Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

窓付き真空管アンプの製作(5)

2024-12-22 18:35:23 | 窓付き真空管アンプの製作

そろそろシャーシのレイアウトなどを決めないといけないのですが、まずは実験です。

電源トランスや出力トランスはコアのカバーはついているものの、ほとんど裸に近い状態なので、電源トランスの漏れ磁束は盛大に発生し、出力トランスでそれを拾う可能性があって、ノイズとして出力されるので現在検討している配置で大丈夫か、実際に確認してみます。

出来れば下記の様な配置で製作したいのですが、この配置ではどうなのでしょうか。

まずは、電源トランスに電源を接続して、負荷をつけ電流が流れるように準備します。100V巻線の接続だけでもいいかもしれませんが、電流が流れないと磁界は発生しないのでヒータ巻線には電流の多い、6CD6(2.5A×2)とB電源の巻線(120V)に910Ωの抵抗をつけて約130mA流れるようにしています。

まずは電源の接続なしで左側の出力トランスの1次側(5kΩ)にオシロをつないでノイズがどのくらい出ているか確認してみます。

下記のように最大約20mVくらいのノイズが出ています。恐らく周辺の電気製品や電灯線などからのノイズの可能性がありますが、電源を入れてノイズが増えるとトランスの配置を検討せねばなりません。

では、電源を入れてみます。ノイズは出るでしょうか。

なんと!盛大にノイズが出ています。20mV程度だったのが85mVくらいまで出ています。ちょっとずらすと100mVくらいになる場合もあります。

これはいかん!ということで出力トランスの角度を変えてみました。

上記のように、左側のトランスを90度変えてみましたが、これはどうでしょうか。

あまり変わらず、逆に増えています。ちなみに1次側が100mV程度のノイズが出ていれば2次側は1/25の約4mVになります。そこに負荷をつなぐので、もう少し下がる可能性はありますが、やはりちょっと電源トランスの影響が大きくこの配置はだめっぽいです。

次は、逆転の発想で電源トランスに出力トランスを近づけてみます。

この配置ではどうでしょうか。恐らくはもっとたくさんノイズを拾っている可能性があります。

ところがどっこい、半分くらいのレベルになりました。

もっと電源トランスに近づけてみました。下記のような感じです。

すると・・・

かなり下がりました。思っていたのとかなり違う結果になってしまいまいた。

ところで元の位置に置いてもう少し角度を変えてみました。下記のように45度斜めにしてみます。

ノイズは下記のような感じです。約20mVくらいになっています。

この置き方だと出力には1mV以下になり、これで良さそうですが、トランスのネジ穴がシャーシからはみ出してしまい、この取り付け方は出来そうにありません。残念・・・。

結局のところ、下記の様な配置が良さそうです。

しかし、この配置だとなんだか締まりがなく格好悪いので、もう少し検討が必要です。なんかよい方法はないものか・・・シールドなどをつけてみるとか工夫してみようと思います。

 

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窓付き真空管アンプの製作(4)

2024-12-21 18:43:36 | 窓付き真空管アンプの製作

先週に引き続き、シャーシ関連の作業です。

先週は鋳掛屋になり、シャーシの穴埋めを行いましたが、今日はその結果の確認とシャーシの塗装を剥がしてプラサフだけ塗っておきました。

塗装の剥離は下記のものを責めたいと思います。

真ん中のスプレー缶には剥離剤が入っており、塗装された部分の塗装をはいでいきます。

メインシャーシも当初は剥離剤を掛けようと思いましたが、作業量を考えると大変なので、このシャーシはサンダーで削ることにしました。

剥離剤は、底板、前後のパネル、サブシャーシの部分になります。剥離の要領は以前、やっていますので同じようにやりました。

前回と同じく水洗いします。

綺麗になりました。

こんな感じですべて剥離できました。

ところで、気になるのは前回やった鋳掛の結果ですが、どんな感じになったでしょうか。

サンダーで削ったところ上記のような感じです。写真では結構ふちが目立っていますが、その場での見た目はあまり目立たないかな?と思いました。しかし写真ではこんな感じで目立っていましたので、もう少しパテ埋めを頑張ればよかったかなと思います。

