カラスといちごとクロッカスと

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ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)2

2022年10月28日 16時05分52秒 | キョウチクトウ科
2022.04.24撮影

昨日に続き、ヴィンカについて。

ツルニチニチソウ、ヒメツルニチニチソウ、は、大きいか小さいかの違いこそあれ、ひとまとめにヴィンカと呼んでもいいんですが、ヒメツルニチニチソウ(「ヒメ」の方です)にだけ、特別な効能があります! 

“The leaves of the lesser periwinkle, if eaten by man and wife together,
will cause love between them”
「ヒメツルニチニチソウの葉は、夫と妻がいっしょに食べたら、
ふたりの間に愛を引き起こす。」

というような、夫と妻の間には、そもそも愛がないような効能があるんだそうです。「いっしょに食べる」というのがちょっと曖昧なんですが・・・

THE LESSER PERIWINKLE; THE LOVE POTIONS OF LADY WILDE,
MRS. WHISKEYMAN, AND OTHER LOCAL WITCHES

冒頭の画像は、昨日もご紹介した画像なんですが、ツルの伸びた先をご覧ください。若い葉が、上を向いて、春の命が感じられます。こんな部分をツルごと取って、ツルを絡み合わせて、食べるのでしょうか。

この効能は、ツルが絡んでいくから、らしいんですが、ヒメツルニチニチソウのツルは、茎が長いだけみたいなもので、そんなに絡むものではありません。ただ、それぞれの茎が好き勝手な方向に伸びて覆いかぶさっていくので、結果的にほぐれない、というだけ。

それにしても、なぜ「ヒメ」でない方には、この効能がない? 多分「ヒメ」の方がイングランドのどこででも見られる種だった? それで、俗信が生まれやすかった?

2022.09.10撮影

葉は、夏から秋になると、上の画像のように被さりあいます。その上を歩いても、それほど葉は傷みません。と言っても、わたしは抜き足差し足ですが。

この画像には、丸い葉っぱのコバンコナスビ(Lysimachia nummularia)もツルを伸ばしているのが見えます。コバンコナスビは地をびっしりと這いますが、ヴィンカはその上を覆いかぶさるようにして伸びていきます。
ツルニチニチソウ(Vinca major)、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)、の違いを簡単にまとめておきます。

ツルニチニチソウ(Vinca major)
・全体的に大きい
・這い上る性質
・葉の縁に毛がある(以下のリンクの画像を参照ください)

ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)
・全体的に小さい
・地上のものの上を覆っていく性質
・葉の縁に毛がない(以下のリンクの画像を参照ください)

Leaf margins for comparison; Vinca minor above, Vinca major below;
note hairless margin of V. minor, hairy margin of V. major.(画像)

2022.05.04撮影

ヴィンカの英名は、periwinkle「ペリウィンクル」です。植物の方は青いのから赤紫まで花の色に幅がありますが、periwinkle という語が色名に使われるときには、特定の色 very light purplish blue(大変薄い紫がかった青)を指します。以下で色をお確かめください。

Shades of blue (Periwinkle)(英文+画像)

なお、ブログで文句を垂れても仕方ないが、同じWikipediaの記事でも、次のページの色見本と色を特定する数値は間違っています。

Periwinkle (color)

2022.05.25撮影

おもしろいのは、このヴィンカの英名 periwinkle は、植物とその花の色から派生した色の名前以外に、指すものがある、ということ。ヨーロッパ・タマキビ(Littorina littorea)という、大きさ30〜50ミリの巻き貝。潮間帯(潮の満ち引きにより、露出したり海底になったりするところ)に住んで、藻類を主にエサにしているそうです。

ヨーロッパ・タマキビ(Littorina littorea)

スコットランドでよく取れて、美味しいそうですよ。ちゃんと商業ベースに乗っているそうです。

Common periwinkle(英文+画像)

シェークスピアの劇に出てきて、シェークピア自身も食べたんじゃないかな?

以下のリンク先の
3. Periwinkles
の画像をご覧ください。

10 Foods From Shakespeare’s Plays That
Shhakespeare (Probably) ate Himself(英文+画像)

2021.05.28撮影

わたし自身は、英語で生活しているせいか、periwinkle という名前が好きです。上の画像の花の色はいかがでしょうか。

画像の右上にでっかく出ているのは、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)(いわゆる「クリスマス・ローズ」)が、ガク(花びらのように見える)をまだつけたまま、タネの「袋」を形成しているところです。この「袋」の中に多くの種子ができます。時季が来ると、ポロポロこぼれます。みなさんに、お分けしたいぐらいです〜〜。うちは、ヘレボルスが100本以上あります。(あ、自慢!)

