カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ご近所のチューリップ 2

2024年05月01日 08時00分00秒 | ユリ科、チューリップ

今日も、ご近所さんのチューリップを続けます。画像の撮影日は、全て、2024年4月10日です。

今日は、まず、黄色いチューリップから。冒頭の黄色いのは、花の姿が丸いです。「赤、白、黄色」と歌われる「黄色」というのは、こんな素朴なチューリップでしょうか。

もうひとつ、黄色くて丸いチューリップをどうぞ。ちょっと白いっぽい黄色です。


次も、黄色いチューリップですが、これも色合いが異なります。また、花の姿が縦長です。それだけでなく、花びらの先の尖り方も異なるんですよね。この黄色のは、ぷつっと尖っている。特徴を見だすと、果てしがない・・・


次の2枚も、花びらの先が尖っていますが、上の黄色(上の画像3枚)とは異なり、細く尖っています。薄い黄色の(次の画像)と、クリーム色〜黄緑色がかった白の(次の次の画像)と、です。次の2枚では、白の方が縦長ですね。



もう1枚、先の尖ったのを。でも、あまり尖っていないかな? ツボミなので、はっきりしません。



うちに植わっているチューリップは、だいたい次の4種類の運命に分かれていきます。
1。いわゆる「原種チューリップ」で、増えて行く
2。何年も咲いている特定の園芸種、でも、特に増えるわけではない
3。比較的新しく植えた園芸種で、今後何春咲いてくれるか、まだわからない
4。消えつつある、あるいは、消えてしまった園芸種

ご近所のチューリップで毎年咲くのは、何年も地植えされているものです。園芸種であるのはわかっているのですが、このように毎年咲くのは、手の込んでいない、というか、あまり操作されていない、というか、原種の性質を残している園芸種であるのだろう、と思います。

次は、縁取りがはっきりと見えるチューリップを、どうぞ。


前に、そんな縁取りのあるチューリップを、わたしの庭からご紹介しました。次の画像。



チューリップは、チューリップ属(Tulipaの総称ですが、園芸種は別にして、その属に一体何種のチューリップの原種が属しているのか、わたしはリストを見たことがありません。探し続けようとは思いますが、チューリップは商品化が進んでいて、分類と言えば、流通用として分類されるので、生物学的な分類なんかどうでもいい、あるいは、交雑が進みすぎて分類できない、というところなんでしょうか。

今のところ、ディビジョン15、あるいは、16まで設けられています。簡単に分ける場合には、咲く時期によって、初期咲き、中期咲き、後期咲きの3グループに分けられます。

前回と今回お見せしているチューリップは、よそ様のものなので、園芸種名は分かりません。

でも、ディビジョンだけでも推測すると、次のは、ディビジョン8のヴィリディフローラ(Viridiflora)ではないかと思います。花びらに緑の部分が現れます。Viridiflora の viridi というのは「青緑」、flora というのは「花」という意味です。また、花びらの先が尖り、咲くに従い外ヘ向かって反れるのも特徴です。


次の、えんじ色とワインレッドの間ぐらいの色のチューリップも、ご覧ください。なんか、重たそうな頭ですね。なぜなら、八重だからです。


このチューリップは、花を上から見ると、次のようになります。ディビジョンで言うと、ディビジョン11の八重遅咲き(Double Late)になると思います。


これらのご近所の、園芸種の中でも特に原種から離れている
・ディビジョン8・ヴィリディフローラ(Viridiflora)
ディビジョン11・八重遅咲き(Double Late)
の地植えの個体が、これから年々どのように花を咲かせ続けるか、観察していきたいと思います。また、これらの園芸種が、その園芸種としての特徴を保持していくか、興味があります。と言うのは、園芸種は消えていったり、消えなくても先祖がえりしたりするからです。

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ご近所のチューリップ 1

2024年04月29日 08時00分00秒 | ユリ科、チューリップ

ご近所さんたちの庭先でも、きれいにチューリップが咲いています。ちょっと前に、うちの近くをぷらぷら歩いてみました。今日は、その時に撮った写真を並べてみたいと思います。撮影日は、全て、2024年4月10日です。

学名 Tulipa cv.
英名 Tulip cultivars
和名 チューリップ(園芸種)
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa


以下の内容は、先週のチューリップについての記事2本
で書いたことと被るところもありますが、、、

チューリップは、
・花被(花びらに見えるもの)が6枚
・そのうち、外花被(ガク)が3枚
・内花被(花弁)が3枚
今日の画像では、これらが区別してはっきり見えるものはありません。

内花被の中央には、
・縦にくぼみが2本入る
・くぼみとくぼみの間は、外に盛り上がっている
これは、冒頭の画像と直前の画像ではっきりと見えます。

外花被は、中央部分が、
・ヘリの色より薄い場合(直前の画像)
・濃い場合(次の画像)とがあるようだ
・全体が濃い色のチューリップ(冒頭の画像)では、違いが少ないが、ないわけではないかも
と一般的に言えるかもしれません。



懺悔することが・・・

このチューリップは、2軒西隣のおうちので、何年も毎年咲いている花なのですが、わたしは、これがいたく好きで、このように写真を撮ったんです。そして、立ち上がる時に、なぜか、茎を折ってしまった。カメラが当たったのかなあ、それとも、わたしが頭突きをした??

いずれにしても、よそ様の花をぶった斬ってしまった。まず、お花さん、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。次に、お家の人々、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

わたしは、その折れたチューリップを手に取り、そのおうちの玄関へ行ったんですけど、留守の模様・・・落ち込んだけど、仕方ないので、自分のうちで花瓶に挿しました。ごめんなさい。次に会ったら、謝ろう。



次のチューリップは、わたしの折ったチューリップとは、濃さが違いますけど、同じ園芸種のチューリップだと思います。なぜなら、うちの、「メントン(Menton)」という園芸種の示す色の幅とそっくりだからです。うちの「メントン」については、またの機会に。



次の、きれいなオレンジ色のチューリップは、花びらが1枚離れかけています。花が古くなりかけると、このようなことが起こります。


次の画像2枚では、花びらがもっと離れています。でも、これが起こったからと言って、すぐに花が終わるわけではありません。

チューリップは、うちの庭では、ツボミが色づいてから、花びらが張りをなくし、ああ、花が終わった、と感じるまで、だいたい2週間〜3週間+咲き続けます。

 

つづく

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チューリップ、こんなはずじゃ

2024年04月24日 08時00分00秒 | ユリ科、チューリップ
2023.04.28撮影
こんな白っぽいチューリップ、植えた覚えは・・・

後ろにポツッと見える花びらの、上部が赤、下部が黄色のチューリップは、「サンキャッチャー(Suncatcher)」という園芸種です。「太陽を捕まえるもの」という意味。

2023.05.02撮影
ピンクの色がついてきた・・・

後ろに並んでいるチューリップは、先の画像と同じく「サンキャッチャー」です。

2022.04.24撮影
あら、花びらが黄色っぽくなってきた。おまけに、赤い縁取りがついたのもある。

右奥の上赤・下黄色のチューリップは、先の「サンキャッチャー」、すぐ後ろの、背丈が高く、花の色が濃い赤のチューリップは、「レッド・マタドール(Red Matador)」、その意味も「赤い闘牛士」、ジャンララ・ジャンジャンジャン。

2022.04.24撮影
こういうシミとシワの出たのもある・・・庭の持ち主に似るのか??

後ろの赤いのは、闘牛士さんです。

2023.05.02撮影
花びらの縁がぐるっと濃いピンク色になりました。

左の背景は、また「サンキャッチャー」です。

2022.05.02撮影
濃いピンク色が深まってきました。

水滴は、雨の後だからです。しょっちゅう雨が降るんですよ、バンクーバーは。

2023.05.02撮影
縁取りが、ずいぶん幅広になりました。細かい幅のブランケットステッチみたいです。
そうそう、こういうチューリップを買って植えたのよ。

上の画像には、縁取りのある花の他に、それより草丈の低いところに咲いている、白っぽい花があります。それは、縁取りのあるチューリップと同じチューリップです。中心の球根(「親球根」とでも呼ぶ?)の脇につく小さい球根から、後発で発芽したものだと思われます。

2022.05.02撮影
もっとピンクになってきた。

2023.05.08撮影
ますますピンクになってきた。
こんなはずじゃなかった。

 
2023.04.28撮影(はじめごろ)        2023.05.08撮影(おわりごろ)

