先週、うちの庭のマゼンタのシャクナゲをご紹介した後、UBC(ブリティッシュ・コロンビア大学)の植物園から、さらにいろいろなシャクナゲをお見せしました。今日は、そのつづきです。
画像は、すべて、2013年5月7日の撮影。バンクーバーにひとりで(=父を家においてけぼりにして)訪問中の母と、ふたりで遊びに行った時のものです。母もまだ若かった、わたしもまだ若かった。
冒頭画像のシャクナゲは、ごくごく薄く赤みがかった白い花びらに、臙脂色(えんじいろ)と言っていいだろう赤い斑点が、やや広い面積で出ています。このシャクナゲでは、花柱(メシベの軸)も花糸(オシベの軸)も花びらの色と同じ。こういう色づかい、きれいですね。
このシャクナゲは、花の形に飾り立てがなく、すっきりしています。しかし、色に特徴があります。バラ色(と言っていい?)の花びらが、中央に向かって白っぽく、根本部分がオレンジ色がかっている。斑点もオレンジ色で、きれいに広がっています。
実は、わたしは、こんなシャクナゲがほしいと思っているんです。よく行くカフェの近くの歩道の植え込みに、これにそっくりなシャクナゲがあります。住宅地なら、市の条例により、住人が植え込みの管理をするのですが、商業地区だからだと思います、市から派遣された人が剪定していたりします。
ある時、その剪定した枝を、挿し木にしようと、頼んでもらってきたのですが、うまくつきませんでした。ま、ナマケモノのわたしのすることですから、こんなもんでしょ。さすが、わたしでも、レンギョウは挿し木で増やせるが。
このシャクナゲの木は、花が大変よくついています。それだけでも見事なのですが、花が5裂よりも多いのかな? 花びら片も重なっているようだし。それに、それぞれの花びら片の先が割れています。おまけに! 斑点がぐるりと出ている。上の方が色が濃く、下の方が薄いです。愛嬌があるのは、メシベの柱頭がポチッと黄緑。
斑点がぐるりとついているシャクナゲがあるか、と思えば、この薄いレモン色のシャクナゲのように、斑点が見当たらないのもあります。その代わりと言っていいか、オシベの先についたヤクが花びらを背景に突き出て浮き出して、味があります。
上のレモン色のシャクナゲの木の背景に、白いシャクナゲの木が見えます。それが、この上の白いシャクナゲです。斑点はないようで、レモン色のと同じように、ヤクが花びらを背景にして見えます。
画像左端の花は、もう落ちようとしている花です。花柄と花びらをかろうじてつないでいるのは、メシベです。その真後ろの花も、メシベでぶら下がっているようです。
真っ赤ですね。斑点がついているようですけど、花弁の地の色と変わらないみたい。花糸(オシベの軸)も花柱(メシベの軸)も、そして、柱頭(メシベの頭)も、みんな赤。オシベの先にあるヤクだけが真っ黒。
そのオシベの先を拡大すると、、、
オシベの先端にあるヤク(葯)は、ツツジ属の花では、ふたつの袋の上部がくっついたみたいなものです。そのそれぞれの「袋」を、半葯といいます。半葯は、さらに、ふたつの「部屋」に分かれ、そのそれぞれの「部屋」を、葯室といいます。
ヤクは、花粉を出すのに、多くは縦に裂けるものですが、ツツジ属では、先端に穴が開きます。半葯の先端だけが見える場合はふたつの「穴」が、葯室まで見える場合には4つの「穴」が、見えることになります。
と、ここで、突然、記事を終えることにします。
次回は、マゼンタの花にもどります。