。それを昼間に持ち出して、セイタカタンポポソウの上に掲げて写真を撮ればいいだろう、と。そして、例のように手を伸ばして、数打ちゃ、で撮影した画像のひとつが、以下の画像。なんともぼやけていますが、これで雰囲気がわかっていただけるか、と。

2024.07.15撮影

うちのセイタカタンポポソウは、1ヶ月以上大量に咲き続け、今は、花も咲かせながらタネもつけています。バンクーバーでは、数日前に、やっと雨らしい雨が降りました。ホッとしたけれど、そのために、草丈の高い花の多くが半倒してしまいました。

今日は、それらの草をかき分け、かき分け、ブルーベリーを取り入れました。ブルーベリーは、今日のも含め、今年は今までに1200個収穫。明日は倒れている植物を起こさないとね。庭の花の世話よりも、食い気の方が勝った今日でした。


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