2024.01.05撮影(ハナカタバミ)
帰国すると、実家の庭にあまりにも季節外れのものが咲いている。咲き続けているのか、早く咲いているのか。そういうことを、前回、書きました。
でも、それ、実家の庭だけじゃないなあ、ご近所の庭でも、また、道端でも、また、ブログ記事を書かれている他の方々の近辺でも(11月にアサガオ、というのも読ませていただきました)、あまりにも季節外れのものが咲いている。
そんな季節外れの花のうち、特にあきれかえるのが、カタバミ。あっちこっちに、咲きまくっているじゃないですか? あれ、どうなっているんですか? 四季咲き、というか、常時咲き? 通年咲き? なんですか。
と、ここまで毒づいておいて、はた、と気がつきました。ひょっとして、冬に咲くカタバミ(オキザリス)の種(しゅ)が存在するのでは?
それで、まず、今回の帰国・帰省中(12月〜1月)に花が咲いているのを見たオキザリス各種をリストにしてみました。
・ハナカタバミ(Oxalis bowiei)
・フヨウカタバミ(Oxalis purpurea)
・オオキバナカタバミ(Oxalis pes-caprae)
・カタバミ(Oxalis corniculata)
2024.01.05撮影(ハナカタバミ)
2023.12.29撮影(フヨウカタバミ) 2024.01.05撮影(フヨウカタバミ)
2023.03.27撮影(オオキバナカタバミ) 2024.01.04撮影(カタバミ)
以上のカタバミ属(Oxalis)の花をひとつずつ見ていきたいと思います。
ハナカタバミ(Oxalis bowiei)
これは、以前に、和名はないのではないか、と申しました・・・
・・・が、今回調べていて、Oxalis bowiei は、ハナカタバミ、と呼ばれているのが分かりました。花がやや大きめの、きれいなピンク色のカタバミです。「花が美しいカタバミ」ということで「花カタバミ」というのでしょう。
原産は、南半球にある南アフリカです。よく知られたサイトでは、花期はどうである、と書かれているでしょうか。
>> produced continuously for a considerable length of time during summer
(夏の間中、かなりな長い期間にわたり、続けて休みなく咲く)
>> 花期は7~10月
上記ふたつとも、花期は夏である、と述べています。
それに比べ、以下では、10月~翌5月となっています。このサイトは、わたしは、今まで、他の記事を見てかなり信用のできる内容を発信している、と思っていたのですが、これは、情報的に間違いではないでしょうか。
>> 開花期:10月~翌5月
原産地が南半球であることを勘定に入れずに、原産地の夏である「10月~翌5月」を、何らかの英語の文献からそのまま訳したものと思われます。「10月~翌5月」は、南半球では春から秋にかけて(つまり、夏)ですが、日本などの北半球では、そのように呼ばれる月は、秋から春にかけて(つまり、冬)、です。
以上から、ハナカタバミの花期は夏である、としていいと思います。じゃあ、なぜ今咲いているのよお〜〜
フヨウカタバミ(Oxalis purpurea)
先に、フヨウカタバミの画像をふたつあげました。左側が白花、右側が赤花(ピンクの花で、赤い葉)です。見かけはずいぶん異なりますが、同一種だと思います。他に、この中間の、白い花で赤い軸のもあります。
>> 花期は4~7月だが、暖地においては冬季の11~3月に花を咲かせる場合もある
あ、ついに出てきた!! フヨウカタバミなら冬場にも咲くのか!
結局、フヨウカタバミと同じ現象がハナカタバミにも起こっているのか? でも、その現象が最近のことで、最近のことだから、文献に挙がっていないのか? と、想像だけ、というか、夢想だけしておきます。(あはは〜〜、科学的物証のないことを、ここまでよく言うよ!)
オオキバナカタバミ(Oxalis pes-caprae)
上に、黄色い花のカタバミの写真が2枚ありますが、そのうちの左側のが、「大きい、黄色い花の、カタバミ」であるオオキバナカタバミです。葉の形が独特です。次の画像をご覧ください。
2023.01.17撮影(オオキバナカタバミの葉)
オオキバナカタバミの画像については、お詫びすることがあります。実際に咲いていたのですが(つまり、咲いていた、というのはウソではないのですが)、風が強く、まともな写真が撮れなかったのです。それで、ここでは、花も葉も、去年の画像で代用しました。
>> 花期は3~5月頃(『日本の帰化植物』126頁)
この、花期が春であるとされるオオキバナカタバミも、確かに咲いていました。でも、ハナカタバミやフヨウカタバミほど咲いているわけではありませんでした。ということは、オオキバナカタバミが冬に咲くのは、そう一般的ではない、ということでしょうか。そして、冬に咲いている場合には、「早く」咲いた、ということでしょうか。
カタバミ(Oxalis corniculata)
上の画像5枚のうち、最後の小さい黄色い花のが、普通に言うカタバミです。これも属名と種名が同じで、混乱を引き起こします。このカタバミには、変種や品種がいくつかあるようですが、画像のものが、どれかは分かりません。
>> 4~10月
>> 花期は5〜9月
やはり、夏に開花するのですね。でも・・・この小さい黄色いカタバミは、わたしの子どもの時の印象では、いつでも咲いていたような・・・単に子どもがそう思っただけで、勘違いなのかもしれません。もし、わたしの印象が正しければ、カタバミは以前から「いつでも」咲く、ということになります。
2023.12.22撮影(ハナカタバミ)
今回は、季節外れに咲いている(とわたしが思った)植物のうち、カタバミ属にしぼって花期を調べてみました。ここにリンクしてあるサイト以外もかなり見たのですが、決定的には何も分からずじまいでした。
フヨウカタバミが暖地では冬場にも咲くことがある、というのは、分かりましたが、ハナカタバミは? 他のカタバミは?
それでは、歌をひとつ。
道行かば、行けども行けども カタバミの花
帰国のたびに また草抜きか
うん、いい歌である。特に、「か行」の繰り返しが苦しみを表していて、よろしい。
次に帰国・帰省するのは数ヶ月先。その時も、確実に、実家の庭はカタバミ属だらけよね、咲いているか咲いていないかに関わりなく。また、ほりほり、ほりほり、ほりほり、するのか〜〜うう〜〜〜
帰国日記、つづく。