猫を捨てる奴は捨てられろ

猫とプログレとオーディオとベスパのブログです。

五反田 ゆうぽうとホール の音

2015年01月12日 15時30分00秒 | 音楽
昨年、牧阿佐美バレエ団の公演で二度、五反田のゆうぽうとホールに行きましたが、この会場の音が良かったので記します。

私が行った一回目はコンダウーロワが出演した10月の白鳥の湖、二回目は12月のくるみ割り人形でした。
どちらも音楽は東京ニューシティ管弦楽団の生演奏で、コンサートピットでの演奏でした。
また、そもそもクラシックのコンサートを想定した会場ではないと思われ、いわゆるホールトーンが乗るような会場ではありませんでした。

しかし、音に余計な付帯音を付けさせない音響のデッドさが、各楽器の輪郭を明確に描き出すことに寄与し、細かい演奏の表現までも伝えてくれました。
つまらないと思っていたチャイコフスキーのバレエ曲がこんなに素晴らしいものだったのかと認識を改めさせてくれました。
もちろんこれは、一に、そもそも劇伴音楽としてして作られた曲が正しい使われ方をして真価を露にしたということ、二に、劇伴とはいえ手を抜いた演奏ではなかったことが大きいとは思いますが、演奏の良さをマスキングしなかった会場のおかげもあったと思います。

私は両日とも音楽に合わせ自然に身体を揺らしていました。音楽に身体を動かされたと言った方が正しいかもしれません。くるみ割り人形では私の連れの隣の男性も身体を揺らしていたので間に挟まれた連れはさぞ気持ち悪かったことでしょう。

クラシックの世界では(特にリスナーは)「ホールトーン」という言葉を神格化すらしていますが、つまるところ残響でしかないそれは、せっかくの生演奏の物凄い情報量をマスキングしてしまいます。
この会場の音を聴いて、「ホールトーン」って何なの?という思いを強く持ちました。

コメント
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