化学系エンジニアの独り言

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自動車メーカーを訴えろ?

2006-09-22 | 環境
カリフォルニアの州検事は、地球温暖化が同州の環境、経済、農業、人の健康に被害を与えているとして、自動車メーカー6社を北カリフォルニア地裁に訴えました。

GM,トヨタ、フォード、ホンダ、クライスラー、日産は毎年289百万トンのCO2を排出している自動車を製造して、公共に対して迷惑を及ぼしていると主張し、賠償の責任があるとしています。

自動車は全米で5番目、カリフォルニアで3番目のCO2排出源であり、その責任は自動車メーカーにあるとしています。さらに大気汚染、海岸侵食、水不足によりイ1000万人以上が被害を受けていると主張しています。

自動車の排気ガスと水不足がどういう因果関係にあるのか理解に苦しみますが、言いがかりの感はぬぐえません。

案の定、自動車メーカーは反論しています。
先に北東部の7州が同様に環境被害という理由で電力会社を訴えたが敗訴した。それと同じように全く迷惑な話しだ。
今の自動車は一世代前のものに比べると99%クリーンになっている。さらに究極のクリーン自動車、水素自動車の開発を継続しているし、その間の繋ぎとして、フレックス燃料エンジンも開発した、ということです。

ちなみにフレックス燃料エンジンとはエタノール混合ガソリン用エンジンで、エタノールの混合比率がいくらであっても自動的に対応できるエンジンです。

さらに、訴えを起こした州検事総長は次の選挙に出馬予定なので、そのための人気取りだろうとのうわさもあります。

最も米国のメーカーは利益率の高いSUV車を積極的に販売してきました。SUVは燃費が悪いのでCO2排出抑制に米国メーカーが真摯に取り組んできたとは言いがたい面もあります。その間に、日本のメーカーの小型車、高燃費車に押されて、GMやフォードは販売不振でアップアップ状態ですから、米国メーカーは「空気を汚した」のではなく、「空気が読めなかった」という大きなつけをこれから払うことになります。