カラスといちごとクロッカスと

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個人の目をとおしてお届けします。

セイタカアワダチソウ? その2

2025年02月10日 09時00分00秒 | キク科
024.12.29撮影

のつづきです。

Wikipediaで、日本語版に記事がない時に、中文版を調べると時々おもしろいことがあるので、今回もいそいそと出かけてきました。

中文版の「アキノキリンソウ属」に当たるページ
から抜粋すると、
・アキノキリンソウ(S. virgaurea)毛果一枝黄花 goldenrod, Aaron's rod 
・オオアワダチソウ(S. gigantea)早生一枝黄花 tall goldenrod, giant goldenrod
・セイタカアワダチソウ(S. canadensis)加拿大一枝黄花 Canada goldenrod
・オオセイタカアワダチソウ(S. altissima)高大一枝黄花 tall goldenrod, late goldenrod

こちらの学名表示は、英語版と一致しています。

それでは、日本語版では、学名の方が混乱しているのか、和名の方が混乱しているのか、あるいは、日本全体で、学名とは異なる分類をしているのか??? その辺のことはわたしにはわかりません。

2024.12.29撮影(この画像だけ、実家の庭から)

さて、混乱の可能性となる理由を考えてみました。要するに、アキノキリンソウ属の多くの種が、形質の線引きが難しいのではないか、と。そして、その原因は、自然界で容易に交雑するから、ではないだろうか、と。

それで、文献がないか調べてみました、インターネット上で、ですけど。


種屋のサイトから抄訳
>> 自然に簡単に交雑する変種が多い


研究論文のサイトから抄訳
(和名は、わたしが、省略して挿入しました)
>> S. canadensis(セイタカ)、S. gigantea(オオ)、は北アメリカ原産
>> S. virgaureaアキノはヨーロッパ原産
>> S. canadensisセイタカ)と S. virgaureaアキノ)の交雑種が S. ×niederederi
>> S. giganteaオオ)と S. virgaureaアキノ)の交雑種が S. ×snarskisii
(ご覧になりたい方は、リンクをコピペでどうぞ)


生態学者のサイトから抄訳
>> 他の1種としか交雑しない種もある、一方、8種とも交雑する種もある
>> 自身の属する亜節の他の種と交雑する種が18、自身の亜節以外の種と交雑する種が17
(ご覧になりたい方は、リンクをコピペでどうぞ)

この生態学者の記事の下方に、グラフ様のものがふたつあります。そのうち、右側のが緑の線で示されています。そこでは、S. canadensis(下から4番目)と S. altissima(下から3番目)が交雑するのが示されています。

「亜節」については、以下をご覧ください。亜節は、属よりも下、種よりも上、の階級です。


最後に、2回続いた「セイタカアワダチソウ」ぐだぐだ記を、Wikipediaからの画像と、私の思い至った結論で締めくくりたいと思います。画像は、英語版からひとつ、日本語版からひとつ、取り上げます。

英語版 Solidago canadensis から
Solidago canadensis, in Sasayama, Hyogo セイタカアワダチソウ(篠山市味間)
撮影者:松岡明芳
撮影日:2016.10.15
オリジナルからの改変、なし

* 英語版 Solidago canadensis の記事に出ている画像が、学名では Solidago canadensis、和名では、カタカナで「セイタカアワダチソウ」とされています。

日本語版「セイタカアワダチソウ」から
セイタカアワダチソウの花
Solidago canadensis, Common goldenrod, Canada goldenrod
撮影者:Jeevan Jose
撮影日:2010.05.09
オリジナルからの改変、なし

* 日本語版「セイタカアワダチソウ」の記事では、その学名を Solidago altissima として
います。
* ところが、写真の説明は、記事の題名と同じく「セイタカアワダチソウ」としながら、
学名は、Solidago canadensis としています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

結論
・セイタカアワダチソウの学名は、Solidago canadensis のようである
・ところが、セイタカアワダチソウには、日本で使われる学名に揺れがある
・その揺れは、Solidago canadensisSolidago altissima である
・そのうち、Solidago altissima の方が日本では優勢である
・これには、シノニムの関係もあるか?
・自然に交雑するので、形態を線引きするのが難しい=種の特定が難しい?
オオセイタカアワダチソウSolidago altissima)とは、学名でどう区別するか


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セイタカアワダチソウ? その1

2025年02月07日 08時00分00秒 | キク科
2024.12.29撮影

この花も、帰国・帰省中、年末に咲いているのを見たした。駐車場の隅っこの草むら一帯に、何かのイネ科の植物の枯葉(画像中、背景)に混じって、咲いていました。

これが、キク科(Asteraceae)の、アキノキリンソウ属Solidago)に属する植物であることは形状からわかるのですが、そのどの種であるか。

今日は、花の形態よりも、名称について「探索」してみたいと思います。まあ、「植物学」というより、「文献学」ですけど。

アキノキリンソウ属に属する植物のうち、日本に存する主だった種は、
・アキノキリンソウ(Solidago virgaurea(別名、アワダチソウ)
・オオアワダチソウ(Solidago gigantea
・セイタカアワダチソウ(Solidago canadensis
オオセイタカアワダチソウ(Solidago altissima

このうち、アキノキリンソウは、日本原産かどうか定かではないとは言え(アキノキリンソウをヨーロッパ原産とする文献もあります)、かなり昔から日本にあるようで、「アワダチソウ」という名称の出発点は、この植物の可能性がある?