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ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)1

2022年10月27日 00時34分46秒 | キョウチクトウ科
2021.04.12撮影

今日のグランドカバーは、ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草 Vinca minor)です。大きさが違う「だけ」という感じのツルニチニチソウ(蔓日々草 Vinca major)もあります。小さい方に「ヒメ(姫)」がついています。

学名 Vinca major
和名 ツルニチニチソウ(蔓日々草)
英名 Greater periwinkle「大きい方のペリウィンクル」
キョウチクトウ科(Apocynaceae)ツルニチニチソウ属(Vinca
花の大きさ 3〜5センチ

学名 Vinca minor
和名 ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草)
英名 Lesser periwinkle「小さい方のペリウィンクル」
キョウチクトウ科(Apocynaceae)ツルニチニチソウ属(Vinca
花の大きさ 2〜3センチ

使用の画像は、全て、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)のものです。理由は、単に、うちにあるのは「ヒメ」の方だからです。

2022.09.10撮影

ツルニチニチソウ、ヒメツルニチニチソウは、花が咲いている時に上を歩くと花が傷むので、歩くのは憚られますが、葉だけの時には、歩いても大丈夫です。常緑で、ありがたいです。

葉は、斑入りのものもあります。白の斑は、葉の外縁に、黄色い斑は葉の内側に出るようです。たまたま、園芸種がそうなっているのでしょうか。以下のサイトに両方の画像が出ています。

Vinca: Periwinkle(英文+画像)

冒頭の画像から、葉の斑入りの部分を拡大します。花びらの真後ろに写っているのは、クルマバソウ(Galium odoratum)の花の咲く前の姿です。

2021.04.12撮影

花の色は、すみれ色、青、青紫、紫、赤紫、という色調です。園芸種には、薄い青色や白のものもあります。上の画像(<冒頭の画像)の花の色は、薄めです。

2021.04.12撮影

ツルニチニチソウ、ヒメツルニチニチソウ、と書くと、目がくらくらするので、両方を代表して、以下、学名の属名(Vinca)から、ヴィンカと呼びます。

上の画像は、春先のものなので、ツルが上へ伸びようとしています。ツルと言っても、巻きつくことはなく、伸びたものが土に触れると、そこが根づきます。

画像中手前に見える葉っぱは、セイヨウジュウニヒトエ(Ajuga reptans)のものです。わたしは、このように、グランドカバーを混植しています。気候条件で何かが緑ではないだろうか、と企んでいるわけです。

以下の画像でも、新しいツルがツンツンと出ています。

画像中、左側のギザギザのある葉は、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)、いわゆる「クリスマス・ローズ」、の若い葉です。(実は、ヘレボルス・オリエンタリスは、本物のクリスマス・ローズではないのですが、それはまたいつか。)

画像の右奥に写っている、青と赤っぽい花は、ヒメムラサキの1種(Pulmonaria longifolia)です。

2022.04.24撮影

ヴィンカは、5枚の花びらが平たく開くのではなく、プロペラ状に花びらが反って(そって)います。そして、中央が凹んでいるのですが、単に凹むだけでなく、その前に、まず盛り上がります。

次の拡大画像でお確かめください。白いぼかしも入ってきれいですね。

2022.05.04撮影

次の画像では、ヴィンカが「障害物」を乗り越えて伸びていっているのが見えます。文字通りの「カバー」なんです。ここでの「障害物」は、アジサイ(紫陽花 Hydrangea macrophylla)の切り株です。(ふ〜〜む、切り方が雑だなあ、反省。)

2022.04.24撮影

次の画像では、ヴィンカが、木の幹に沿って伸びているのが見えます。でも、巻きつくわけでもなく、足を出してしがみつくわけでもなく、単に成長できるところまで伸びるだけです。

ところで、画像左手に、ヴィンカの大きい葉が写っていますが、これは、左側に2本見える軸から出ているのではありません。この2本は、ピンクのジャスミン(Jasminum polyanthum)で、わたしがこの木、モミジバフウ(紅葉葉 Liquidambar styraciflua)に巻きつけてあるのです。ジャスミンは、所構わず巻きついていくので、それを勘弁願うために、木に誘導したのです。

2021.04.29撮影

明日に続きます。

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