2022.08.19撮影(2年前の写真)
こういうイチジクができるのを楽しみにしていたんですよ! 青い実がたくさんなっているんです、例年のように。ところが、なかなか熟れない。
うちのイチジクの木は、数軒先のイタリア人のおじいちゃまが、自分の家のイチジクの枝を切りとって、それを挿し木にしてくれたんです。わたしに取っては、このイチジクの木は、おじいちゃまの形見みたいなものです。
8月になってから、「イチジク、熟れかけているの、ないかなあ」と見ていたんですが、やはり、毎日観察するわけではなく、数日見ていないことになってしまった、ということもあります。
そんなふうに、数日、間が空いた8月の半ば過ぎ、わたしは、庭で草抜きをしていました(草はほとんどないんですけど)。それでちょっと休憩、と、体を起こし、たまたま、イチジクの木の近くで、ぼ〜〜っと突っ立っていたんです。
すると、ほんの目の前で何かが動く。何?
コガラ(Poecile)でした。コガラがイチジクの実をついばんでる。え? 熟れた実があるの? 小鳥がついばむほどに熟れた。コガラよりも、イチジクの実の方に目が行ってしまった。
でも、
・コガラが、単独で、木になっているイチジクの実を食べている、
そして、
・それを、手を伸ばせば届きそうな位置で、自分が目撃している、
というふたつの事実の方が重いことにすぐ気づき、興奮度が上がってきました。
わたしは動くわけにいかないので、コガラ殿のお食事をずっと見ることに。このコガラさんは人間がいるのに気づいていないようで、逃げる気配は全くなし。写真を撮りたくても動けないので、じっとしているしかない。
2024.08.19撮影(午後3時過ぎ)
その位置でずっと身じろぎしないでいるわけにも行かないので、動くと、やっぱりコガラさんは飛び去った。
カメラを取りに、新しい裏口から新しいサンルームに入り、
帰ってきて撮ったのが上の画像です。
これが、1羽(多分)のコガラのなせる業(わざ)。下に垂れた皮の様子から、イチジクの実の側面の、ちょうど中央部から突き出したようです。こんな美味しそうなのを、良くも食ってくれましたな、と罵倒しながら、もうちょっと大写しのも、角度を変えて撮りました(次の画像)。
2024.08.19撮影(午後3時過ぎ)
やや横から撮影したので、これで、どの辺まで 掘ったか分かります。最中心部までは行っていないもよう。
この後、夕方に見に行ってみると、向こう側の皮に穴が空いていた。
2024.08.19撮影(午後7時過ぎ)
観察していると、木の梢の上の方でも食ってるヤツがいる(ふたたび、罵倒)。そんなところにも熟れているのがあったか! わたしが木の下の方で写真を撮って動いているのに、平気なのね。人間の手は、地上からは梢には届かない、とわかっているのかしら。
この実が食べつくされた数日後にも、また単独行動のコガラを見ました。イチジクの木のごく近くを飛び回って、あちこち見ているのです。熟れたのはないか、と偵察しているように見えました。当然、わたしの気づいていない時にも、来ているのでしょう。
前回の記事で、このコガラが集団でディル(Anethum graveolens)に降り立ち、虫だろうと思われるものを食べるところをお見せしました。(ところで、クイズは当たりましたかあ?)
その記事で、うちのあたりにはコガラが3種生息しているようである、と申しましたが、さらに勉強してみると、2種だけであることがわかりました。3種ともブリティッシュ・コロンビア州で繁殖をしているのですが、そのうちの1種は、海岸線には生息しない。
「ブリティッシュ・コロンビア州で繁殖している鳥の地図」
(Atlas of the Breeding Birds of British Columbia)というサイトがあり、
そこに大変きれいな写真と地図、また、グラフが掲載されているのですが、著作権がかかっているので画像を転載できません。ですから、どうか、次のリンク先でこの3種のコガラたちをご覧ください。
アメリカコガラ(Poecile atricapillus)
Black-capped chickadee「黒頭のコガラ」
マミジロコガラ(Poecile gambeli)
Mountain chickadee「山のコガラ」
マミジロコガラ(Poecile rufescens)
Chestnut-backed chickadee「栗色背中のコガラ」
* このコガラはバンクーバーには生息しない
2024.09.11撮影
今年は、わたしの庭では、イチジクが、ぽちぽちとしかできません。そのぽちぽちのうちから、わたしが取り入れるよりも前に食いつかれてしまうのです。それで、ちょっとでも色づいていて柔らかかったら、完熟前に、自分の口に入れることにしました(さいわい、つれあいはイチジクを食べない)。
先日も、小鳥がくちばしで突いて掘った、と思われるイチジクの実がありました。ここまで食べてあるので、そのままにしておくことにしました(恨めしいが)。
そして、コガラの集団がまた来ましたよ。そのうちの数羽が、わたしのいるところのすぐ近くまで来てとまったので、体色を観察しました。その観察からの判断が正しいとすると、この集団のコガラは、アメリカコガラ(Poecile atricapillus)となります。「頭の黒い」コガラです。
アメリカコガラ
Black-capped Chickadee (Poecile atricapillus)