日本に入ってきた年代を査定せずには断言できないのですが、和名は、以下のように発展してきたのかな、と想像します。
1「アキノキリンソウ」は、そもそもの名称が「アワダチソウ」(?)
2「アワダチソウ(アキノキリンソウ)」より大きいのが、「オオアワダチソウ」
「オオアワダチソウ」より背(=草丈)が高いのが、「セイタカアワダチソウ」
「セイタカアワダチソウ」より大きいのが、「オオセイタカアワダチソウ」

2024.12.29撮影

今回の植物は、アキノキリンソウSolidago virgaureaではない、と思われます。なぜなら、アキノキリンソウは、草丈が小ぶりで、かつ、花びらがあまり細くなく、平たくて、花がぱっちりと広がるからです。アキノキリンソウの画像は、以下などでご覧ください。
アキノキリンソウ岡山理科大学

今日の植物が何であるか、花期に基づいて判断すると、次に、オオアワダチソウ(Solidago giganteaを除外することができると思います。なぜなら、オオアワダチソウは、真夏に咲くらしいからです。

これで、セイタカアワダチソウ(Solidago canadensis)とオオセイタカアワダチソウ(Solidago altissima)が残るのですが、このふたつではどちらとも決め難いか? と思いました。両者とも、10月、11月まで咲くらしいです。通常10月、11月まで咲くなら、温暖化で12月末まで咲いてもおかしくない?

なお、国立環境研究所の侵入生物データベース
には、オオセイタカアワダチソウは出ていませんでした。

そもそも、オオセイタカアワダチソウの情報が、日本語のサイトでは、侵入生物かどうかと別に、大変少ないのです。


2024.12.29撮影

以下、Solidago を、属名がわっている場合の学名表記の慣例に従い、S. と略します。

結局、今日取り上げているアキノキリンソウ属の花は、
・セイタカアワダチソウ(S. canadensis
オオセイタカアワダチソウ(S. altissima
のどちらからしい。では、どちらかに特定できるか。

ここで、花の特徴よりも何よりも、名称の壁に突き当たりました。



セイタカアワダチソウ - Wikipedia(Wikipedia日本語版)を見ると、
・セイタカアワダチソウの学名は、S. altissima 
(おや? これは、オオセイタカアワダチソウの学名では?)
・シノニム(学名の別名、旧名)として、S. canadensis subsp. altissima 
(おや、亜種名に altissima とつく? それは、オオセイタカアワダチソウの種小名では?)
他のシノニム(学名の別名、旧名)として、S. canadensis var. scabra 
(変種扱い?)

> 生物の命名法におけるシノニム(英語: synonym)とは、同一と見なされる分類群
(種や属など)に付けられた学名が複数ある場合に、そのそれぞれをいう



この日本語版「セイタカアワダチソウから
に切り替えてみました。
・記事の題(植物名)自体が、S. canadensis 
(あれ〜〜、日本語版では、セイタカアワダチソウ学名は、S. altissima だったのに?)



英語版では、次の記事が別々に出ています。
S. canadensis のページ Solidago canadensis - Wikipedia
(日本語版では、セイタカアワダチソウが、別の学名 S. altissima として存在する)
S. altissima のページ Solidago altissima - Wikipedia
(日本語版が存在しない)
ふ〜〜ん。



でも、中文(中国語)版には、日本語版に存在しない記事があるんですよね。

つづく


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咲き「のこる」花期の長いキク類

2024年11月04日 18時40分00秒 | キク科
2024.10.31撮影

今日は、この気温の下がった秋に、庭に咲き「のこる」花期の長い花をお見せしたいと思います。キク科を選んでみました。

冒頭画像は、ヒメジョオン(Erigeron annuus)です。花びらに夏のような盛んさはありませんが、花の数で言うと、まだまだ花盛りです。なぜか、今秋は特に。

でも、ヒメジョオンって、こんな寒い時に咲いているものなの? と思い、調べてみると、
>> 花期は6 - 10月ごろ
だそうです。これは日本でのことですから、「東京」を基準としていると見ていいでしょう。

2024.10.31撮影

それで、東京の10月の気温を見てみました。
によると、10月の東京の1日の最高気温は21℃、最低気温は15℃。ああ、日本ってそんなに暖かいんだ。

こちら、11月始めのバンクーバーでは、1日の最高気温が9℃〜12℃、最低気温が4℃〜8℃、を行き来しています。東京と比べてみると、現在のバンクーバーは、気温的には、東京の12月〜1月に当たるようです。

それなら、なぜ、ヒメジョオンが、うちの庭で咲いているのか? よっぽどわたしの庭が好きなのか? 雑草などと呼ばれますが、5、6年前にうちの庭に出現してから、わたしは大事に育てています。

