ぜんぶで4まん600えん。もりかわのおやじはぶあいそうにいいました。
こうかなかいものをしたのになんてぶあいそうなのかしら、このひとはきっとじょしがきらいなのね、ほもにちがいないわ。とかのじょはおもいました。でもこどももいるしへんね、とおもいながらはらいをすませてみせをでようとしたら、
もりかわのおやじが、そんなにぶあつくておもたいしゃーしになにをいれるんだい、ときいてきました。
しゃーしってこれのことかしらとおもいながら、ぱーとりっじをいれるの、とかのじょがこたえると、5~6にんのきゃくでにぎやかだったみせのなかが、しんとなりました。
しばらくして、ぱーとりっじってぱーとりっじかい、ときゃくのひとりがきいてきたので、かのじょは、ぱーとりっじってぱーとりっじよ、とこたえました。
するともりかわのおやじがみせのおくからはしってきて、このすいっちくらふとをもっていけ、といって、かのじょがかかえているしゃーしとよんだもののうえにおきました。
そしておだいはいらない、といってぶあいそうにまたみせのおくにもどっていきました。
かのじょはかえりながら、ただでものをくれるなんてなんていいひとなのかしら、ほもじゃなかったわ!とおもいながら、
りょうてのなかのおもたいきんぞくのはこをみて、そして、ああ、これできっとぱーとりっじがきれいなおとをだしてくれるにちがいないわ、とおもいました。
さて、かのじょのいえはひどくびんぼうでしたが、かのじょのいえにはほこるべきふたつのものがありました。ひとつはかのじょのおっとのぱーとりっじです。かのじょにはそれがなにかわかりませんでしたが、かのじょのおっとがいうには、にどとてにはいらないわざもので、にどとてにはいらないわざものだということでした。
そしてもうひとつはかのじょがちちおやからうけついだかめらのれんずでした。とてもりっぱな、めいたまとよばれているもので、こんなにきれいなものはもうどこにもないといって、かのじょのちちおやが、かのじょがけっこんするときになきながらくれたものでした。
さて、かのじょがいえにかえると、かのじょのいえはひどくびんぼうでした。
かのじょはゆうしょくのじゅんびをはじめました。びんぼうではありましたが、きょうはくりすますなので、いつもよりもきらきらとすてきな食卓ができあがりました。そしておっとのかえりをまちました。
ふとめをあげると、たなのうえに、もううごかなくなったかのじょのかめらがありました。
かのじょがちちおやからもらったれんずがつくような、りっっぱなかめらではありませんでしたが、かのじょがながいあいだつかっていた、かのじょのたったひとつのたからものでした。
もうしゃしんがとれないとおもうとかなしくて、ぽろぽろとなみだがこぼれましたが、くりすますなのでなかないぞ、とおもい、なくのをやめました。
かのじょのおっとは、すこしおくれてかえってきました。
どあがあき、かのじょのおっとがはいり、どあをしめました。
そして、かのじょに、きれいにつつまれたはこをわたしました。
かのじょがつつみをあけると、なかにはあたらしいかめらがはいっていました。
「きみのれんずがつくかめらだよ」とかのじょのおっとがいいました。
「さっそくきみのれんずをつけてきょうのすてきなゆうしょくをしゃしんにとろう」
おっとのこのことばにはしたがわず、かのじょはいすにしずかにこしをおろし、にっこりとほほえみました。
「れんずはうっちゃったの」
かのじょのおっとははとがまめでっぽうをくらったようなかおになりました。
かのじょはかのじょのおっとへあゆみよりました。
「そんなかおしないで。だって、あなたにぷれぜんとひとつあげずにくりすますをすごすなんてぜったいできないんだもの。―― きにしない、でしょ? こうしなきゃだめだったの。ほら、れんずなんかだんぼーるにあなをあければできるわ。『めりーくりすます』って言ってよ。そしてたのしくすごしましょ。どんなにすてきな ―― きれいでおもたくてすてきなぷれぜんとをあなたによういしたか、あてられないわよ」
かのじょはかのじょのおっとをまねきいれ、じょうぶなかみぶくろにはいったおくりものを、かのじょのおっとにおもいをこめてさしだしました。じゅうきんぞくのにぶいひかりは、かのじょのかがやくばかりのねっしんなきもちをはんしゃしているかのようでした。
「ねえすてきじゃない?とくちゅうしてつくってもらったのよ。あなたのぱーとりっじをこのしゃーしにつけたら、きっときれいなおとがでるわ。ぱーとりっじ、かしてよ。このしゃーしにつけたらどんなすてきなおとがでるかききたいの」
かのじょのこのことばにはしたがわず、かのじょのおっとはいすにどさりこしをおろし、にっこりとほほえみました。
「ねえ、ぼくたちのくりすますぷれぜんとは、しばらくのあいだ、どこかにしまっておくことにしようよ。いますぐつかうにはじょうとうすぎるよ。かめらをかうおかねをつくるために、ぼくはぱーとりっじをうっちゃったのさ。さあ、しょくじにしようよ」
そしてつけくわえました。