学名 Tulipa 'Del Piero'
英名 Del Piero Tulip
和名 チューリップ「デル・ピエロ」
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa
園芸品種群 ディヴィジョン3トライアンフ系


2023.05.02撮影(これを買ったつもり)

お名前は、「ピエロ」でした。

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2番目に咲いたチューリップ

2024年04月22日 08時00分00秒 | ユリ科、チューリップ
2024.04.03撮影

ちょっと前に、わたしの庭で1番に咲くチューリップをご紹介しました。
「ゾンビー(Zombie)」という名前の園芸種です。

今日は、わたしの庭で「ゾンビー」に続いて咲いたチューリップをご紹介します。ダーウィン・ハイブリッド系の園芸種「ライト・アンド・ドリーミー(Light and Dreamy)」です。色とすっきりした花の形に魅せられて、求めました。

学名 Tulipa 'Light and Dreamy'
英名 Light and Dreamy Tulip
和名 チューリップ「ライト・アンド・ドリーミー
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa
園芸品種群 ディヴィジョン4ダーウィン・ハイブリッド系

園芸種名の 'Light and Dreamy' というのは、「軽やかで夢みがちなチューリップ」てなところでしょうか。紫色系のしっかりした色のピンクで、冒頭画像では太陽に当たっているので、実際の色より赤っぽく写っています。

 
2024.03.31撮影(くもった日)        2024.04.01撮影(晴れた日)

上2枚の画像に、ちらちらと見えているピーチ色っぽいものがありますね。それは、「ゾンビー」の咲き終わりの姿です。本当にタイミングよく、「ゾンビー」が終わりかけの時に「ライト・アンド・ドリーミー」が咲き始めました。(計画したと・お・り、にま)

「ゾンビー」は前からあったのですが、その「ゾンビー」の植っているところに、「ライト・アンド・ドリーミー」を混ぜ植えしようと計画し、去年の秋に実行に移しました。「ゾンビー」は初春に、「ライト・アンド・ドリーミー」は中春に咲く、はずのもので、考えとしてはいいのですが、さて、思い通りに行くか・・・

秋に、地上には何も出ていない「ゾンビー」の球根の間をぬって「ライト・アンド・ドリーミー」の球根を植え込もう、ということで、そろ〜〜、そろ〜〜、ゆっくり、ゆっくり、掘っていったんですよ。いや〜〜、ナマケモノのわたしは、冷や汗はかきませんでしたが、寒くて凍えましたよ、かかった時間のために。


上のような細い道具「ペン型手持ち草抜き具」を使いました。タンポポなどを掘りだすのに便利な道具です。これのおかげ(とわたしの辛抱強さと集中力)で、「ゾンビー」をぐさっと突き刺したりぶった斬ることなく、無事、「ライト・アンド・ドリーミー」の植えつけが完了しました。

年を越え、3月も後半になって、咲いている「ゾンビー」の間に、「ライト・アンド・ドリーミー」のツボミが現れてきました。そして、この美しいピンクのチューリップが咲きました。この色が見たくて、「ライト・アンド・ドリーミー」にわたしの庭に来てもらったんですね。

では、改めて、「ライト・アンド・ドリーミー」の花をご覧ください。

2024.04.03撮影

手前の花だけで言いますと、左右に見えるものがガクで、そのガク2枚の間、奥にあるものが花弁です。ガクと花弁が区別がつかないような場合、ガクと花弁を合わせて花被といいます。ガクは外側にあるので外花被、花弁は内側にあるので内花被、と呼び分けられます。

区別がつかないぐらい、と言っても、よく見れば、少なくとも、このチューリップの場合は、外花被と内花被が異なるのが観察できます。

まず、上の画像の内花被(=花弁)をご覧ください。この内花被の外側から見える部分には、縦にくぼみが2本入っています。そして、その2本のくぼみの間に紫の線が出ています。また、根本が黄色です。

2024.04.03撮影

今度は、花被(=ガク)をご覧ください。直前の画像の、一番大きく写っている花の、一番近くに写っている花被です。外花被は、ヘリが薄いピンク、中央部分が濃い色で、その濃い色の部分に、紫色の、3本のやや幅のある筋がついています。また、薄い色と濃い色との間も、紫色のボカシになっています。