学名も英名も「一年草の」とついていますが、一年草の個体もあれば、越年草の個体もあります。要するには、いつ発芽したかで、冬を越したものを越年生というだけのこと。

学名 Erigeron annuus「一年草のムカシヨモギ」
英名 Annual fleabane「一年草のムカシヨモギ
和名 ヒメジョオン(姫女苑)
キク科(Asteraceae)ムカシヨモギErigeron

2024.11.03撮影

これもキク科(Asteraceae)の花です。ナツシロギク(Tanacetum parthenium)で、これはもうほとんど終わりました。

ヒメジョオンと同じく花期の長い花で、わたしは、
で、次のように書きました。

わたしの写真による記録では、バンクーバーの気候では6月から10月まで咲いているようです。ただし、同じ株に何度も咲いているのか、異なる株が違う時期に咲いているのか、わたしの観察が行き届いていません。

プンと匂いがして、やはり薬草か、と思わせます。実家の母が好きな花です。

学名 Tanacetum parthenium
英名 Feverfew「熱ざまし」
和名 ナツシロギク
キク科(Asteraceae)ヨモギギクTanacetum

2024.11.03撮影

これもキク科(Asteraceae)で、コレオプシス・グランディフローラCoreopsis grandiflora)です。一般には、日本で、「コレオプシス」と短く言いますか? この画像の園芸種は、その名も、「太陽が2倍 'Double the Sun'

この記事を書くために調べるまで、コレオプシス属の和名がキンケイギク属であるとは、知らなかった。なるほど〜〜〜。

別のコレオプシス・グランディフローラ園芸種「太陽のほとばしり 'Sunburst'」について、去年の10月16日づけの記事の後半(画像は、9月20日撮影)でも、
「まだ咲いている? もうこんな季節なのに、、、。」
と目を見張っていたので、とにかく、コレオプシス・グランディフローラは花期が長い花なんでしょう。

この画像の花は、たまたま開き切っていませんが、まだまだツボミがついているんです。でも、この気温の下がり方では、ツボミのまま終わるかもしれない。

学名 Coreopsis grandiflora 'Double the Sun'
英名 Large-flowered tickseed
和名 コレオプシス・グランディフローラ
「太陽が2倍」
キク科(Asteraceae)キンケイギクCoreopsis

次回も、わたしの庭から、咲き「のこる」花をお伝えしたいと思います。


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セイタカタンポポソウ(うそ)

2024年08月02日 15時00分00秒 | キク科

2024.06.26撮影

今日の花は、セイタカタンポポソウです。うそ! 真っ黄色なうそ!! セイタカアワダチソウ(背高泡立草)を真似して、わたしが命名しましたあ。

これは、多分、ブタナ。もしブタナでなくても、近縁種だと思います。ここでは、ブタナだとして話を進めます(すみません)。

学名 Hypochaeris radicata(別のスペリング:Hypochoeris radicata
英名 Catear「ネコの耳」
別名 False dandelion「ニセタンポポ」
和名 ブタナ(豚菜)
キク科(Asteraceae)エゾコウゾリナ属(Hypochaeris


2024.06.28撮影

標準和名のブタナは、フランス語の名称 Salade de porc「ブタのサラダ」を訳したものです。この「ブタのサラダ」というのは、「ブタが(喜んで)食べる葉」という意味か、と思われますが、人間が食用にしてもかなり満足するようです。それなのに「ブタのサラダ」という名前がついているのは、それは雑草だよ、ということでしょうか。

ブタナの元の和名は、「タンポポモドキ」です。英語でも同様に、False dandelion「ニセタンポポ」。花を見れば、「タンポポモドキ」とか「ニセタンポポ」とか呼びたくなりますよね。

以下の画像で、ブタナ(と思われる、うちのセイタカタンポポソウ)の花をご覧ください。角度の異なる画像を選んでみました。

確かに、タンポポによく似ています。が、タンポポと違いはあるんです。でも、今日は、違いについてはパス。綿毛も葉も茎も、かなり違うんですが、それも今日はパス。

 
2024.06.28撮影               2024.06.26撮影

 
2024.06.23撮影               2024.06.28撮影

この、うちの、タンポポモドキ(=ブタナ)らしきキク科の植物を、わたしがセイタカタンポポソウと呼んだ理由は、とにかく、草丈が高い。

植物、特に「野草」の草丈は、環境により大きく異動しますが、日本語版のWikipediaによれば、ブタナの草丈は30〜60cmとされます。ところが、うちのは、1m以上ある。花壇ではなく畑に自然発生したので、土壌と陽当たりを存分に吸収している、ということか。

わたしは背が低いので、このセイタカタンポポソウを撮影するのは、至難の業でした。手を伸ばして写すのですが、フレームがどうなっているかわからない、ピントがどうなっているかわからない。数打ちゃ当たる式で撮影しました。本当にデジタルカメラさまさまです。昔は、フィルムのコマ数を考えながら写真を撮ったもんだ。

タンポポは、すべての葉が根本から出ます。これを、根生葉(こんせいよう)、あるいは、根出葉(こんしゅつよう)と言います。うちのセイタカタンポポソウは、大方は根生葉ですが、茎の途中にも葉らしきものがあります。

でも、先のWikipediaによれば、ブタナは、
>> 花茎に葉は付いていないが、黒色の鱗片状に退化した葉をつける
そうで、ふ〜〜む、うちのセイタカタンポポソウは、ブタナではないのかなあ、とも思います。

 2024.06.28撮影(茎の跡中の葉?)