が、その場では大丈夫だろうと判断し、プラサフを塗ってみました。

塗りたての状態では、ほとんど埋め跡は目立ちません。

では、乾いたところで見たらどうでしょう。

こんな感じになりました。案外目立つかも知れない・・・これに上から暗い色を塗ると大丈夫な可能性もありますが、やはり気になります。

少しパテ埋めが少なかったかもしれず、もう一度頑張るかもしれません。とりあえず今日の作業はここまでにしました。

 

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窓付き真空管アンプの製作(3)

2024-12-15 18:49:07 | 窓付き真空管アンプの製作

突然ですが、鋳掛屋ってご存じでしょうか。

Wikipediaでは「鋳造された鍋、釜などの鋳物製品の修理・修繕を行う職業。鋳かけ、または「鋳鐵師」との表記もなされる。」

今日は鋳掛屋になりました。

上記写真は窓付きアンプのシャーシの前面パネルですが、赤丸の部分の穴はもとはスライドスイッチが付いていたのですが、次に製作するアンプでは恐らく使用しないので不必要な穴はふさぎたいのです。これをふさぐ方法ですが、以前、宝塚にあったValves’Worldという真空管アンプ工房のTossieさんに教えてもらったのが鋳掛です。

昔は鍋などの穴をふさぐ鋳掛屋という商売があったようですが、先のWikipediaによると最近はもうなくなったようです。確かに子供の頃は、刃物研ぎや湯たんぽの穴の修理、鍋の修理のようなことをやっているおじさんがトラックでよく来たものですが、さすがにそんな商売をやっている人も見なくなりました。

今回は鋳掛といっても大したことはなくただ穴をふさぐだけです。特に鉄を溶かしたりはしませんがハンダを溶かす程度のものです。

まずは小さな穴から埋めます。

まずは金床を用意します。私の場合、金床は30㎝スピーカから外した角型ヨークのアルニコマグネットです。そして針金みたいなのは園芸用などで使用するアルミの針金です。

写真を撮る前にすでに左側の穴は試しに埋めてみたのですがうまくいったのでターゲットは右側になります。

まずは、アルミの針金を5-6mmに切り取り、穴に入れます。そしてそのまま金槌でシャーシを傷つけないように叩きます。

これくらい叩けばいいでしょうか。ペチャンコになるぐらい叩けばよいです。では表はどうなったかというと・・・

こんな感じです。境目がわかってしまうほどできれいには埋まっていないですが、これを後でパテで埋めれば大丈夫です。ちなみに埋めたアルミは膨らんでいますのでなかなか外れません。

次に大きな四角の穴です。

こいつはさすがにアルミの針金では細すぎますので、ハンダで埋めたいと思います。

上記の金属塊は、はんだごてから出たカスが長年かかって積もったものです。こんな塊が数個あります。ここから適量を切り取り、四角い穴に入れて金槌で裏からたたき、同じように埋めたいと思います。

少し盛り上がっていますが、こんな感じです。表側は下記のようになりました。

これも端はパテ埋めです。パテを用意します。

パテはなんでもよいと思いますが、今回は写真のようなものです。2つの成分を混ぜるタイプです。

で表側にパテを塗ってみたいのですがなんと!この大きな穴のハンダの塊が層になっていたようでパテを抑えると裏側からはがれてしまうというトラブルが・・・

失敗しました、やはりハンダの屑が集まったものではだめでした。気を取り直し、今度はちゃんとしたハンダを使用し、穴に合わせて溶かします。

金床の上ではすぐに冷えてしまうので、木板の上で溶かします。

これを上から金槌で叩きます。

表を見てみますと・・・

ハンダのヤニが目立ちますが、うまくハンダが挟まっているようです。先ほどのパテで穴埋めをします。

とりあえず、きちんと埋まったようです。パテが乾いたら紙やすりで削るのですが、これらの作業は塗装の剥離など含めて一度にやってしまおうと思います。ですが本日は忙しかったためまた次回の作業にしたいと思います。

