2021.06.17 (9:26 pm) 撮影
「温暖化で、身バレの植物」第四弾は、ヤナギハナガサ(柳花笠 Verbena bonariensis)です。日本では、草丈に注目した「三尺(サンジャク)バーベナ」、あるいは、学名から「バーベナ・ボナリエンシス」、で流通しているようです。
冒頭の画像は、かなり陽がかげってから、バンクーバー時間の9:26 pm、フラッシュなしで撮影したので、花の色が青目に出ています。でも、これぐらいの時間の方が、環境がしっとりしていて、いい・・・ちなみに、この撮影日(2021.06.17)の日没時間は、統計を調べてみると、9:20 pm でした。夏時間(daylight saving time)実施中の季節なので、「地球地理的」には、これは、8:20 pm のことです。緯度が高いので、日没時間が遅めになります。
この身バレ植物、うちの庭には、鳥の落とし物としてやってきました。越冬しなかったので、一年草かな、ぐらいにしか思っていませんでした。その後、何回か自然発生したのですが、それらの時も越冬しませんでした。きれいで姿が涼やかな花なので、いついてほしいな、とは思ったのですが。
ところが、数年前に、このヤナギハナガサが再びうちの庭に現れて、それ以来消えません。タネからの再出発ではなく、宿根しているようです。バンクーバーの植物耐寒温度区域は、前には「7b」前後だったのが、現在「8a」「8b」「9a」に正式に改訂されています。ヤナギハナガサは南米の熱帯地域に生える植物なので、暖かくなったバンクーバーでも広まっているんでしょう。
植物の耐寒温度区域については、以下の記事を、よろしければ、ご覧ください。
以下の画像は、日没の2時間ほど前に撮ったものです。花の咲き具合が進んだ様子が見えます。赤紫にぷつぷつと見えるものは、花後のガク(とわたしが思っているもの)です。このようになった花の集合体を揺らすと、小さい黒いタネがパラパラと出てきます。この調子でタネがばらまかれると、個体が増えるのかなあ。
2021.07.24 (7:07 pm) 撮影
以下の画像は、直前の画像の右下部分を拡大したものです。わかりにくいかとは思われますが、真横に伸びているのは、茎です。この茎は、丸い茎ではなく、四角の茎で、中空です。葉っぱ、ガク、同様、かなり表面が荒いです。このすう〜と伸びた茎の作り出す姿は夏の花壇の中では魅力的です。
2021.07.24 (7:07 pm) 撮影(拡大)
花の大きさがどれくらいか示すのに、ヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva)(どの変種かは、正確にはわかりません)が背景に入っているものを掲載します。左側が垂れる方の花びらです。そして、そのすぐ奥は、まだ成長し切っていないツボミ。ヤナギハナガサの真後ろのツボミは成長し切っているツボミです。
2022.08.04 (11:10 am) 撮影
今日取り上げた「身バレ植物」も、外来種とは言え、ちゃんとした和名「ヤナギハナガサ(柳花笠)」があります。「三尺(サンジャク)バーベナ」なら、まだ草丈が1メートルぐらいあるのかな、とわかりますが、「バーベナ・ボナリエンシス」になると、「ボナリエンシス」???、となりませんか。なぜ和名が捨て去られていくのか。
ちなみに、bonariensis(ボナリエンシス )は、「南米アルゼンチンの Buenos Aires(ブエノス・アイレス)から」という意味です。buenos aires そのものはスペイン語で、英語でなら、good air、日本語でなら、さあ、どう言いましょう。「いい空気」?
植物屋さんでも、植物学者でさえも、次の2種の「ハナガサ(Verbena)」が混同されることがあるのだそうです。両者とも、南米原産です。
・ヤナギハナガサ(Verbena bonariensis「ブエノス・アイレスのバーベナ」)
・アレチハナガサ(Verbena brasiliensis「ブラジルのバーベナ」)
花の派手な方が、やっぱり、名称から考えても、「アレチ(荒地)」ではなく「ヤナギ(柳)」の方です。
以下で比較ください。
以上、「温暖化で、身バレの植物」を4回にわたり取り上げました。一応、このシリーズは、ここで終わりにします。興味のある方は、記事のリストから、⑴〜⑶をお探しください。