 2024.06.26撮影

 2024.06.26撮影(根生葉)

うちのセイタカタンポポソウの草丈の高さは、冒頭画像でご覧ください。背景、右奥にある枯れ木は、3mにもなっていたフサフジウツギ(Buddleja davidii)です。枯れたところを少し切り取ってありますが、まだまだしっかりと立っています。

次は、花を横から撮影したものです。後ろに見えるピンクの花は、2mほどもあるキツネノテブクロ(Digitalis purpurea)です。うちのキツネノテブクロが全部2mになるわけではありませんが、このピンクのはたまたま草丈の高い個体。

2024.06.23撮影

わたしは、植物の撮影は、たいてい夕方にします。昼間にするのは曇った日です。そうすると困ったことがあります。そういう時に閉じてしまう花がけっこうあるんですよね〜〜〜。

この、うちのセイタカタンポポソウは、朝もしばらくすると華々しく開いてくれます。そのあたり、黄色の洪水か、と思うぐらいになります。でも、夕方になると早々に閉じ気味になる。そうすると、わ〜〜ん、華々しいところが撮れない〜〜〜。

そこで、考えました。わたしは黄色一色の雨傘を持っています。子ども用の。それを昼間に持ち出して、セイタカタンポポソウの上に掲げて写真を撮ればいいだろう、と。そして、例のように手を伸ばして、数打ちゃ、で撮影した画像のひとつが、以下の画像。なんともぼやけていますが、これで雰囲気がわかっていただけるか、と。

2024.07.15撮影

うちのセイタカタンポポソウは、1ヶ月以上大量に咲き続け、今は、花も咲かせながらタネもつけています。バンクーバーでは、数日前に、やっと雨らしい雨が降りました。ホッとしたけれど、そのために、草丈の高い花の多くが半倒してしまいました。

今日は、それらの草をかき分け、かき分け、ブルーベリーを取り入れました。ブルーベリーは、今日のも含め、今年は今までに1200個収穫。明日は倒れている植物を起こさないとね。庭の花の世話よりも、食い気の方が勝った今日でした。


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ムラサキバレンギクが咲いた

2024年07月05日 09時24分43秒 | キク科
2024.06.22撮影
・異なる開花段階の花3つ
・左側に、舌状花の花びらのまだ「立っている」のが見える

ムラサキバレンギク(紫馬簾菊 Echinacea purpureaの花が咲きました。今年、春に、庭に来てもらった株です。懲りずに、お越し願いました。「パナマ・レッド」という園芸種で、ほんとうに赤い!

学名 Echinacea 'Panama Red'
英名 Purple Coneflower「パープル・コーンフラワー」
和名 ムラサキバレンギク(紫馬簾菊)
別名 エキナケア(学名から)、または、エキナセア(学名の英語読みから)
キク科(Asteraceae)ムラサキバレンギク属(Echinacea


わたしがムラサキバレンギクで複数回失敗しているのは、次の記事(2022.08.13付)で白状したとおりです。薬効などについても書いてありますので、ぜひ、読んでください。

今日は、この新しい園芸種「パナマ・レッド」の、花の開いていく様子を画像でお贈りします。写真ごとに、簡単な説明をつけます。

2024.06.19撮影
・舌状花(外周りの花)が花びらを開いていず、まだ棒状
・筒状花(内側の「円盤」)がまだ開かず密集している


2024.06.22撮影
・舌状花の花びらがだいぶん平たくなった
・筒状花の集まりである「円盤」が、外側の方からオシベを伸ばしてくる


2024.07.02撮影
・舌状花の花びらがもっと平たくなった
・筒状花のオシベの「筒」から出てきたメシベに、黄色い花粉がつている


2024.07.01撮影
・舌状花の花びらが垂れ始めた
・黄色い花粉のついたメシベが、「円盤」の上の方(=中央の方)に向かっていく


2024.07.02撮影
・黄色い花粉のついたメシベが、もっと中央へ寄っていく


2024.07.02撮影
・舌状花の花びらの色があせてくる
・黄色い花粉のついたメシベが、「円盤」のほぼ中心にまで至り、「円盤」が盛り上がる


2024.06.10撮影

この真っ赤な「パナマ・レッド」は、今、どんどん咲いています。この冬、極寒にならないことを祈って、今は、今の花を楽しもう、と達観しています。


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タンポポが咲きました

2024年03月25日 08時00分00秒 | キク科
2024.03.21撮影

うちの庭で、今年最初のタンポポが咲きました。ひとつだけ咲いています。

「ひとつ」と言っても、実際には多くの花の集まりです。この個々の小さい花を、「小花」といいます。キク科の花の特徴です。

冒頭画像に見られるように、最初に咲いた、この「ひとつ」の花は、小花が咲いている側と咲いていない側があります。そして、咲いていない(=開いていない)小花が、真ん中に集まって、頭をそろえて平らになっています。

