化学系エンジニアの独り言

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ドリリングコントラクター

2006-09-21 | 石油
自民党総裁選はあっさり安倍氏が過半数を獲得してしまいました。2位3位連合の逆襲などの権謀策術ははるか昔の話です。もう小説・吉田学校の世界には戻らないのでしょうか。個人的には将来への明確なビジョンと実行計画を示しているビジネス感覚あふれる麻生氏に期待していたのですが、残念です。

タイのクーデターはそれほど大きな衝撃を与える間もなく、首相の亡命とクーデター軍の民主主義制度における改革団宣言、近い将来の選挙ということで落着です。アメリカの新聞HPを見て、このクーデターが大きく取り上げられていないのは不思議でしたが、そういうことかと納得しました。

さて、カナダでは原油高を背景に石油掘削が2年続けて増加する見込みです。これに対してガス掘削は価格が変動しているため、やや減少すると予想されています。

石油井の数を見ると、2004年が4,427、2005年が4,822と9%の増加です。また1月から6月の上半期で比較すると2005年が1,746、2006年が2,235で実に28%の増加になっています。

一方、ガス井は2005年に比べて2006年は2%の減少だそうですが、コールベッドメタンについては増加しており、ガス井全体の30%に達するそうです。

原油高により石油掘削数が増加するのは容易に理解できますが、もう一つの理由としてgrowing rig fleetというものがあげられています。rig fleetとは日本ではなじみの薄い言葉です。直訳すれば掘削リグの一団ですが、要するに石油掘削会社が保有する掘削リグ装置一式といえばよいでしょうか。

10年前のリグ数は460だったそうですが、2006年は800に増えているそうです。リグですから文字通り石油井を掘る機械です。これが増えるということは石油会社が井戸掘りを増加させている、つまりは原油開発を進めているということです。

油田の権利を持っている石油会社は、自分で油井を掘るのではなくこの石油掘削会社(Drilling contractor)に仕事を発注するわけです。ところがリグ機械の数が不足していると、いくら石油会社が原油開発をしたくてもできないことになります。
逆に言えば、リグ数の増加により石油会社の原油開発が順調に進んでいるということになります。

原油生産量と並んでリグカウントという数値が石油業界では使われています。リグカウントとはこの掘削井のことですから、これが増加しているということは将来の原油生産井を増やしていることで原油生産量増加に直結します。いわばリグカウントは原油生産量(原油生産能力といったほうがよいか)の先行指標ということになります。