「しゃーしなんてむずかしいことばよくおぼえたね」
こうかなかいものをしたのになんてぶあいそうなのかしら、このひとはきっとじょしがきらいなのね、ほもにちがいないわ。とかのじょはおもいました。でもこどももいるしへんね、とおもいながらはらいをすませてみせをでようとしたら、
もりかわのおやじが、そんなにぶあつくておもたいしゃーしになにをいれるんだい、ときいてきました。
しゃーしってこれのことかしらとおもいながら、ぱーとりっじをいれるの、とかのじょがこたえると、5~6にんのきゃくでにぎやかだったみせのなかが、しんとなりました。
しばらくして、ぱーとりっじってぱーとりっじかい、ときゃくのひとりがきいてきたので、かのじょは、ぱーとりっじってぱーとりっじよ、とこたえました。
するともりかわのおやじがみせのおくからはしってきて、このすいっちくらふとをもっていけ、といって、かのじょがかかえているしゃーしとよんだもののうえにおきました。
そしておだいはいらない、といってぶあいそうにまたみせのおくにもどっていきました。
かのじょはかえりながら、ただでものをくれるなんてなんていいひとなのかしら、ほもじゃなかったわ!とおもいながら、
りょうてのなかのおもたいきんぞくのはこをみて、そして、ああ、これできっとぱーとりっじがきれいなおとをだしてくれるにちがいないわ、とおもいました。
さて、かのじょのいえはひどくびんぼうでしたが、かのじょのいえにはほこるべきふたつのものがありました。ひとつはかのじょのおっとのぱーとりっじです。かのじょにはそれがなにかわかりませんでしたが、かのじょのおっとがいうには、にどとてにはいらないわざもので、にどとてにはいらないわざものだということでした。
そしてもうひとつはかのじょがちちおやからうけついだかめらのれんずでした。とてもりっぱな、めいたまとよばれているもので、こんなにきれいなものはもうどこにもないといって、かのじょのちちおやが、かのじょがけっこんするときになきながらくれたものでした。
さて、かのじょがいえにかえると、かのじょのいえはひどくびんぼうでした。
かのじょはゆうしょくのじゅんびをはじめました。びんぼうではありましたが、きょうはくりすますなので、いつもよりもきらきらとすてきな食卓ができあがりました。そしておっとのかえりをまちました。
ふとめをあげると、たなのうえに、もううごかなくなったかのじょのかめらがありました。
かのじょがちちおやからもらったれんずがつくような、りっっぱなかめらではありませんでしたが、かのじょがながいあいだつかっていた、かのじょのたったひとつのたからものでした。
もうしゃしんがとれないとおもうとかなしくて、ぽろぽろとなみだがこぼれましたが、くりすますなのでなかないぞ、とおもい、なくのをやめました。
かのじょのおっとは、すこしおくれてかえってきました。
どあがあき、かのじょのおっとがはいり、どあをしめました。
そして、かのじょに、きれいにつつまれたはこをわたしました。
かのじょがつつみをあけると、なかにはあたらしいかめらがはいっていました。
「きみのれんずがつくかめらだよ」とかのじょのおっとがいいました。
「さっそくきみのれんずをつけてきょうのすてきなゆうしょくをしゃしんにとろう」
おっとのこのことばにはしたがわず、かのじょはいすにしずかにこしをおろし、にっこりとほほえみました。
「れんずはうっちゃったの」
かのじょのおっとははとがまめでっぽうをくらったようなかおになりました。
かのじょはかのじょのおっとへあゆみよりました。
「そんなかおしないで。だって、あなたにぷれぜんとひとつあげずにくりすますをすごすなんてぜったいできないんだもの。―― きにしない、でしょ? こうしなきゃだめだったの。ほら、れんずなんかだんぼーるにあなをあければできるわ。『めりーくりすます』って言ってよ。そしてたのしくすごしましょ。どんなにすてきな ―― きれいでおもたくてすてきなぷれぜんとをあなたによういしたか、あてられないわよ」
かのじょはかのじょのおっとをまねきいれ、じょうぶなかみぶくろにはいったおくりものを、かのじょのおっとにおもいをこめてさしだしました。じゅうきんぞくのにぶいひかりは、かのじょのかがやくばかりのねっしんなきもちをはんしゃしているかのようでした。
「ねえすてきじゃない?とくちゅうしてつくってもらったのよ。あなたのぱーとりっじをこのしゃーしにつけたら、きっときれいなおとがでるわ。ぱーとりっじ、かしてよ。このしゃーしにつけたらどんなすてきなおとがでるかききたいの」
かのじょのこのことばにはしたがわず、かのじょのおっとはいすにどさりこしをおろし、にっこりとほほえみました。
「ねえ、ぼくたちのくりすますぷれぜんとは、しばらくのあいだ、どこかにしまっておくことにしようよ。いますぐつかうにはじょうとうすぎるよ。かめらをかうおかねをつくるために、ぼくはぱーとりっじをうっちゃったのさ。さあ、しょくじにしようよ」
そしてつけくわえました。
「しゃーしなんてむずかしいことばよくおぼえたね」