小花が左右前後平均して咲かないことは、タンポポでよくあることですが、この花は、ほぼ半々できれいに咲き分けていて、おもしろい、と思い、写真に撮りました。

次の画像は、花を、90度向きを変えて、咲いている方の側から眺めたものです。

2024.03.21撮影

これを見ると、わたしは、食い気が・・・実は、わたしは、タンポポの花が好きで、よく食べるのです。何十個も集めないと小鉢にもなりませんが、「ガク」の部分もつけたままさっとゆがいて、三杯酢などで和えます。他にも工夫できると思います。

葉っぱも食べられます。若い葉はほんのり苦味がある程度ですが、もっと伸びたのは、わたしは苦味がちょっと苦手です。葉は、他の野菜といっしょに炒め物にしたり、チャーハンの具にしたり、することがあります。

根も食べられます。わたしは自分では食べたことがありませんが、キンピラにできるそうです。じゃあ、かき揚げにも使えるかな? 根から「コーヒー」も作ることができ、市販されています。わたしは、コーヒーはコーヒーを飲みたいので、代替え品は飲みまっせん! 飲んだことはありますが。

うちのタンポポは食料品なので、野菜畑に植えられています。正確には、野菜畑で出てくるのは掘り起こさない、花畑で出てきたのは掘る(なくならないけど)、ということで、タンポポを野菜畑にわざわざ植えたわけではありません。


2024.03.21撮影

直前の画像は、冒頭の画像より、もう少し接近し、角度を下げた眺めです。

咲いている花の右下に、ツボミがあります。なんか、未熟なイチジクみたいな形です。このツボミは、ガクのように見えるものに包まれて、固く閉じられています。このガク様のものは、総苞と呼ばれます。多くの花を「総て(すべて)包む苞」という意味でしょう。

総苞は、次の画像でよく見えます。


2024.03.21撮影

この画像は、太陽が花に当たるようにして(=光線を自分の体でさえぎらないようにして)、角度を下げて撮影してみました。

これで、開いた花の総苞の様子がよく見えます。反りかえっています。日本で、セイヨウタンポポ(外来種)と日本タンポポ(在来種)を区別するのによく目印にされます。今日の画像のタンポポは、セイヨウタンポポです。(カナダに日本タンポポが入ってきているとは思えません。)

2024.03.21撮影

タンポポの花の色って、優しくて暖かいですね。「キクの花」という形も、人に安心感を与えるのかもしれません。

こんなにかわいくて、おまけに、食べられるのに、芝生文化の西洋社会では嫌われ者なんです。ですから、わたしも、道路に面した前庭にはタンポポがはびこらないように気を使っています。と言っても、裏庭の野菜畑で咲いている花からは、種が自由に飛び回るんですけど。

2024.03.21撮影

学名 Taraxacum officinale「薬用の、食用のタンポポ」
英名 Dandelion「ライオンの葉」
和名 セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
キク科(Asteraceae)タンポポ属(Taraxacum

原産はヨーロッパですが、北アメリカには、17世紀中葉に移入されて、現在では野生化し、増殖しています(法律的には指定されていないようですが、「外来特定生物」みたいなものです)。

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キク科2種、花期は長い・・・

2023年10月27日 08時00分00秒 | キク科
2022.10.01撮影

今年は、花の咲き方が例年と異なっていました。春の球根類は、出てこなかったものもあるとはいえ、多くはよく咲いたのですが、夏以降に咲くはずの植物は、花があまり咲きませんでした。花期の長いものでも、元気がなかった。

冒頭画像は、大変かわいらしい、ペラペラヨメナ。なんや、その名前は。ヨメナのような花で、葉が薄い(=ペラペラ)、ということで、こういう名前になったのだそうです。なんかね、もうちょっとかわいい名前はつけられなかったのか・・・

学名 Erigeron karvinskianus
英名 Mexican fleabane(メキシコのノミヨケソウ)
和名 ペラペラヨメナ
別名 ゲンペイコギク(源平小菊)
キク科(Asteraceae)ムカシヨモギ属(Erigeron


英名は、原産地にちなみ、Mexican fleabane(メキシコのノミヨケソウ)なんですが、日本語で「ノミヨケソウ」? ノミを避けるのに使うの? ジョチュウギク(除虫菊)みたいに。

学名 Tanacetum cinerariifolium
英名 Dalmatian chrysanthemum(ダルマチアのキク)
和名 シロバナムシヨケギク(白花虫除菊)
別名 ジョチュウギク(除虫菊)
キク科(Asteraceae)ヨモギギク属(Tanacetum


それと、属名 Erigeron は日本語で「ムカシヨモギ」。それもどういう謂れが? これは、前から疑問に思っていました。

 
2021.05.28撮影               2022.06.06撮影

別名のゲンペイコギク(源平小菊)というのは、わかります。まず、小さい菊だから、「小菊」。花の色が白から赤っぽく変化し、同時に、白い花と赤っぽい花がつくから「源平」。えと〜〜、源氏と平氏は、どっちが白でどっちが赤だったっけ? あ、白から赤に変わるので、源氏(白旗)から平氏(赤旗)という歴史的な流れね。