2024.04.01撮影

上の画像は、花を上から見たものです。内花被(=花弁)が3枚、外花被(=ガク)が3枚、あるのがはっきりとわかります。内花被についている2本のくぼみも見えます。花びらの根本が黄色いです。その黄色い印は、花の外側からも見えます。花の中央にあって3裂したものは、メシベです。メシベを取り囲むように6本あるものは、オシベです。右側に写っている花は、ゾンビー・チューリップです。草丈にこれだけの違いがあります。

わたしのお庭には、あまりピンクの花がないので、このチューリップには、わたしは大満足です。きれいな色だな〜〜


2024.03.30撮影

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ゾンビーと女奴隷

2024年03月29日 08時00分00秒 | ユリ科、チューリップ
2024.03.16撮影

ゾンビーチューリップ(Tulipa fosteriana 'Zombie')のつづきです。

冒頭の画像は、開いたばかりの「ゾンビー」の中央部分です。ツヤツヤしていて、若さにみなぎっていますね。

まだ若い花なので、オシベ6本がまだピンと伸びています。筋の入っている部分と黄色い粉がふいたような部分を合わせたのが、オシベのヤク(葯)です。その下に暗い色で見えるのが、花糸です。オシベの「軸」あるいは「茎」のようなものです。でも、なぜ「花の糸」と呼ばれるのか・・・花の中にある糸みたいな形状のもの、という意味?

メシベは、オシベに囲まれて飛び出ているものです。頭の部分を、柱頭といいます。文字通り、「柱の頭」です。チューリップの柱頭は、先がみっつに分かれます。柱頭の下の柱の部分は、花柱といいます。オシベの花糸に対して、花の中の柱みたいな形状のもの、という意味でしょうか。

以下のリンク先に、花の作りについての簡単な図示がありますので、興味のあられる方は、どうぞ。


2024.03.17撮影

「ゾンビー」が全開したばかりの時には、花の内側の色は、白っぽい薄黄色です(直前の画像)。そして、一般的には、黄色の色が濃くなるのを経て、赤みを増してきます(次の画像)。

2024.03.18撮影

この花の色の変わっていくところを、花の中央部分の画像で、もう一度お見せします。オシベの様子が変わっていくのも見えます。以下の画像3枚は、同一の個体ではありません。

 2024.03.16撮影(冒頭画像)

 2024.03.14撮影

 2024.03.15撮影


チューリップは、他の多くの花と同じように、暗い時(夜や、天気の悪い時)や気温が低い時に、花を閉じます。まず、大きく開いているのからご覧ください。


2024.03.18撮影(晴れ)

これは、3月半ば、バンクーバーで大変晴れていた日に撮った写真です。バンクーバーでは、きれいに晴れると、人々が歓喜します。ホントですよ。野山や公園に出かける人々で交通渋滞が起こるほどです。

2023.04.21撮影(雨上がり)

この画像は、雨が上がってすぐ。水玉が葉にかなりついていますから。でも、晴れてきているみたい。雨でもあまり花が閉じなかったか、徐々に花びらが開いてきているところでしょう。


2024.03.20撮影(大変くもっている)

この画像は、大変暗く、くもっている日のものです。奥の方に見えるみっつの閉じた花は、晴れていた2日前、大きく開いていた花です(前の前の画像)。つまり、これらの閉じている花は、一旦咲いた花が閉じているものであって、まだ咲いたことのないツボミなのではありません。

一方、手前左の花は、終わりかけの花で、すでに、暗くても閉じなくなっています。年齢を重ねたお肌のように、ハリがなくなり、閉じられなくなるのでしょうか。右手前の花は、まだ開いたことのないツボミで、若々しく、みずみずしいですね。

花びらの色は、内側だけでなく、外側も変わっていきます。ツボミの時、外花被の帯状の部分の色は、くすんだ朱色です。花が開くと、その部分は、ピンクっぽい赤になります(直前の画像)。ですから、くもった日に閉じている花は、色を見れば、開いた花が閉じたのか、開いていないツボミなのか、わかるのです。花が古くなると、全体的にピンクになります。

さて、下の画像は・・・

2006.03.27撮影(ゾンビーチューリップにそっくりなチューリップ)

わたしは、自分が写した写真は、植物に限らず、分類してファイルにしてあるのですが、ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa)の下に、ゾンビーチューリップ(Tulipa fosteriana 'Zombie')とは別に、それにそっくりなチューリップがあります(上の画像)。