 

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窓付き真空管アンプの製作(2)

2024-12-14 18:26:39 | 窓付き真空管アンプの製作

先週に引き続き窓付きアンプの製作です。

アンプを製作するには、シャーシをきれいにする必要があり元々ついていた部品類を外し、生まれたままの姿に戻してみることにします。

まずは、ボンネットですが以前、塗装をはいだ時に塗装くずが通気孔に詰まっていることがわかりました。

この穴の中に塗料のかすが付いているものがあるので、カッターナイフでこそげ落としました。

こそげ落ちた塗料のかすが窓から見えます。

次にシャーシの中身ですが、まだ少し部品が付いていますのでこれらもきれいに外します。

裏蓋もありました。

この塗装は剥がさないといけませんねー。かなり面倒です。ゴム足は廃棄です。

こういう接着剤はまた面倒です。

そうこうしているうちにすべての部品を外し終えました。

ホコリやら汚れやらがありますので、これらは水洗いです。

水洗いは終わりました。

あまりきれいになってはいませんが、塗装をするのでこの後ペーパーを掛けるため、それほどきれいにする必要はありません。

とりあえず今日はここまでですが若干の部品も流用しようと思います。

 

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窓付き真空管アンプの製作(1)

2024-12-08 20:52:53 | 窓付き真空管アンプの製作

年末の休みに向けてそろそろアンプ製作をと思っていますが、部品やら何やらかなりたまってきましたのでそれらを有効活用できるようなアンプにしようと考え、以前ジャンクで入手したアンプと特注で作ってもらったトランスを使用したアンプを製作しようと思います。

まず、シャーシですが、表題の窓付きというのは、シャーシにカバーが付いておりそこに中身が見えるように透明の窓が付いているタイプのアンプを以前入手しましたのでこれを有効活用したいと思います。

どんな感じかといいますと、下記のような写真の筐体になります。

このシャーシの上に載っているカバーの部分は、以前こちらで掲載したものになります。塗装が汚く剥がすのに四苦八苦したものです。現在はプラサフを塗ってますが、アンプ製作時は色をきれいに塗りたいと思います。カバーの下のシャーシ前面パネルもそのまま使用するか、パネルだけ付け替えるかしたいと思います。

カバーの中身は下記のような感じです。

まだ部品が付いていますが、これらはもちろん使用するものだけ取り付けます。

そして出力トランスですが、以前特注で製作してもらったものを使用したいと思います。

EI型のオリエントコアを使用した30Wのトランスになります。このトランスの巻線は少し変わっていまして、2次側が下記のような巻線になっています。

この巻線はハモンドのトランスを参考にしました。2次側の接続を切り替えることでいろいろなインピーダンスに効率よく変更できるようにしたく、このような巻線にしました。パートリッジだったかは、2次側に1Ωの巻線を4本出して、これを直列、並列に接続し効率良くいろんなインピーダンスを作り出していますが、これをある程度まとめた形がハモンドの形式になるかと思い、この巻線にしました。よくあるパターンで、巻き線の途中からタップを出したものがありますが、例えば16Ωの出力に8Ωを出そうとすると、16Ω分巻いているにもかかわらず、使用している巻線は1/4しかありません。残りは使用しないことになり、効率があまりよくないのではと思います。巻線の有効活用を狙ったものになりますが、果たして出てくる音やいかにといったところ。

ただ、残念なことに各リード線の色がどのタップになるのか、資料をなくしたようで見当たらなく、以前何かのトランスで測定したように再度測定しながら、リード線を確認していく必要がありそうです。

このトランスをシャーシに載せてみました。

スペース的にも何とか載せられそうです。

そして電源トランスは元々ついていたものを使用します。

この電源トランスはTANGOのST-250ですが、B電源の巻線の容量は十分であるもののヒータ巻線が、6.3Vは2個しかなくシングルステレオでは主に傍熱管向けのトランスになるかと思います。ちょっと残念ですが仕方がありません。

さて、このアンプに載せる球ですが何にしようか思案中です。どんなアンプになるのでしょうか。

 

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