ところで、この花は、見かけもかわいく、花期も長くて(うちの今年の庭でも、この10月末現在、まだ咲いています)、庭には重宝するのですが、生育条件の適合した場所では、爆発的に山盛りになり、他の植物にかぶさっていき、かつ、茎の土に接したところからまた増えます。管理は要注意の植物です。

2022.10.01撮影

上の画像(去年)は、もう季節の終わりかけているイヌラ・フッケリです。今年は、イヌラ・フッケリは、ゲンペイコギクとは対照的に、9月の早いうちに終わってしまいました。画像中のイヌラ・フッケリは、去年のもので、10月初めの秋の太陽に照らされています。背後のピンクの花は、「秋咲きクロッカス」(コルチクム Colchicum autumnale)です。


上の記事では、和名はないもようである、と書いたのですが、それから後、日本の固有種でミズギク(Inula ciliaris)というのがオグルマ属(Inula)にあることに気づきました。イヌラ・フッケリを「なんとかミズギク」と呼んでいいでしょうか、あるいは、「なんとかオグルマ」という方がいいでしょうか。


学名 Inula hookeri
英名 Hoojer's fleabane(フッカーのノミヨケソウ)
キク科(Asteraceae)オグルマ属(Inula

 
2021.08.03撮影               2021.07.18撮影

上の2枚の画像で、左はまだ若い花、右は咲いてだいぶん経った花。7月、8月の夏のイヌラ・フッケリは、花びらがそよそよとしています。この、そよそよに、わたしは魅惑されたのであります。ツボミのときからも形がかわいらしく、咲いているときは清楚で、花後もそれなりの風情があります。

花期は長いはずのイヌラ・フッケリ、今年は早めに終わってしまいましたが、来年は、元気に帰ってきて、長く咲いてくれる?

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秋の庭から、黄色いキク科の花

2023年10月16日 08時00分00秒 | キク科
2023.09.20撮影

今日からしばらく、(10月ではなく9月の画像ですが)わたしの秋の庭から、いくつかの植物の様子をお届けします。今日は、黄色系統のキク科(Asteraceae)の花、2種。

最初の花は、前にもご紹介したヒマワリモドキ(Heliopsis helianthoides)です。草丈は、1m程度。大きい植物ではありません。


学名 Heliopsis helianthoides 'Summer Nights'
英名 False sunflower(ニセヒマワリ)
和名 ヒマワリモドキ「夏の夜」

うちのヒマワリモドキの園芸種名は「夏の夜」ですが、なぜか、わたしの庭では、真夏ではなく、夏遅くに咲き出して、秋にも咲いている。バンクーバーで秋の雨が降り出しても咲いている、だんだん、花の大きさが小さくなるけれども。

例年、秋には、アスター(Aster)がきれいに咲いてくれます。でも、今年は、ほんのちょっとしか咲いていないので、「夏の夜」がまだ目をぱっちりと開いてくれていて、ありがたいです。


キク科の花と言えば、今年の夏は、ナツシロギク(Tanacetum parthenium)が咲かなかったのでは? 抜かなくてはいけないほど何株も庭中に生えていたのに、消えてしまった? 庭の中央まで分け入って探すだけの足の調子ではないので、分かりません。


2023.09.20撮影

うちのヒマワリモドキ「夏の夜」は、花びらの色がオレンジ色に近いです。軸も、葉っぱも、赤っぽいです。特に、軸は赤い。軸が赤いのは、2番目の画像で見ることができます。

1番目の画像では、赤茶色の花粉が花びらの上に落ちているのが、見えます。そして、花びらが平面ではなく、折り目がついているのも見えます。

画像2枚(特に、2番目の画像)から、わたしの庭が、9月の後半で、すでに秋枯れである様子がうかがえるでしょうか。現在、当たり前のことながら、10月半ばでは、もっと進んでいます。

薄茶色で飛び出ている軸は、ヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva)です。ヤブカンゾウの花軸です。花は、ずいぶん前に終わりました。わたしの足が本調子でないので、枯れたものを取り除いて庭を整えられていないのです。

2番目の画像中、奥に見える赤い花は、クサキョウチクトウ(Phlox paniculata)です。クサキョウチクトウは花期が長いので、これもありがたい存在です。

2023.09.20撮影

足の怪我の後、なんとか庭に出られるようになって、この黄色い花が見えたときには、びっくりしました。え? まだ咲いている? 怪我の前にも咲いていたのに。今年はな〜んにも世話しなかったのに。もうこんな季節なのに、、、。切り戻したら、もっと咲いてくれる? この足でそんなことができるわけがない、、、

学名 Coreopsis grandiflora 'Sunburst'
英名 Large-flowered tickseed
和名 コレオプシス「太陽のほとばしり」

この花も、ややオレンジ色がかっていますね。

2023.09.20撮影

わたしは、白や青や紫の花が好きなので、努力しないと、庭中そういう色になってしまいます。あるとき、バンクーバーを訪れていた母が、「flowerconnectionちゃんのお庭は、花はきれいだけど、色がさびしいね」と言ったのです。母は、わたしが少女時代に、赤やピンクのものを着せたかったのに、わたしが着たがらなくて、苦労したのです。