学名 Tulipa kaufmanniana 'Ancilla'
英名 Ancilla kaufmanniana tulip
和名 カウフマンニアーナ・チューリップ「アンチーラ」
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa

わたしは、実は、「ゾンビー」を植えた時、「アンチーラ」を植え足したつもりだったんですね。それで、写真を整理してみると、どうもおかしい。なんか、写真を見直してからわかることの繰り返しみたい(この花、前からおかしい、と(2) - カラスといちごとクロッカスと)で恥ずかしいんですが。

それで、観察し、検索もしました。そうすると、違いも分かりましたが、混同しているサイトもあることも分かりました。わたしだけじゃないんだ、わ〜〜い、わ〜〜い、と言い訳。違いは、以下でご覧ください。

 
2006.03.27撮影(アンチーラ)        2024.03.14撮影(ゾンビー)

ラテン語 ancilla「アンチーラ」というのは、「女奴隷」という意味です。「ゾンビー」だの、「奴隷」だの、どういう命名の仕方なんでしょう。

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ゾンビーチューリップ

2024年03月27日 08時00分00秒 | ユリ科、チューリップ
2023.04.21撮影

わたしの庭では、チューリップ(Tulipa)は、この園芸種「ゾンビー」が一番に咲きます。今年は特に早く、3月半ばに咲き出しました。例年は、4月半ばです。掲載画像は、去年のも混じっています。

学名 Tulipa fosteriana 'Zombie'
英名 Zombie fosteriana tulip
和名 フォスターリアーナ・チューリップ「ゾンビー」
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa

Tulipa fosteriana 種小名 fosteriana は、英語版Wikipedia Tulipa fosteriana - Wikipedia によると、イギリスのアヤメ類の専門家マイケル・フォスター(Michael Foster)に因むそうです。英語の固有名詞 Fosater「フォスター」から来た種小名なので、「フォステリアーナ」ではなく、「フォスターリアーナ」と読むことになるのかなと思います。

フォスターリアーナ種は、一般に、草丈が低めで、どっしりとしています。骨太、と言いましょうか。葉は、白っぽい光沢があります。フォスターリアーナの園芸種「ゾンビー」もその形質を受け継いでいます。


2023.04.10撮影

「ゾンビー」のツボミは、花が開いた時の大きさにまで成長して色づくと、こんな形と色になります(直前の画像)。おしぼりのような細長いツボミです。外側がくすんだ朱色、花びらの縁と内側が薄黄色。

2024.03.15撮影(今年)

もう少し開いてくると、花びらが6枚あるのが見えるようになります。この「花びら」は、植物学用語的には、花被片と呼ばれます。花被片とは、ガクと花弁が区別しがたいぐらいに見えるものを総称したもので、花の外側にあるの外花被(これが本来のガク)、内側にあるのが内花被(これが本来の花弁)です。ここでは、外花被と内花被が3枚ずつあります。

ゾンビーチューリップの、外花被の外側には赤っぽい帯状の模様が、内花被の外側には細めの線が数本、出ます。

花びらにつく模様について、もうひとつ、次の画像でご覧ください。外花被の赤い帯状の根本に、真鍮のような色の模様がついています。ボタンみたいでかわいいと思います。

 
2023.04.10撮影(去年)

直前の画像(去年)とその前の画像(今年)の撮影日を、比べてみると、3〜4週間の開きがあります。今年の方が、随分早く咲いているのです。

2023.04.10撮影

花びらがもっと開くようになると、外側の花びら(本来のガク)が反りかえるようになります。これで、内側の花びら(本来の花弁)の模様もよく見えるようになります。

2024.03.14撮影

そして、花被片(ガク+花弁)全部がほぼ開き切ると、上のようになります。

チューリップの多くは、ゴブレット型に咲きます。この園芸種の属する Tulipa fosterianaフォスターリアーナ・チューリップ)も、ゴブレット型に咲きます。花が若いうちから平たく咲くチューリップは多くありません。

平たく咲くのは、フォスターリアーナ種でも「ゾンビー」のような園芸種や、また、他の種の原種チューリップです。

2024.03.17撮影

開き切った「ゾンビー」を上から見ると、上の画像のようになります。中央に風車のように見えるのがオシベ、そのオシベに囲まれて飛び出ているのがメシベです。

つづく

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