2004年に5%増加を示したアジアパシフィックの石油需要は、2005年には2%とその勢いを低下させました。しかし2006年には3%を越える需要増加になると、ホノルルに本拠を置くFACTS社はレポートしています。
2005年の減速の原因は石油価格高騰と各国の補助金廃止によります。アジア諸国では石油製品に補助金を出すことで内外の価格差が大きくなっていました。これにより密輸の横行や石油製品の不正使用がはびこっていましたが、各国製油は国内石油製品の値上がりにつながる補助金の廃止には後ろ向きでした。どこの国の政権でも国民から政治的非難を受ける政策は取りたくないものです。
しかしここにきてタイやインドネシアでは予算的制約から補助金の大幅削減や廃止を行なっています。これによって石油製品の国内価格は上昇し、それにつれて石油需要にブレーキがかかりました。さらに一部の国々では価格高騰に後押しされて代替燃料の導入、バイオ燃料や天然ガス自動車、が進んでいます。
よく言われることですが中国の需要増加はアジアパシフィック地域全体の需要増加の2分の3を締めています。しかし統計のとり方によってその増加量は変わるようです。IEAのレポートでは2005年の需要増は15万BD(2.4%)ですが、これを見かけの需要増加といっています。この数値はあまりに小さすぎで、2004年の在庫増加と2005年の在庫減少を加えた需要増加は80万BD(14.6%)に達しており、これが真の需要増加といえます。
中国では補助金により国内石油価格を低く抑えています。このため中国の製油所や石油ディーラーは、より大きな利益を得るために国外への輸出や密輸を行なっており、経済成長に必要な国内石油製品が不足することとなっています。
一例として香港の軽油需要の推移があります。2005年の香港の軽油消費は34,000BDの減少でしたが、トラック業者や軽油需要家が使用している軽油の実際の減少量は20,00BDに過ぎません。その差は広東から調達しているためです。その証拠に2006年に広東と香港の価格差が解消されると11,000BDの増加となりました。
日本の石油消費はどうかというと、1999年と2003年に8万BD程度の増加が見られましたが、それ以外の年はすべて減少しており、アジアパシフィックでは唯一の需要減少国です。
アジアパシフィックでの製品構成は軽油(30%)、ガソリン(17%)、燃料油(16%)、ナフサ(12.7%)、LPG(9.7%)、灯油(9.6%)となっています。日本の構成はガソリン(22%)、A・C重油(20%)、ナフサ(18%)、軽油(14%)、灯油(12%)、LPG(12%)です。アジアパシフィックでは軽油の需要がダントツに大きいのがわかりますが、自動車での消費はこれの半分以下ですから主として内燃機関で使用されていると推定されます。また、燃料油の割合が随分と低くなっていますが、日本で言うA重油は軽油と分類されているものと思われます。
今後の需要量の増加とともにこの需要構成は、モータリゼーションの進展、石油化学産業の発展により日本のパターンに似てくるものと予想されます。
2005年の減速の原因は石油価格高騰と各国の補助金廃止によります。アジア諸国では石油製品に補助金を出すことで内外の価格差が大きくなっていました。これにより密輸の横行や石油製品の不正使用がはびこっていましたが、各国製油は国内石油製品の値上がりにつながる補助金の廃止には後ろ向きでした。どこの国の政権でも国民から政治的非難を受ける政策は取りたくないものです。
しかしここにきてタイやインドネシアでは予算的制約から補助金の大幅削減や廃止を行なっています。これによって石油製品の国内価格は上昇し、それにつれて石油需要にブレーキがかかりました。さらに一部の国々では価格高騰に後押しされて代替燃料の導入、バイオ燃料や天然ガス自動車、が進んでいます。
よく言われることですが中国の需要増加はアジアパシフィック地域全体の需要増加の2分の3を締めています。しかし統計のとり方によってその増加量は変わるようです。IEAのレポートでは2005年の需要増は15万BD(2.4%)ですが、これを見かけの需要増加といっています。この数値はあまりに小さすぎで、2004年の在庫増加と2005年の在庫減少を加えた需要増加は80万BD(14.6%)に達しており、これが真の需要増加といえます。
中国では補助金により国内石油価格を低く抑えています。このため中国の製油所や石油ディーラーは、より大きな利益を得るために国外への輸出や密輸を行なっており、経済成長に必要な国内石油製品が不足することとなっています。
一例として香港の軽油需要の推移があります。2005年の香港の軽油消費は34,000BDの減少でしたが、トラック業者や軽油需要家が使用している軽油の実際の減少量は20,00BDに過ぎません。その差は広東から調達しているためです。その証拠に2006年に広東と香港の価格差が解消されると11,000BDの増加となりました。
日本の石油消費はどうかというと、1999年と2003年に8万BD程度の増加が見られましたが、それ以外の年はすべて減少しており、アジアパシフィックでは唯一の需要減少国です。
アジアパシフィックでの製品構成は軽油(30%)、ガソリン(17%)、燃料油(16%)、ナフサ(12.7%)、LPG(9.7%)、灯油(9.6%)となっています。日本の構成はガソリン(22%)、A・C重油(20%)、ナフサ(18%)、軽油(14%)、灯油(12%)、LPG(12%)です。アジアパシフィックでは軽油の需要がダントツに大きいのがわかりますが、自動車での消費はこれの半分以下ですから主として内燃機関で使用されていると推定されます。また、燃料油の割合が随分と低くなっていますが、日本で言うA重油は軽油と分類されているものと思われます。
今後の需要量の増加とともにこの需要構成は、モータリゼーションの進展、石油化学産業の発展により日本のパターンに似てくるものと予想されます。