母がそうつぶやいてから、わたしは、努力して赤やピンクの花を庭に導入しました。そして、気づいてみると、赤やピンクはあるが、黄色やオレンジ色の花が全然ない。それで、そこから、黄色やオレンジ色の花を増やしていきました。それが、このヒマワリモドキやコレオプシスなんです。最初は、自分で植えたのを忘れて、なぜ庭のあんなところに黄色いものが? と戸惑いがありましたが、確かに庭は活気づいた、と思いました。

今年は、庭作りの転機であろう、ということを、先週、書きました。



これからは、このような、「自立」して花を咲かせる植物を多く庭に取り入れていかなくてはならない、と思います。

またもや、足の怪我のぐちぐちで、失礼をいたしました。でも、ここ数日で、メキメキよくなってきたんですよ〜〜。自然治癒の力はすごい。

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ヒマワリとラウンドアバウト4

2023年08月30日 08時00分00秒 | キク科
2023.08.18撮影

「ヒマワリとラウンドアバウト」については、今日で終わりです。

いろいろな国のラウンドアバウトの写真を見ていると、「島」の部分が「ピンからキリ」で、へ〜〜、と笑ってしまいます。なんの変哲もないコンクリートであったり、芝生がはられているだけだったり、なんらかの植栽があったり、また、見事な噴水があったり、彫刻があったり、、、

バンクーバーの住宅街に設置されているラウンドアバウトの「島」は、多くの場合、花が植えられていて、目を和ませてくれます。虫たちの集まる場所でもあります。

でも、中には、大きな岩石をどか〜っとおいてあるだけのラウンドアバウトもあります。そういうあたりは、大通りから車両が侵入するのを本当に防ぎたい場所なのだろうなあ、と思います。目の前に石が迫ってくると、視界がまったく遮られて、怖いですもん。ですから、近寄りたくない。

その大きい岩石は、石舞台古墳の一番上にある、あの大きい石ぐらいではないか、と感じるほどです。(話しが大きくなってきたので、石の話しは、ここで終わり。)

イギリス、レッチワース田園都市(Letchworth Garden City)にあるブロードウェー(The Broadway)に設置された、イギリス初のラウンドアバウト(1909)
撮影者:Jack1956
撮影日:2014
パブリックドメイン

上の画像は、イギリス初のラウンドアバウトで、レッチワースという田園都市にあります。このラウンドアバウトでは、イギリスなので標識(青地に白の矢印)が左向きになっています。左側通行では、ラウンドアバウトでは時計回りをします。

下の画像は、わたしがヒマワリの写真を撮った、うちから一番近くにあるラウンドアバウトで、カナダは右側通行なので、標識(白地に黒の矢印)の示すように、反時計回りをします。

このラウンドアバウトは、大きさとしては、上の画像のレッチワースの4分の1くらいかな、と思います。ラウンドアバウトの大きさは、当然ながら、交差点の大きさ(=道の幅)に左右されます。

2023.08.18撮影

レッチワースのラウンドアバウトの「島」には木や草本の植物の植栽があり、外縁部には芝生が植えられています。うちのあたりのラウンドアバウトは、植物がもっと密に植えられていますが、木は植えられていません。外縁部は、芝生ではなく、コンクリートです。

コンクリートの部分は、直前の画像では、右下、標識の下(陰になっている)に、次の画像では、右上(陽があたっている)に、あります。

2023.08.18撮影

では、このラウンドアバウトに植えられている花々、だれが植え、だれが管理しているのでしょうか。それは、直前の画像に出ている標識に説明されています。以下に、その部分が大きく写った画像を載せます。

2023.08.18撮影

つまり、バンクーバー市(the City of Vancouver)の音頭取りで、近所の住民が管理している、と言っています。それで、咲き乱れたラウンドアバウトもあれば、あまり植っていないのもある、また、最初から、前述のように、石が置かれているのもある(アパート街など)、んですね。

そこに書いてあるリンク先へ行ってきました。そこには、管理者になればいくつかの恩典がある、というのがわかりました。

でも、これだけの大きさの土地を、自宅の敷地内にあるわけでもないのに、庭として管理するの、大変ですよ。恩典では割りが合わず、これ、勤労奉仕よ(うわ、出た、古い言葉)。

話がそれますが、わたしの母が、女子高校生たちが何やら労働をしていたので、「勤労奉仕ですか」と聞いたそうな。すると、女子高校生たちは「ボランティアです」って答えたんですって。この話し、母から何回も聞かされるのよ、表現は変わっていくもんだ、という例として。

え〜〜と、そうそう、その勤労奉仕、確か、わたしのうちの隣のおばさんがこのラウンドアバウトの面倒を見ている、みたいなことを、何年も前に言っていたなあ、それに加え、もうやっていない、みたいなことも。

ということは、うちの近くですごくお花を咲かせているおうちがあるので、そこのおばさんがやっているのかな?

でも、散水制限の厳しいこの夏、水やりはどうしているんだろう。水道栓が「島」のどこかに設置されているのかしら。そして、ランドアバウトだったら、散水制限を無視して、自由に水やりしていいのかな?

