化学系エンジニアの独り言

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原油高直撃の航空業界

2008-06-12 | 石油
国内出張で乗る機会は程ほどにあります。しかしここ数年は海外出張からはとんと遠ざかっているのですが、飛行機の話題にはなぜか関心があるものです。

飛行機はジェット燃料、いわゆる灯油と同じ燃料で飛びます。なぜにガソリンを使わないのか? 自動車の燃料タンクスペースは限られているので、同じ体積でなるべく発熱量の大きい燃料が都合が良い。これに対して、飛行機は空を飛ぶので重さの軽い燃料、つまり重量あたりの発熱量の大きい燃料が好ましい。というわけで、自動車はガソリン、飛行機はジェット燃料なのです。

そのジェット燃料ですが、当然ながら昨今の原油高騰のあおりを受けて価格が大幅に上昇しています。それによって、航空会社は収益の悪化が著しいそうです。
以下は、NYTの記事からです。

8年前なら航空運賃の15%が燃料代だったものが、今は40%に跳ね上がっているそうです。燃料価格の高騰で、911以降搭乗者数は減っているのに燃料費は大きく増加しているとのこと。当然航空会社としては燃料費を減らす方策をあれこれ採っている。とにかく機体の重量を軽くする方法です。

機体の汚れを落とすためジェットエンジンの水洗頻度を上げる。(洗車のようなものでしょうか)
トイレ用に積み込む水を減らす。トイレに行っても水が出ないと困るのですが、通常は満タンの50%から75%くらいしか使われないのが実績だそうです。

座席を軽量なものに変える。ついでに多くの乗客が乗れるように座席の間隔を狭くしている、かどうかは知りません。
飲み物を缶入りからコップに注ぐように変更する。

古い機種を飛ばすのを止める。古い機種はやはり、燃費が悪いのだそうです。ノースウェストならDC-9、AAならMD-80s、UnitedならB747sといった機種を休眠させるそうです。

更に、飛ぶスピードを落とす。具体的には500mphから480mphといいます。但し、飛んでる時間は若干延びるのですが、時刻表の時間は変わらないとのこと。地上のタクシーイングの時間を短縮するのでしょう。

機長と副操縦士が操縦席に持ち込む重たい運行マニュアルを止める。それでは乗客は不安ですが、モニター上にいつでも必要なマニュアルを映し出せるシステムをとるそうです。但し、連邦航空局の許可が必要とか。

色々なことを考えるもんですね。そのうち、乗客の荷物にも厳しい制限がかかるかも知れません。

ところで年をとるごとに飛行機のゆれを怖く感じるようになっているのは、私だけでしょうか?別に墜落とかの恐怖を感じるわけではないのですが、とにかくゆれるのが気持ち悪いのです。

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