水やりが行われているところを、実は、わたしは一度も見たことはありません。ですから、水やりがあまり行われていない可能性があります。それでも植物は元気に咲いているのです。ということは、ラウンドアバウトに植えられている植物を庭に取り入れれば、庭を水不足に強い庭に変えていくことができるでしょうか。

一考して良いと思いました。

以下は、そのラウンドアバウトで、今咲いている花の一部です。

2023.08.11撮影(アマランス)

 
2023.08.11撮影(コスモス)         2023.08.11撮影(コスモス)

 
2023.08.11撮影(チドリソウ)        2023.08.11撮影(チドリソウ)

 
2023.08.11撮影(クサキョウチクトウ)    2023.08.11撮影(クサキョウチクトウ)

2023.08.11撮影(ムシトリナデシコ)


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ヒマワリとラウンドアバウト3

2023年08月28日 08時00分00秒 | キク科
2023.08.17撮影

ヒマワリの頭花は、まず、一番外側の花びら様の舌状花が開きます。そして、次に、内側の管状花・筒状花が、舌状花に接した方から順番に、中央に向かって咲いていきます。1,000個を超える(のだそうです)小花が秩序正しく咲いていくのは、見事なものです。


管状花・筒状花を、以下、わたしの好みで、独断で、筒状花、とだけ呼びます。

ヒマワリの小花を、今度は、中央から外側へ向かって、見てみると、ヒマワリの頭花は、
1.ツボミの筒状花
2.オシベの出た筒状花
3.メシベの開いた筒状花
4.メシベのしぼんだ筒状花
5.舌状花
という構成です。もっと段階を細かく区切ることもできますが、この辺りで妥当だと思います。

中央のツボミの筒状花は、若いのほどより黄緑色、外へ向かうにつれオレンジ色が増していきます(上の画像)。

次の画像で見えるのは、異なる段階の筒状花の帯です。

2023.08.17撮影

この画像中、下側が頭花の中央に近いツボミの部分で、上側が花びらの大きい舌状花に近づく部分です。

画像真ん中を帯状に横切るものは、オシベの出ている筒状花です。黒っぽいものがオシベの葯(やく)、その先端に黄色っぽい花粉。

オシベの中央からつき出ている黄色いものは、メシベ。そして、メシベは、先端が割れてきて、「Y字型」となります。メシベは、オシベの間から出てくるときには、オシベの花粉に触れながら出てきます。でも、そのころのメシベはまだ成熟していないので、自家受粉はしません。

黒っぽいオシベの見える筒状花のさらに外側には、もっと発達したメシベが見えます。黄色のぴろぴろとしたのがメシベです。画像では判別しにくかと思いますが、「Y字型」が進み、頭の方が反りかえって、「M字型」のようになっています。

まあ、これは、アンテナを出しているようなものなので(こら、それ以上、想像するな!)、この形のおかげで、他所から花粉を受けることができるようになります。

「M字型」の形が見やすいように、画質は不鮮明になりますが、画像を拡大してみます(上の画像からではなく、他の画像から)。

2023.08.17撮影

次は、冒頭の画像の花より古い頭花です。画像の左下と右下に、舌状花が見えます。筒状花は、この頭花では、ほぼ全部咲ききっているようです。中央部にあるメシベは、「Y字型」も混じっていますが、多くは「M字型」でしょうか。

ヒマワリでは、中央部の筒状花が咲かないままのこともよくあるようです。その場合は、咲いている筒状花と咲いた筒状花だけが、ドーナツ状に盛り上がったままになります(冒頭の画像)。

でも、下の画像のようにほぼ全部が咲くと、筒状花の部分がドーム状になります。

2023.08.11撮影

ぴろぴろしたメシベが見えない筒状花では、メシベはもうしぼんでいます。メシベは、小さく薄茶色になっているので、目立ちません。その代わりに、筒状花の「花弁」がはっきり見えます。

その部分だけを写したものがあるので、それをご覧ください。

2023.08.11撮影

これは、舌状花に一番近い、つまり、外縁にある筒状花です。画像右上に、舌状花の花びらが数枚見えています。

メシベは、薄茶色のフィラメントみたいな形状のもので、すでにしぼんでいます。しぼんでいないのは、「M字型」の薄黄色です。筒状花の中に見える黒っぽいものは、オシベ。筒状の花の先が5裂しているのが、この段階になるとよく観察できます。「5裂」とは言いましたが、これは、花弁5枚の根本が合弁しているのです。

2023.08.11撮影

うちの近くのラウンドアバウトには、こんなかわいい花も植っているんですよ。ヒマワリの太い茎とゴワゴワした葉っぱに半ば埋もれて咲いています。他の色のも咲いています。

学名 Linaria maroccana「モロッコのウンラン」
英名 Moroccan toadflax「モロッコのウンラン」
別名 Annual toadflax「1年草ウンラン」
和名 ヒメキンギョソウ(姫金魚草)
オオバコ科(Plantaginaceae)ウンラン属(Linaria)
原産 モロッコ


つづく(次回は、「ヒマワリとラウンドアバウト」の最終回)


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